第47話 ヘンリーの意地
ヘンリーとフェリックスは70人いた反乱軍を一気に半分に減らした。
「よえ〜な〜、これが騎士団かよ!」
「まぁ新卒の兵士でしょうか?いくら何でもこんなに弱いはずはありませんよ」
「しかしよ〜、これならまだエミールの方がマシだぜ!」
「おい!いつまでもガキが粋がってんじゃねぇぞ!」
第七騎士団の団長と副団長が前に出てきた。
「テメェは誰だ?ようやく大物の登場か〜」
「俺は団長のベンだ。お仕置きしてやるからかかってこい!アニカお前はもう一人のガキ相手にしろ!」
「分かりました。さぁ坊や、お姉さんが相手してあげるわ」
「僕は貴方みたいな女性には手加減しませんよ!」
その状況を見たオスカー達は傷だらけの状態で何とか残りの反乱軍を相手にする。
「残りは私達が何とか喰い止めて見せる!」
第一騎士団としてオスカー達は意地を見せた。
◆ ◆ ◆
ツクヨミ達は反乱軍に追いついてきた。
「フィオナ!前に反乱軍が見えた。俺が敵の後方を蹴散らすからその間に先に行け!」
フィオナはコクリと頷き、そして走り続抜ける。
「悪いがお前ら退いてもらう!」
ツクヨミは瞬歩で一気に反乱軍の後ろにたどり着く。
「(幻影八斬)」
まずは8人を斬り倒すと、続けて前を走る8人を吹き飛ばす。
「(八龍炎斬)」
「う、うわ〜」
すると足止めをする為、5人が立ち塞がった。
「フィオナ駆け抜けろ!」
ツクヨミはフィオナの援護で更を技を繰り出した。
「薙ぎ払え(紅蓮一閃)」
更に2人、そしてフィオナを無事に送り出した。
「後3人か、すぐに終わらせる」
「生意気な!舐めるなよ」
3人同時に斬りかかる。
しかし、斬ったと思ったらすり抜けていく。
「時間が無い!先に行かせて貰う」
3人はいつ斬られたか分からずに倒れた。
◆ ◆ ◆
「さてと、坊や行くわよ」
ヘンリーとアニカの戦いが始まった。
「(ファイアーアロー)」
ヘンリーは上手く防いだが距離を取られて反撃出来ない。
「坊や、向かって来ないと私には勝てないわよ」
アニカの軽い挑発だが、確かにこのままでは勝てないのでヘンリーは前に出た。
「あら、結構速い突き出来るじゃない。でもまだまだね」
アニカは槍を薙ぎ払い斬りつけるがヘンリーはバックステップで後ろに飛んだ。
「(ファイアーボール)」
ヘンリーは槍で防御した瞬間、アニカが前に出て斬りつけた。
ヘンリーは見事に防ぐ事が出来た。
サクヤとの稽古が無ければ間違いなく、今の一撃で倒れていたであろう。
「今のを躱すとは、坊やにしてはなかなかやるじゃない」
「えぇ訓練の賜物ですよ。オバさん」
ヘンリーも挑発してみたが流石に副団長だけあって通用はしなかった。
「じゃあ〜こんなのはどうかしら?」
アニカの剣が炎を纏った。
「接近戦ですか」
「そうね、行くわよ(ファイアーウォール)」
ヘンリーの目の前が炎の壁で塞がった。
すると、あらゆる角度から炎の斬撃が飛んでくる。
「クッ…どこを狙えばいいか…これは流石に…」
じわじわと炎の熱でヘンリーの体力は消耗し、斬撃も少しづつ喰らい始めた。
ヘンリーはダメージ覚悟で炎の壁に突っ込んでいった。
すると攻撃はアニカに読まれてカウンターを喰らう。
「所詮は坊やね。!!」
ヘンリーの左肩に刺した剣を抜こうとするとアニカは腕を掴まれた。
「やっと捕まえましたよ。これで貴方に届く」
一瞬焦ったアニカのスキをヘンリーは見逃さなかった。
「フ、(ファイアーボール)」
「(スパイラルジャベリン)!」
強力な突きが炎の槍を巻き込んでアニカを吹き飛ばした。
一撃でアニカを気絶させたがヘンリーは急所をわざと外したので死なせてはいなかった。
「ハァハァ、流石に女性を殺すのは目覚めが悪いんですよ」
その場でヘンリーは倒れた。
「後はフェリックスあなただけですよ」
そしてヘンリーとアニカの決着がついた。




