第60話 合流
港町コラレに着くとマルコは船の出発時刻を調べに行った。
その間は少し町の様子を見てから、マルコと合流して食事をする事にした。
「マルコさん、どうでした?」
「そうですね、ヘスティア様を待ってから出発とすると明日の朝1番の出発ですかね?」
「所でヘスティアさんとはどこで待ち合わせですか?」
「この港町に一番大きな宿屋があるので、そこで待ち合わせ予定です。いつも使わせてもらっている部屋があるので、そこにいれば来ると思いますよ」
「そうですか?食事が終わったらヘスティアさんが来るまで少し休みましょう」
「そうですね。大分急いで来たので、ツクヨミくんとクロエさんも疲れましたよね」
「クロエさんも少し休んだ方がいいよ。心配なのは分かるけど」
「分かってますけど…落ち着かなくて」
「マルコさんもクロエさんも、とりあえずご飯をしっかり食べましょう」
「そうしましょう。宿屋は私が案内しますので、着いたらツクヨミくんも休んで下さいね」
そして食事をした後、宿屋に行く事にした。
◆ ◆ ◆
ラウラ達はツクヨミ達と距離を取った後、どうするか話あっていた。
「どうする?アレクサンドよ〜アイツ等エルフの里に行くっぽいけど」
「行き先も分かったし、報告してから先回りするか」
「いいね〜」
「ただあのガキに勝てる気はしねぇぞ。どうする?」
「まともにやらなきゃいいんじゃない。所詮は子供よ、人質でも取っちゃうとかね」
「オレっちも賛成!」
「私はドラゴンでも誘惑してみますか」
「出来るのか?」
「ある程度の知能があればイケるでしょ!」
「あの方達もエルフの里付近にいるからな。勝機はこっちにある」
「じゃ、先回りしますか!
「りょ〜かい」
ラウラ達は今日の最終便でエルフの里に向かった。
◆ ◆ ◆
「そろそろコラレに着くわね。無事にツクちゃんと会えれば良いんだけど」
「ヘスティア様、見えて来ました」
「急ぎましょう」
「はい」
そしてヘスティア達は港町コラレ着いた。
宿屋に着き、無事にツクヨミと合流する事が出来た。
「ツクちゃ〜ん、お待たせ」
「初めましてヘスティア様、私はクロエと申します」
「大丈夫よ、アレスから全て聞いてるから」
「お願いします。エルフの里を救って下さい」
「もちろん、任せなさい。私とツクちゃんなら何とかなるでしょう。マルコ達はこのまま泊まって明日の朝ブルーメに戻ってくれる。エルフの里は私達3人で行くから」
「分かりました」
「私達も食事してから寝るとしましょう」
そして朝になり、朝食を食べ終わると出航の時間になった。
「マルコ、アレスによろしくね〜」
「ヘスティア様、旅の御武運お祈りします。気をつけて行ってらっしゃいませ」
マルコ達と別れ、船が出るとツクヨミがヘスティアにエルフの事を聞いた。
「ヘスティアさん、エルフの里ってどういう所ですか?」
「エルフはね、もともと少数の民族なの。だから村がいくつかあるけど、その中心に里があって年に数回村の代表が集まり、里の長老と会合などをする所よ」
「?…王都みたいな所ですか?」
「近いと言えば近いかな?人族で言うと長老が王様って所かしら」
「分かりました」
「ツクちゃんにとっては苦でないと思うよ。土地のほとんどが森だから、ツクちゃん慣れてるでしょ」
「ツクヨミくんは森での生活に慣れているのですか」
「はい、つい最近まではずっと森で暮らしてました」
「そうですか、本当は美しいエルフの森を見せたかったです」
「ヘスティアさん、少し心当たりがあるんですけど」
「な〜に心当たりって」
「実は少し前に冒険者のして依頼を受けた時に黒装束の3人が池に薬品を流していたんだ」
「薬品?」
「その森の魔獣が活性化したみたいなんだ。それに似ていると思うし、ここに来る途中に襲って来た奴らに、その3人がいた」
「なるほどね…確定かな。明日には着くと思うから、着いたらエルフの里に行ってから決めましょう」
「はい」
「クロエさん、着いたら案内よろしくね」
「はい」
「今から気を張っててもしょうがないし、船旅でも楽しみましょうか」
そして翌日の夕方にエルフの領地の港町ペルレに着いた。




