第46話 エミリアの才能
侵入した反乱軍1500人は騎士団と共倒れになりながら王の間付近では、残り第一騎士団約20人対反乱軍約100人になっていた。
すると抑えきれず王の間に第六騎士団団長と副団長と30名ぐらいがたどり着いてしまった。
前には元第七騎士団団長ベンと副団長アニカと約70人がオスカー、テオ、フランク達約20人と交戦している。
何とかツクヨミ達がたどり着くと顔見知りの3人がいた。
「オスカーさん、テオさん、フランクさん無事でよかったです。後は任せて下さい」
「ツクヨミくん久しぶり。悪いな助かるよ」
「ツクヨミ、30人にぐらい先に行かれた。頼む!悪いが援護に向かってくれ。王の間には護衛が5人しかいないんだ」
「フランクさん分かりました。フィオナ行くぞ」
するとヘンリーとフェリックスが立ち止まる。
「ツクヨミよ〜しょうがねえからこっちは任せろ!その代わりどでけぇ〜獲物は貰うぜ!」
「ツクヨミくん、先に行ってて下さい。ここは死守します」
「頼んだ!」
そしてツクヨミとフィオナは先に進んだ。
◆ ◆ ◆
学園では市街地で交戦していた騎士団が勝利して援軍に来てくれたお陰で学園の生徒と教師は共に無事で反乱軍を撃退した。
冒険者達の働きのお陰で800人の騎士団が生き残り、500人は王宮に向かい300人が援軍として来てくれた。
その人数と指揮をしていたイエルクが倒れた事によって学園にいた残りの反乱軍は降伏した。
すると校長のルイが生徒をここでが待機させた。
「騎士団の皆様ありがとうございました。後は平気ですので早く王宮に向かって下さい」
するとメリナ達が引き返して来た。
「ルイ校長」
「どうしたのですか?とりあえずマチルダ先生と騎士の皆さんは傷の手当てをして下さい」
メリナはルイにこれまであった出来事を説明した。
「そうですか、ここはもう安全ですので少し休んでいなさい」
そこに生徒会長達も戻って来た。
「あらあら、メリナ様ご無事で何よりです。校長、全校生徒被害者0です」
「ご苦労さまです。ステラさん、あなた達も休んで下さい」
「はい、分かりました。あなた達、お名前は?」
「俺、クルトっす!」
「サクヤです」
「そう、よく王女を護衛しました。あなた達、生徒会に入りなさい。私から推薦しておくわ」
「あざーす、俺がんばるッス!」
そしてステラはこの場を離れ、メリナ達はクラスに合流した。
「クルト〜無事だったか!」
「よう、ポウルにマルティン」
「メリナさんサクヤちゃん大丈夫?」
「私も大丈夫です」
クラス全員がメリナとサクヤの所に集まってきた。
「えっ?俺には」
「日頃の行いだな」
「そうですね」
「まぁいっか!あの美人生徒会長に気に入られたし」
「「「なに〜〜〜!」」」
「俺様もついに生徒会デビューだな」
ようやく生徒達に笑顔が戻った。
◆ ◆ ◆
王宮正面でも戦況は一気に変わって来た。
冒険者達の強さと勢いに反乱軍が押されてきた。
「今です。相手の中央に斬り込み、敵兵を分散させるのです!」
気がつくとエミリアが指揮をしていた。
「フィンさん達冒険者の皆さんは右側の反乱軍をお願いします」
「おう!任せてくれ」
「お父様の第四騎士団は左側をお願いします」
「あ、あぁ分かった」
「エミール、アンタは冒険者の人達と一緒にいなさい。弱いんだから」
「俺は弱くねぇ〜」
エミールは怒りと勢いで突っ込んでいった。
「フィンさん、どうやら相手側に指揮する人がいないみたいなの。全然連携が取れてないわ」
「あぁ、まるで素人だな。」
「皆さんの強さなら力押しで余裕で勝てるわ!更に半分に分散させて囲み倒しましょう。」
「よし、エミリアちゃん指示は頼む」
「任せて!速攻終わらせて残りの半分を一気に蹴散らしてましょう!」
「分かった。お前達一気に行くぞ〜!」
冒険者達はもの凄い勢いで反乱軍を倒していく。
冒険者600人で相手500人を死者を出さずに制圧した。
いくら冒険者達が強いからといっても、ほぼ同人数の相手を死者を出さずに制圧するなど奇跡に近く、エミリアの細かい状況分析にフィンや他の冒険者達も驚いた。
そして右側の反乱軍を制圧した所で援軍が到着するとここでまた戦況が変わる。
現在、騎士団と冒険者の連合軍800人対反乱軍残り500人、更に援軍500人が追加されたので、1300人対500人になり反乱軍は降伏した。
「私達の勝利よ!」
「「「オーーー!」」」
歓声が上がった。
「エミリアよ、私達はこれより援護に向かうから後の事は任せたぞ」
「分かったわ、お父様」
直ちにオットーは第四騎士団300人を連れて第一騎士団の援護に行った。




