第59話 誘惑と夢幻
アレクサンドは前に出て、アドンは後ろで構えた。
「マルコさん、ツクヨミくん、私に任せて逃げる準備して!」
するとクロエは瞳を発動された。
するとラウラは立ち止まり、黒装束の3人は焦りまくっていた。
だが対峙しているアレクサンドとアドンは冷静に目を閉じた。
「お嬢さん、俺達に2度も同じ手は聞かない。覚悟するんだな!」
そしてアレクサンドは目を閉じたままクロエに斬りかかった。
クロエは防御するが弾き飛ばされた。
「さぁ、幻術は解けたぞ」
「なんだかな〜、オレっちの出番無しかな?アレクサンド、殺さないように気をつけてね〜」
それを見たツクヨミがマルコにクロエの加勢を頼んだ。
そしてツクヨミが黒装束の3人に斬りかかった。
するとラウラが邪魔をする。
「ボク〜ダメだよ焦っちゃ女の子に嫌われるよ」
すると3人がツクヨミに同時に斬りかかった。
「悪いがおばさんには興味がない」
そして3人を同時に斬った。
「やるわねぇ〜、せっかく助けたのに。あとおばさんじゃなくてお姉さんね」
そしてラウラはツクヨミに『誘惑の瞳』を使った。
「さぁ、ボクちゃんは私の言う事を聞いてちょうだい」
「聞くわけないだろ!」
「?」
「なるほど、その瞳で俺を誘惑するつもりだったか。しかし俺には効かないぞ」
「ちょっとマズイわね。効かないって事は精神が強いか、私よりかなり格上って所かしら」
「そろそろいいか?」
「そうねぇ、はいプレゼント(フレア)」
ラウラはアレクサンド達の様子を見て、すぐにアレクサンド達に合流する。
「ラウラ、どうした?」
「ちょっと、あの坊や手に負えないわ」
そして瞬歩でアレクサンドに斬りかかった。
あまりの速さに防御が手一杯だった。
すぐラウラが援護するとツクヨミが一旦離れた瞬間、アドンが魔法を打って来た。
ツクヨミは全て防御するとラウラが(誘惑の瞳)をマルコに使う。
マルコがツクヨミに斬りかかると、ツクヨミは峰打ちでマルコを気絶させた。
ラウラ達3人はそのスキに一旦逃げる事にした。
「ラウラ、あのガキ何だ?下手したら3人がかりでも勝てんぞ」
「やっぱ分かった〜。私もそう思った」
「アドンはどう思う?」
「オレっちの魔法をあんな簡単にかき消して、更にスキが無いって要注意人物って所でしょ」
「ひょっとしたら、あの方達と同等かもしれんぞ」
「そだよね〜、どうすんの?こっち3人ヤラれちゃったし」
「オレっちは無理せず報告かな。もしくは尾行して様子見って感じで」
「そうだな。少し様子見するか」
「はいは〜い、そうしましょ」
◆ ◆ ◆
「クロエさん大丈夫ですか?」
「ありがとう、助かったわ。本当に強いのね」
「とりあえずマルコさんを介抱してから早めに出発しましょう」
「そうね、ゴメンね。私も少し休ませてもらうわ」
そしてツクヨミは周囲を確認してクロエを休ませて、マルコの意識が戻るのを待った。
マルコが目を覚ますと場所を変えて野宿をした。
「おはようございます。マルコさん大丈夫ですか?」
「ありがとう。本当に助かったよ。アレス様の言っていた通り凄いね、ツクヨミくんは」
「それほどでも無いです。所でクロエさんは瞳の持ち主ですよね」
「知ってるの?そう、私の瞳は(夢幻の瞳)よ。相手に少しの間、幻を見せる事が出来るのよ」
「俺が見た所、相手のラウラって人も瞳の持ち主だな。相手を誘惑するみたいですね」
「だからマルコさん、いきなり襲ってきたの?」
「たぶんそうですね。そしてクロエさん、確実にあなたを狙ってますね。正確に言えば瞳の持ち主を!港町に着くまでは一人にならないように注意して下さい」
「分かったわ。ありがとう」
そして夜まで馬車を走らせて、また野宿をした。
野宿をしている間はツクヨミが夜通し警戒しながら火の番をする。
「ツクヨミくん、一番年下の君に任せっきりで本当にすまない。移動中は少しでも寝て休んでくれ」
「ありがとうございます」
「このまま行けば昼には港町に着くはずだから」
「ツクヨミくん、私もいるから休んで」
「じゃあお言葉に甘えます」
昼になり、港町コラレに着いた。




