第17話 メリナvsフィオナ
クラス分けの模擬戦はメリナとフィオナ以外はヘルマンが適当に対戦相手を決めて始まった。
ツクヨミとサクヤは難なく勝利し、Aクラスになり、メリナとフィオナ以外はクラスが決まった。
どうやら勝利は関係なく、今の所はAクラス10名、Bクラス20名の振り分けになり、後はメリナとフィオナで全てのクラス分けが終わる。
「それでは最後の試合を始める。メリナとフィオナ準備はいいか?」
「「「はい!」」」
「それでは試合開始!」
開始と同時にフィオナが飛び出すとメリナはカウンターを狙った。
二人の剣がぶつかり合う。
「姫様の割にはなかなかやりますね」
「フィオナさんも」
そして10分が経ち、拮抗した試合も最後の一撃になった。
「ハァハァ、次で決めます!覚悟はいいですか姫様」
「ハァハァ、私もこれで終わりにします。」
「アクアスラッシュ」
フィオナの魔法剣、水を纏った飛ぶ斬撃を放つとメリナが技を出す。
「フレアスラッシュ」
メリナも魔法剣、炎を纏った飛ぶ斬撃を放った。
火と水の斬撃のぶつかり合い!メリナとフィオナは衝撃でお互い吹き飛ぶ。
メリナの飛んだ先にはサクヤが、フィオナの飛んだ先にはツクヨミがいて助けるが、お互い死力を尽くし意識を失った。
ヘルマンは驚きを隠せず、(俺、この二人に教える事ある?)と思いながら、興奮している生徒に
「えー、今日の授業はここまで!すまんがそこの二人、そのまま保健室に連れていってくれ」
ツクヨミとサクヤは二人を保健室に連れていった。
保健室に着き、しばらくすると二人は目を覚ました。
「メリナさん、分かりますか?サクヤです」
「は、はい、分かります。試合はどうなりました?私は負けたのですか?」
「引き分けです」
「メリナ、凄かったぞ!ここまで強いとは思わなかったよ」
「何か、ツクヨミさんに言われていると照れますね」
「メリナさん、もう少ししたらテレサさんが迎えに来ますので、それまでは寝ていて下さいね」
「はい」
そしてツクヨミはフィオナに声をかけた。
「よぉ!大丈夫か?」
フィオナは頭を抑えながら起き上がり、メリナに謝罪する。
「メリナ様、今までの非礼申し訳ございません。」
フィオナはようやくメリナを認めた。
「どうしても相手を知らずに…」
「気にしないで下さい、フィオナさん」
「私の事はフィオナとお呼び下さい」
「分かりました。それではフィオナ、私の事はメリナと呼んで下さいね」
「しかしそれは…」
「メリナです!私達はもう友達でしょ!」
「分かりました。メリナ、これからもよろしくお願いします」
そして二人は握手をした。
「じゃあ、サクヤはメリナを頼んだ。俺はフィオナを送ってから帰るよ」
「貴方に、送って頂く必要はありません!私はあなた達を認めた訳では無いので…ただ、助けて頂いたお礼だけはさせてもらいます。ありがとうございます」
そしてフィオナは一人で帰り、しばらくしてテレサが迎えに来たのでツクヨミ達も帰った。




