第125話 獣王レオナルド
獣王たちの目の前には、闇の跳梁者たちが陣取っていた。
「これは獣王レオナルド様、お久しぶりです。今日はどのようなご用件で?」
「舐めた口を聞きよる。レオよ、お前がオーウェンを殺ったのか?」
「俺じゃあなく、マティルドゥですよ」
「相当、力をつけたと噂だがマティルドゥがか…」
「確かに俺たちは力をつけたが、まだ1対1であなたに勝てるって言う程自惚れてはいませんよ」
「どれ、どの程度腕を上げたか、俺が直々に見てやろう」
「面白い!」
「エドアルドよ、お前たちは下がってろ!」
「リッカルド、シモーネ、マティルドゥ、お前たち手出し無用だ!」
獣王とレオが対峙した。
獣人たちの戦闘は基本体術である。
魔法は補助系が多くて、戦闘に入る前に肉体強化の魔法は発動している。
二人の戦いのスピードに目が追えるのは、四獣士と四天獣魔だけである。
ただし目で追えるだけで、四獣士たちは動きにはついていけないので、獣王の動きについていけるレオに驚いている。
「流石は獣王、俺も本気を出します」
レオのスピード、筋力、魔力が倍以上上がった。
そして獣王が防御に入る。
「おいおい、獣王ってのはこの程度か?」
「お前の実力はわかった。今度はこっちの番でいいかな?」
レオナルドの体がみるみる赤くなると、体中から白い蒸気のような物を発する。
「覚悟はいいか………獣術式格闘術(獅子奮迅)」
手足の爪が伸び、爪は氣で覆われる。
そしてもの凄いスピードで木から木へ飛び交うと、レオの片腕を吹き飛ばした。
その状況を見て、リッカルドとシモーネが助けに入る。
片腕を失ったレオとリッカルドとシモーネを獣王レオナルドは対等に戦っていた。
獣王を助けに四獣士が前に出るとマティルドゥが立ち塞がる。
今度はマティルドゥが1人で4人を相手にした。
「あちきはこっちで楽しむかぁ〜」
「マティルドゥよ、俺たち相手に勝てるつもりか?」
「余裕でしょ!」
「喰らうがいい!四獣連弾!!」
エドアルド、アンソニー、ガイア、グレタが四方に散り、対角線上に攻撃を開始すると、マティルドゥは一気に力を開放した。
「ちょっとウザい!」
ランダムに飛び交う四獣士たちの動きを目で追うと、エドアルドとアンソニーの手を捕まえ、前から突っ込んで来たガイアを蹴り飛ばした。
そしてエドアルドとアンソニーを両サイドに投げ飛ばすとそのままアンソニーの方へ飛び、心臓を手刀で貫き、即死したアンソニーをグレタに向かい、投げ飛ばした。
「ガイア、グレタ、お前たちは逃げろ!俺が引き止める。早く国に報告しろ!」
ガイアはまだ倒れて起き上がれない状態で、グレタは腰を抜かしていた。
それを見た獣王レオナルドは全ての力を出した。
一気にリッカルドとシモーネを吹き飛ばした。
「はぁァァァァァァ!(獅子雷光)」
両手から金色の両手がマティルドゥに向かい飛び出した。
流石にヤバイと思ってマティルドゥは躱そうとした時にエドアルドがマティルドゥに突っ込んだ。
「邪魔!」
一瞬で腹部に手刀が突き刺さる。
「くっ!だがこれでお前も終わりだ」
突き刺した手刀が抜けない。
「あちきがこんな奴らにィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ」
そのまま金色の光と共にエドアルドとマティルドゥは消え去った。
「良くやった!エドアルドよ、お前の死は無駄にはしないぞ。ガイア、立てるか」
「はい!」
「お前は今すぐグレタを連れて戻れ!」
ガイアはすぐにグレタを抱えて走った。
すると一斉に部下100人がレオの掛け声でガイアとグレタを追った。
「残りはお前たち3人だな!」
レオは片腕、リッカルドとシモーネだけが戦える状態だったがレオナルドもマティルドゥを倒す為にかなりの氣を使ってしまった。




