第130話 ヴィンデンブリューテ
ヘスティアのいない間に人族領の各地に魔獣が大量発生していた。
キルシュブリューテ王国はエミリアたちを筆頭に冒険者たちで何とか防いでいたが、ヴィンデンブリューテ王国、ペストヴルツブリューテ王国は危機に陥っていた。
ブルーメ都市はアレスが指揮してクロエも参戦し、他に援軍を送る余裕は無かった。
しかし、キルシュブリューテ王国はペストヴルツブリューテ王国にヘンリーたちと騎士団を派遣した。
また妖精国にいたヴィクトーとビアンカはヴィンデンブリューテ王国を助けにいった。
ペストヴルツブリューテ王国では騎士団と冒険者が苦戦している。
その中には学園の教師たちや一部の生徒も加わっていた。
いち早く飛空魔法で到着したヘンリーたち3人は魔獣退治の先頭にたった。
「お待たせ致しました」
先頭で防衛を張っていたペストヴルツブリューテ王国騎士団団長ヴァレリオにヘンリーが話しかけた。
「君たち3人だけか?大丈夫なのか?」
「安心して下さい。直にキルシュブリューテ王国騎士団が到着すると思います。それまでの間、私たちが防衛の手伝いをします」
「………わかった。感謝する」
少し不安のヴァレリオだが、流石は騎士団団長だけあって周りの士気を上げる為に、守備隊に声を上げた。
「皆の者、聞いたか!後少し踏ん張ればキルシュブリューテ王国からの援軍が到着する!我々も無様な姿を見せられん!ペストヴルツブリューテ王国騎士団、そして冒険者たちよ!我らの誇りと意地を見せようぞ!!」
「「「おぉォォォォォォ!!!」」」
士気も高まった所でヘンリー、フェリックス、エミールが前に出た。
たったの3人だけでどんどん中型の魔獣を倒していく。
「何なんだ、あの子供たちは!魔物1体倒すのに、我々は数人がかりでやっとだというのに…」
少し離れた所にはジャンヌ、ソフィー、ユーゴがその戦いを見ていた。
「オイ!アイツらキルシュの奴じゃねぇか!!この短期間に何であんなに強くなってんだぁ」
「……………知らない……………」
「オイ!こっちも行くぞ!!」
「えっ?えっ?ジャンヌ、まずいですってぇ〜」
「ユーゴ、てめぇ何、泣き言言ってんだぁぁぁ」
「……………ユーゴ、ヘタレ……………」
ジャンヌたちは急いでヘンリーたちの戦闘に参戦する。
「オイ!フェリックス!!てめぇ何勝手に強くなってんだぁゴラァ」
「何だぁ、誰かと思ったらアバズレかぁ〜、残念だがツクヨミはいねぇぜ」
「ば、馬鹿かぁお前ぇ、そんなんじゃねぇよ」
「まぁてめぇ足引っ張んじゃねぇぞ」
「くっ!ソフィー、こっちも行くぞ」
「………………OK………………」
「僕、いらなくないっすかぁ」
ペストヴルツブリューテ王国付近の魔獣たちを一気に倒していく。
「今だ!我らも行くぞぉ!」
「「「オーーー!」」」
ヴァレリオは援軍の騎士団を待たず、今の状態の波に乗ろうと守備から攻撃に変更して、ヘンリーたちのあとに続いた。
そして数時間後にはある程度の魔獣を倒して、危機的状態から安全圏内へと運び、交代制で魔獣の監視をする事にした。
「キルシュブリューテ王国騎士団の皆さん、ご協力感謝します。後は我々に任せて少しお休み下さい」
ヴァレリオは感謝の言葉を言うと、守備につき再び指揮をとる。
「フェリックス、エミール、お言葉に甘えて私たちも少し休みますか」
エミールは尻もちをつき、フェリックスは物足りなさそうにしている。
「所でよぉ、何でオメェが指揮してんだぁ?」
「まぁまぁ、フェリックスはこういうの苦手でしょ」
「そうだけどよぉ」
「良かったらユーゴくんたちも一緒に食事でもしませんか」
「いいっすねぇ〜、行きましょう」
「オイ!てめぇはたいして働いてねぇだろうがよぉ」
「………………ダメ男………………」
「いいじゃないっすか、ジャンヌもソフィーもお腹空いたでしょ!」
「「………………」」
仕方なく6人で食事を取りながら、ジャンヌに今まで何があったのか色々と聞かれた。(上から目線で)




