第123話 獣王国
獣王国フォルストでは、獣王レオナルド率いる王国軍と元王国四獣騎士の一人オーウェン率いる軍500人が対立していた。
「我々はこれより魔人族領の闇の跳梁者共を討伐する!」
「「「オーーー!」」」
「腑抜けたレオナルド王に任せておけん!我々は自分の手でこの国を守るぞ!」
「「「オーーー!」」」
対立していたオーウェン率いる獣人500人が魔人族領に攻め入った。
◆ ◆ ◆
「獣王様!オーウェンたちが闇の跳梁者の本拠地に進軍しました!」
「あの愚か者が!」
「しかし、オーウェンの言っている事もわかる気がします」
「なにぃ!」
「失礼しました」
「まぁいい、エドアルドよ」
「はい」
「何故、守備に徹するか解るか」
「いえ」
「奴らは魔人王を3人で倒したと聞いた」
「はい、私もそう聞いております」
「魔人王の強さを知っているか」
「よくは存じませんが…」
「お前ら四獣士は4人がかりで俺と戦って勝てるか?」
「はっきり言って4対1でも勝てません」
「魔王だったディランは俺よりも強かった。だから闇の跳梁者が攻めてきたら1日もたないだろう」
「………(ゴクリ)」
「それにだ、その3人よりも強い者がいるかもしれんし、その3人と同等の者が多数いたらどうする?魔宮殿も50人位で陥落して、魔人族領全体を1ヶ月かからずに200人位で完全に制圧するなど我々に出来るか?もし俺なら次に狙うのはこの獣人領だな!隣で戦力も魔人以下だ。ミネルヴァたち竜人たちは個々の強さを高めて守備を固めたみたいだ。こっちはどうだ?ただ文句ばかり言って、強くもなってなければ、守備陣形も整えていない。もう俺に出来るのは攻められた時の退路の確保と国民の受け入れ先を決めるしか無い。わかったか」
「は、はい」
エドアルドは想像して恐怖で固まった。
「オーウェンたちが攻めている間に四獣士を揃えて国民の退路の確保と、国民が逃げ終わるまでの守備陣形を整えろ!」
「はい!」
「時間は無いと思え」
「はい!」
エドアルドはすぐに他の四獣士を集め、レオナルドから聞いた事をそのまま伝えた。
「しかしオーウェン、余計な事をしてくれる。最悪俺が時間稼ぎするしかないか。早めに息子たちをミネルヴァの所に行かせて正解だったな」
レオナルドも立ち上がり、国を捨てる覚悟を決めた。
◆ ◆ ◆
ヒンメル王国ではみんながミネルヴァの前に集まっていた。
竜人族からはヴィクトーとビアンカが、人族からはサクヤとメリナとフィオナとエミリア、そしてヘンリーとフェリックスとエミールも、獣人族からはライアンとエルザが、魔族からはアリーチェが集まった。
「よく私の修行についてきました!どうやら時間がないみたいです。獣人の一部の者が闇の跳梁者に攻め入ったみたいです。そして獣王からの伝言です。もし攻め入れられた場合、即座に国を捨てるので国民の受け入れをお願いする。私は受け入れるつもりです。もし獣王国が攻められたら、次に狙われる可能性が高いのはこの国と思われます。ですので人族の皆さんは一度にお帰り下さい。そして自分の国を守りなさい」
「「「はい」」」
「そしてヴィクトーとビアンカは姉のシャルロットの分までこの国を守りなさい」
「「はい!」」
「ライアンとエルザはどうしますか?」
「俺はもう少しでここで修行してこの国の防衛に参加します」
「私もです。父もそう願い、私達をミネルヴァ様のもとに行かせたと思います。お願いします」
「わかりました。そしてアリーチェ、あなたはどうしますか?今、逃げ延びた魔人もほとんどが我が国にいます。そして残りの魔人は中立都市ブルーメのアレスの所にいます。アレスの所に行きますか?」
「当初はアレス様の所に行くつもりでした。しかし私もライアン、エルザと共に修行し戦いたいです」
「わかりました。ライアン、エルザ、アリーチェ、それではアフロディーテの所に行きなさい。そしてもっと強くなり、この国に戻って来なさい」
「「「はい!」」」
「お母様、私もアフロディーテ様の所に行って宜しいですか」
「あっ!俺も俺も〜」
「わかりました。あなた達も行きなさい」
「はいっ!」
「ヤッター!」
サクヤたちはキルシュブリューテ王国に戻り、ヴィクトーたちは新たな力をつける為に妖精国に向かった。




