第26話 二人の修業(メリナ)
一方、メリナはサクヤに教わった剣舞を見せていた。
「どうですか?サクヤさん」
「そうですね〜剣舞で大切なのは視野の広さと判断力です。それによって動きが変わりますが…今の動きを30分やって息が切れない様にしましょう」
「30分ですか?」
「簡単すぎですか?」
メリナはブンブンと左右に顔を振り、重い腰を上げてやり始めた。
10分立つとだんだん腕が上がらなくなり、息が切れてきた。
「サ、サクヤさん…ハァハァ、どうですか」
「全然ダメです」
サクヤは笑顔で応えるとメリナの顔が真っ青になっていく。
「サクヤ、フィオナさんみたいに必殺技みたいな物を教えて欲しいのですが…」
「わかりました。二刀流の剣舞を3時間舞えたら(桜花乱舞)を教えます」
「えぇ〜〜〜〜〜」
サクヤのスパルタが始まり、日が暮れた頃メリナは生まれたての子馬の様になっていた、
「さ!メリナさん、今日は終わりにして帰りましょう」
メリナは疲れきって頷く事しか出来ない。
すると前からおんぶされたフィオナがやってきた。
「フィ、フィオナさん…な!何をなさっているんでしょうか!」
フィオナはメリナにニヤっと笑ってみせた。
「いや〜、ちょっと厳しいしすぎたせいで動けなくなったからな。俺がこのまま家まで送っていくよ」
「〈ガーーーン〉なんでそんな結果に」
メリナはサクヤの方をチラッと見て
「サクヤさん普段は優しいのに…ツクヨミさん、私も送って欲しいのですが…」
すると前からテレサが迎えにきた。
「な、なぜこのタイミングに…」
体も心もぐったりしたメリナは膝をつくとテレサが起こし、全員帰る事となった。




