第35話 エミリア
日曜日。
なぜか朝の食卓にはツクヨミとサクヤにエミリアがいて一緒に食事をしている。
食事をしているとメリナとフィオナが同時に家にやってきた。
「な、なんでエミリアがいるのよ!」
「まぁ成り行きだな」
「二人とも落ち着いて座って下さい」
「エ〜ミ〜リ〜ア〜」
「食事中何だから静かにしてよ!フィオナ」
「ツクヨミさん!これはどういう事ですか!」
ツクヨミの代わりにサクヤが説明した。
「あのですね、エミリアはどうしても兄さんと闘いたいらしくて、朝ごはんも食べずに家に来たんです」
「と言う事だ」
「俺は久々に仕事に行こうと思っていたら着いていくと聞かなくて…」
「「「私も行きます」」」
「おいおい、冒険者の仕事だぞ」
「そうですよ、皆さん貴族でメリナさんは王女様ではないですか」
「第二王女です!関係ありません」
場が収まらないのもあり、食事を終えてからギルドに向かった。
ツクヨミとサクヤがギルドに入るとフィンとアンナが入口にいた。
「ツクヨミくんにサクヤちゃん、久し振り」
「ツクヨミくんは仕事かしら」
するとゾロゾロと3人が入ってきた。
他の冒険者が近づくと
「オイ!嬢ちゃんたち、ここは遊び場じゃないぜ!」
するとエミリアは剣を抜く。
すぐにフィンが止めに入った。
「どういう事だい?これは」
サクヤはフィンとアンナに成り行きを説明した。
するとフィンは自分では無理と判断して、ギルド長のモーリッツを呼んできた。
「これは第二王女様、どのようなご要件で?」
「私たちも依頼を受けます」
「すいませんが流石に王女様を冒険者に登録する事はちょっと…それに聞けばそちらのお嬢様方も五大貴族の娘さんらしいではないですか」
「親のご了承を得ないとこちらとしても…」
するとチャンスとばかりにツクヨミが前に出てきた。
「そうだぞ!今日は大人しく帰った方がいいぞ」
しかし3人は帰る気配が無いのをみてフィンがサクヤに今日は帰る様に頼んだ。
ツクヨミもフィンの頼みなので諦めてギルドを出る事にした。
するとエミリアがツクヨミに闘ってくれたら今日は帰ると言ったので町の外で闘うことにした。
「サクヤ、合図を頼む」
「それでは試合を始めて下さい!」
エミリアがいきなり技を出してきた。
「(ディバインインパクト)」
ツクヨミは少し油断したが、すぐさまスキを突いた。
「(闇一閃)」
エミリアはツクヨミの攻撃を躱し、凄まじい勢いで突きを放ってきた。
「(ミーティア)」
ツクヨミは(瞬身)でギリギリ躱し、カウンターを決めた。
「また負けたわ〜これも躱されるとは思わなかったわ。」
「流石に今のは危なかったけどな」
「決めたわ!あなた私の婿になりなさい」
「「「ハァ〜〜〜ア!」」」
「エミリア!アンタ何言ってんの!」
「フィオナには関係ないわ」
「関係あります!」
「じゃあ〜何?」
フィオナは急にモジモジして言葉に詰まるとメリナが答える。
「ツクヨミさんは私の大事な人です!」
「そう、でも関係ないわ。同じ人に二度も負けたら結婚するしかないわ」
「「「けっ結婚!」」」
空気を読み、サクヤが前に出た。
「皆さん、私たちはまだ12歳です。成人を迎えるにはあと3年ありますので焦らずとも良いではないですか?」
「今日はみんなで食事でも行って、楽しく買い物でもどうですか?」
3人とも大人しく町に戻る事にした。
ツクヨミはサクヤに小声で
「サクヤ、助かったよ」
「兄さんはこういう所が頼りないですね」
「面目ない」
「あとは兄さんに任せますので、私は先に帰って家の事をやってますね」
「えぇ〜」
「ガンバって下さいね」
サクヤは笑顔で家に帰り、ツクヨミは4人で食事をしに町に向かった。




