第131話 ヴィンデンブリューテ
ヴィンデンブリューテ王国では既に大半の兵士が殺られていた。
「まだ援軍は来ないのか!」
軍団長ウィリアムは焦りを感じていた。
兵士たちの疲労がピークに達した時、伝達が届く。
「軍団長!援軍が来ました」
「ようやくか!で数は?」
「それが………」
「それが…何だ」
「それが………言い辛いのですが………」
「だから何だ!」
「たった2人です」
「2人だとぉ!」
「はい、2人です」
「ばっ馬鹿にしているのかぁぁぁ!!」
「しかし、来た2人はどうやらミネルヴァ様のご子息みたいですが………」
ウィリアムは疲労と怒りで頭が回らなくなっていた。
「だからどうしたぁ!」
「勝算もなく、我が子を死地に向かわせるでしょうか?」
ウィリアムは落ち着き、しばらく考えた。
確かに我が子を死地に向かわせる親などいない。
だからといって、この強力な魔獣たちをたった2人でどうにか出来るとは思えない。
いくら考えても答えは出ないので、実際に会ってみることにした。
「怒鳴って済まない。とりあえず援軍に来た2人をここに呼んできてもらえないか」
「はい」
ウィリアムは2人が来るのを待った。
しばらくするとヴィクトーとビアンカがウィリアムの所にやってきた。
ウィリアムもまさかこんな子供が来るとは思わず、動揺を隠せずにいた。
「初めまして、私は妖精国から参りましたビアンカです。そして」
「俺はヴィクトー、よろしく」
「妖精国から?君たちはあの実様のお子さんと聞いたが…」
「はい、母はこのような事態を想定しておりまして、アフロディーテ様にも修行をつけてもらい、ヴィンデンブリューテ王国に来ました」
「そ、そうか」
「はい、で現状を教えて頂けますか」
「あ、あぁ」
そしてウィリアムは今の状況を伝えた。
「わかりました。私たちで近隣の魔獣を倒します。その間に守備を固め、ケガしている人の治療と、疲労している人の食事と休養をお願いします」
「あぁ、わかった」
「その後、体制が整い次第、3勤交代制でまわしていきましょう」
「大丈夫なのか?」
「はい、ですので隊長さんも少し休んで下さい」
そして2人はすぐに外に出た。
心配になったウィリアムは防御壁の上から確認すると、みるみる魔獣を討伐していく。
「う、嘘だろ!」
息のあったコンビネーションで無駄な動きも無く、見惚れる程の戦い方だった。
そしてウィリアムも少し休む事にした。
しばらくすると2人は帰ってきた。
「君たち、どうしたんだ!怪我でもしたのか?」
「いえ、あらかた片付けてきたので報告に参りました」
その言葉に驚き、急いで外を見に行くと、辺りは魔獣は全て倒されていた。
「す、凄い」
あまりの光景に歓喜し、急いで疲れきった兵たちに叫んだ。
「みんなぁ〜!助かったぞぉ〜!!」
周りの兵たちも何が起きたかしばらくわからなかった」
「君たち!本当にありがとう」
何度も何度もウィリアムはヴィクトーとビアンカにお礼を言った。
そして何とかヴィンデンブリューテ王国も危機を脱出した。




