第120話 アイザックとマクシム
ツクヨミは約1時間眠ると、目を覚まして表に出た。
「兄さんどうしたのですか?」
「聞こえる。助けを求める声が」
「何も聞こえませんが…」
「急がないと!」
ツクヨミの体が赤く輝き出した。
すると、もの凄い勢いで空を飛び出した。
周りも騒ぎにかけつける
「どうしました?」
「みんな、それにミネルヴァさん」
サクヤはツクヨミが何かを感じて国境に向かい飛び出した事を説明した。
するとツクヨミの左腕が使えない事に気付いていたミネルヴァとシャルロットは急いで追いかける準備をする。
「シャルロット、行ってきなさい」
「はい」
シャルロットは急いで国境に向かった。
◆ ◆ ◆
槍に貫かれたアイザックが振り向くと目の前にはマクシムがいた。
「やはりいたかぁ、お前さっき隠れていた奴だよなぁ?」
「だから何だ。ゴフッ」
吐血をしながらもアイザックはアリーチェを庇う。
「アイザック!」
「お下がり下さい」
[このアイザック、簡単には殺られはせんぞ!」
体に刺さった槍を抜き、両腕に氷を纏わせると、穴の空いた体に押し当てて止血した。
そしてマクシムに飛びかかる。
「我が手刀で貴様の体を氷漬けにしてくれる!」
マクシムも槍で応戦するが、徐々にアイザックの手刀が掠り始めた。
「おもしれえよ、あんた!戦い方がイリスさんに似ているなぁ」
「イリスだと!」
「知っているのか?」
「元同胞だ!あの裏切り者め!!」
「今のあんたじゃイリスの足元にも及ばないぜ!もちろん俺にも勝てないけどな」
マクシムの筋力、魔力共に増大すると、一瞬で両腕を吹き飛ばした。
「姫様!お逃げ下さい」
それがアイザックの最後の言葉となった。
「アイザックぅぅぅぅぅぅ!」
「へえー、姫って事は魔王の娘かぁ、これはデカイ手柄を貰ったなぁ。ワリぃけど死んでもらうぜ」
マクシムがアリーチェの胸に槍を突き刺そうとした瞬間、8つの炎の斬撃が空から降ってきた。
「テメェは誰だ!」
そこにはツクヨミの姿があった。
「女性に刃を向けている奴をほっとけなくてね」
「テメェは死にたがりちゃんかぁ!あぁん」
「安心しろ、お前よりは強いよ」
するとマクシムは既にツクヨミの背後にいて、槍を突き刺そうとしていた。
「馬鹿め!死ね!!」
マクシムの槍が貫いたのはツクヨミの残像だけで、気付くと後ろにツクヨミの姿があった。
急いで間合いを取り、そして構えた。
「やっぱテメェは馬鹿だよ。今のでお前の勝利は無くなった」
更にマクシムの筋力、魔力、見た目までも変化していく。
「これで終わりだ!」
「終わっているのはお前だよ」
「はぁ?」
マクシムの体に薄い線がついていると思ったら、徐々に体がズレていく。
「お、俺の体がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
体が真っ二つに切れて絶命した。




