第49話 内乱の結末
中に入るとフィオナに3人の男が襲いかかってきた。
フィオナは何とか捌き、距離をとった。
「お父様!」
するとフランシスは傷だらけになりながら国王レオンを守っていた。
「フランシス、何だ娘か?」
「だから何だ」
「先に殺すのも一興か?」
「やめろ!モーリス」
「お前らも小娘の相手に行け!」
今現在、王の間で動ける者は、王以外では立っているのがやっとのフランシスとフィオナだけになっていた。
それに対して、元第六騎士団団長のモーリスと部下5人残っている。
すると部下5人は一斉にフィオナに斬りかかる。
「(氷華一閃)」
何とか2人は倒したが残りの3人から斬られる。
「フィオナ〜!」
「今行きます、(氷華疾風)」
フィオナは瞬歩を使い、一気にモーリスを突きにいった。
「甘いわ」
まだ未完の瞬歩と氷華疾風を見切り、そして蹴りを入れた。
「面倒だ。親子一緒に死ね」
モーリスが斬りかかると同時にツクヨミが来た。
「残念だったな。ここまでご苦労さん」
「ツクヨミ〜」
そばにいた部下3人が斬りかかるとツクヨミは時間を止めた。
「灼き尽くせ(迦具土神)」
黒炎がツクヨミの刀に纏わりつくと一瞬で3人の胴体を真っ二つに斬り燃やした。
1秒が立つ、しかしこのままでは間に合わない。
この状況でツクヨミはもう1秒、合計2秒止めた。
今まで止められる時間は1秒だけだったが、危険を承知に無理をした。
この1秒で瞬歩で一気にモーリスの胸を刀で突き刺し、そのまま壁まで吹き飛ばした。
そして時間は動き出す。
周りは何が起きたか分からずにいた。
「俺はこの瞳に映るものすべてを守る」
無理をした代償なのか、ツクヨミは両目から血を流し、吐血しながらその場で倒れた。
「ツ、ツクヨミ〜〜〜」
倒れたツクヨミにフィオナが駆けつけ抱きしめた。
そして王都内乱はたった1日で幕を閉じた。
◆ ◆ ◆
数日後、王宮ではフランシスとオットーがレオン国王にほ報告していた。
まずはオットーが国民の被害状況を報告した。
「レオン国王様、王都の国民約28万人は死者0です!負傷者は3000人近くいますが全て軽症です」
「何と!」
「騎士団1800人回したのもありますが、冒険者の活躍が一番大きいかと」
「そうか!して冒険者は」
「冒険者の被害は600人中死者0です。重症者約320人軽症者約240人いますが、流石と言うべきでしょう」
「それは良かった。褒美も用意せねばのう」
すると次はフランシスが報告する。
「我が軍の死傷者約4800人、内死者約3200人になります。また反乱軍の死者約5300人に残り700人は捕まえてます」
「そうか…」
「ただ気になる事があります」
「申してみよ」
「以前冒険者が森で捕えた不審者3名と元第八騎士団副団長ラウラが姿を消しました。この国で何かが起こっているのかもしれません」
「分かった。その件はフランシスに一任しよう」
「はっ!」
「それと動ける者に外交で出ているフィオン、ノア、リアを戻るよう伝えよ」
「承知致しました」
◆ ◆ ◆
「ラウラ様、助けて頂きありがとうございます」
「まぁついでよ。ついで」
「流石はラウラ様の瞳、こんな簡単に反乱を起こさせるとは」
「私の瞳は(誘惑の瞳)だからねぇ〜、格下相手なら簡単に操れるわ」
「それで瞳の保有者は見つかりましたか?」
「う〜ん、怪しいのは聖女様ぐらいかな〜。断定は出来ないけど…とりあえずこの国にはしばらく用はないわ」
「では私達3人もこのままご同行させて頂いてよろしいですか?」
「いいわよ。あのお方も待っているし〜、一旦帰りますか」
「「「はっ!」」」




