第122話 作戦
ヘスティアとジョシュアが王の間に付くと王自らヘスティアに近づいてきた。
「ヘスティアじゃないか!久しぶりじゃな」
「アレクさぁ〜ん、おひさです」
「お前が来るって事はあれか!」
「?あれとは…」
「例の闇の跳梁者の件だろ」
「何それ?」
「???」
アレクサンダー、ジョシュア、ヘスティアが考えた。
どうやらみんな案件が違ってたみたいだ。
「私はねぇ〜、エルフとドワーフのケンカを止める為に来たんだよぉ」
「私は魔獣騒ぎの件かと…」
「わしは魔王が殺された件かと…」
「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」」
ヘスティアとジョシュアはビックリした。
「スマンスマン、まだ情報が流れてないか。先日、闇の跳梁者という組織に1日で魔宮殿が落とされた。もしかするとジョシュアの魔獣騒ぎの件もヘスティアのエルフとドワーフの件も関わっているかもしれんのう」
「それで?」
「魔王ディランが死んだという情報が入った。元からまとまりの無い世界だ。魔宮殿が襲われても他の国は助けんじゃろう。だが、もしかしたらを考えたらこのエルフとドワーフの仲を利用し、魔獣騒ぎまであれば、世界の目はエルフとドワーフに向く。その間に攻めればこういう結界になる、という予想じゃ!」
「そうかも…」
「実際にここに来るまでヘスティアもわからんかったし、可能性は高いじゃろ」
「そうねぇ〜、所でアレクさんはエルフと戦争するの?」
「ストレートじゃのう」
「はい!」
「戦争はせんよ。そう意気込んでいるのは若い者だけじゃろう。しかしエルフの方はそうでも無いみたいじゃぞ。お前がエルフのトップになればお互いの国に友好関係が築けるのにのう。ジョシュアとヘスティアで何とかならんか?」
「う〜〜〜う〜〜〜う〜〜〜ん?う〜〜〜ん、うっ!う〜ん、そうだ!」
「ヘスティアさん何かうかんだんですか?」
「森の魔物をエルフとドワーフが協力して倒すというのは?」
「協力しあうでしょうか?今までの魔物なら、もし連携がとれなくても倒す事は出来ますが、森の魔物は今まで見た事のない魔物ばかりです。強さも我々でも1体に数人がかりですので………お互いの生死に関わります」
「いいんじゃないかのう」
「えっ?アレクサンダー様?それはどういう意味ですか」
「ヘスティアがいるし、のう!」
「もう、わかりました!私も上手く援護しますから」
「闇の跳梁者とかいう組織も隣にミネルヴァがいるし、迂闊には動けんじゃろう。今は森の魔獣退治に専念しつつ、じゃな!」
ジョシュアは頭を抱えながらヘスティアと同行する事にした。
「ジョシュアちゃん、ちょっとエルフの里に行ってきて、まずは数人連れて来るね。そっちもなるべく偏見を持たない人を揃えておいて!」
「はぁ〜わかりました」
エルフとドワーフの友好作戦が始まった。
◆ ◆ ◆
あれから一ヶ月が経った。
ツクヨミとシャルロットは妖精国に行き、3人と合流して修行した。
サクヤたちはミネルヴァに直接指導を受ける。
エルフとドワーフは少しずつだが友好関係が築ける様になってきた。
ヘスティアは何とか魔法陣の破壊が成功して、魔獣の発生を抑える事が出来た。
各国と闇の跳梁者の対策を思案しつつ、防衛体制を整える。
各国が体制を整え終わり、膠着状態が続くと思われたが、それ以上に闇の跳梁者たちの準備が進んでいた。
魔人族領も完全に支配が終わる。
何とか逃げ延びた魔人たちはミネルヴァとアレスで保護する。
人族は中立都市ブルーメがまとめ役となり、3か国の同盟を成立させた。
しかし獣人族は2つに分かれた。
防衛を考える獣王たちと、隣の魔人族領に攻め込む考えを持つ者に。




