第44話 護衛
学園では現在、反乱軍500人に対して警備と教師で約50人、援軍に来た騎士団が300人で何とか持ちこたえている。
するとツクヨミ達は行動を起こす。
「サクヤ、俺は正門の反乱軍を相手にしてくる。その間にメリナと合流して護衛してくれ」
するとフィオナが
「私も連れて行ってくれない。もちろんこの学園も大事だけど…私は五大貴族!そして父も今、国王の護衛をしているはずよ。だから五大貴族として父の援護に行かせてほしいの」
「………分かった。なら俺が王宮まで着いて行こう!」
「ありがとう」
「クルト!悪いがメリナの所までサクヤの案内を頼めるか?」
「おう!任せろ」
「マルティンとポウルは俺たちがいない事を上手くフォローしてくれ!」
「任せて下さい!」
「任せろ!その代わりまた合コン付き合えよ!」
思わずフィオナがツッコむ。
「何よ!合コンて」
「まぁ今はそれどころではない」
「ちょっと誤魔化さないで!」
「…よし、行こう!(マルティンのヤツ、覚えとけよ)」
そしてサクヤとクルトはメリナを追った。
ツクヨミ達は正門の方に行こうとするとヘンリーとフェリックスがいた。
「おいおいツクヨミよ〜、そんなおもしれーことをよ〜、俺にも参加させろよ」
「ツクヨミくん、僕も行きますよ」
「勝手にするがいい」
するとエミリアとエミールも参戦した。
「俺を忘れんなよ」
「そうよツクヨミ私達も五大貴族なんだからね」
「テメェら足手まといはいらねぇんだよ!俺様とツクヨミで十分だ」
「まぁまぁ落ち着いて!それでは早く行きますか」
そして6人は外に出た。
その姿を見ていた校長のルイは、止めるのではなく生徒会長を呼んだ。
◆ ◆ ◆
マチルダとメリナは裏口に向かい、第四騎士団副団長と合流を目指した。
「メリナさん、もう少しです。」
「はい、先生」
すると前から騎士団3名が来た。
「メリナ様ご無事で何よりです。私は第四騎士団副団長デニスです。今から一度この町の住民に紛れて避難して頂く予定です。まずは敵の目を誤魔化す為に来て頂いてよろしいですか?」
「分かりました。それでは先生も一緒に」
「はっ!」
裏口から出ようとすると目の前には元第八騎士団団長と部下50人を連れて待ち伏せていた。
「よう、デニス」
「イエルク団長!なぜあなたがこのような事を!」
「お前に言っても理解出来んよ。さぁメリナ様を渡してもらおうか」
「断る!」
「だろうな〜、それでは死んでもらおう。お前たちメリナ様は殺すなよ!」
戦いは5人に対して50人、何とか5人で30人を倒した。
しかし騎士団二人は既に動けなくなり、デニスも辛うじて動ける程度、メリナは無事だが庇ってマチルダも傷を負った。
「さ、メリナ様。こちらに来て貰いましょうか」
「ツ、ツクヨミさ〜ん」
思わずメリナは叫んだ。
その時、
「(紫電一閃)」
反乱軍3人を一気に倒した。
メリナが振り向くとそこにはサクヤとクルトがいた。
「サクヤさ〜ん」
「クス、私は兄さんじゃないですよ」
サクヤは笑顔で答えた。
「クルトさん、メリナと先生をお願いします」
「お、おう」
「あなた達ですね!メリナさんをこんな目に合わせて………許しません!」
「おいおい、お嬢ちゃんに何が出来るんだい?」
イエルクを合わせて残り17人、サクヤは瞬歩で一瞬に敵の中に入り込んだ。
まずは剣舞でそばに居た反乱軍5人を倒すと瞬身で身を流し、そのまま更に3人倒すと他の3人が一斉に斬りかかった。
「ガキが〜〜〜」
反乱軍3人の剣がサクヤを斬った。
「サクヤさん!」
すると斬ったと思った剣はサクヤを通り抜けていく。
「(陽炎)」
斬りかかる騎士全ての攻撃がすり抜けていき、カウンターで倒していく。
「後はあなただけですよ」
「マジか?お嬢ちゃんは何モンだ?」
「私はメリナさんのお友達です」
「だが所詮はガキ、ザコばかり倒しても俺は倒せないぜ!」
イエルクが戦斧を構えると魔力が戦斧に集まってきた。
「ふん!(インパクトスラッシャー)」
サクヤは避けるが爆風で吹き飛んだ。
「お嬢ちゃんでは俺の攻撃を防げないよ」
サクヤは前に出ようとするがイエルクの戦斧に魔力がどんどん集まってきて、一振りで大地が裂けた。
「知っていますか?柔よく剛を制すと言う言葉を」
サクヤの歩法が変わった。
イエルクは戦斧を振りまくるが崩れた足場を何も無いように、吹き荒れる風圧は逆らわずに徐々にサクヤは近づく。
「終わりです。(四神剣舞 朱雀雷鳴)」
2つ光がイエルクを襲う。
イエルクの防御は間にあわず、斬られると同時に雷が襲い体を突き抜ける。
「私の勝ちです」
イエルクはそのまま後ろに倒れた。




