第12話 再び依頼を
四人がギルドに辿り着くとツクヨミは受付にいった。
「フィンさん、ちょっと受付に行ってきます」
「分かった。俺たちは依頼ボードを見てくるよ」
受付にはニナが暇そうに座っていた。
「すいません。少しお聞きしたいんですが…」
「はい、何でしょう」
「Eランクになるにはどうすれば良いですか?」
「そうですね〜、Fランクの依頼を最低30回以上達成してから実戦のテストを受けます。受かればEランクに昇格します。まぁ早い人で3ヶ月はかかりますね」
「分かりました。ありがとうございます」
そしてツクヨミは依頼ボードを見に行く。
「フィンさん」
「なんだい?」
「一度に3つ位同時に依頼を受けてもいいんですか?」
「達成する自信があれば問題はないよ」
「分かりました。………う〜ん」
ツクヨミは受けれる依頼を全部チェックした。
その間サクヤとアンナは楽しそうに話をしていてフィンは次の仕事を探している。
するとフィンがツクヨミに
「この依頼を一緒に受けないか?」
それはCランクの依頼で魔獣の討伐だった。
「ちょうど体を動かしたいと思ってた所です。それに出来れば学校に通う前にEランクになりたいと思っているので仕事はたくさんやりたいです」
「よし!明日の朝8時に町の入口に集合な!」
「はい、分かりました。じゃあ〜、俺たちは制服を取りに行くので先に帰ります」
ツクヨミはサクヤを連れて制服を取りに行った。
制服を受け取るとサクヤは嬉しそうに持ち帰った。
家に着くと、早速サクヤは制服を試着している。
「サクヤ〜、明日Cランクの仕事をしに行くけど…一緒に行くか〜?」
「あっはい!もちろん行きます」
「一応、入学式前にEランクになろうと思っているけど、手伝ってくれるか?」
「はい」
サクヤは笑顔で返事をした。
そして翌日、待ち合わせの場所に行った。
「お〜い」
すでにフィンとアンナは門の前いる。
「おはようございます」
「おはよう」
「今日はこの間の森を抜けた後、1キロ位歩くと岩場がある。そこに《ダイアウルフ》の群れを討伐して欲しい!と言う依頼だ。この間俺が森で倒した《キラーラビット》とは強さの桁が違うから気をつけろよ!」
「単体の強さのランクはどれ位ですか?」
ツクヨミが聞くと
「単体では《キラーラビット》はFランク、それに比べ今回の《ダイアウルフ》はDランクになるか」
「そうですか、分かりました。」
そして四人は森を抜け、岩場近くまで辿り着いた。
岩場の近くで《ダイアウルフ》が10頭以上いるのを確認すると、フィンがツクヨミとサクヤに問う。
「ツクヨミとサクヤの二人で、どの位倒せそうだ?」
するとツクヨミが数を確認する。
「1、2、3………16頭。そうですね、一人でも十分ですね」
「!!!」
フィンは驚きを隠す。
なぜならBランク冒険者なら何とか一人で相手に出来る所を、12歳の子供が普通に問題なく一人で出来ると言っていることに驚いている。
そしてフィンはどうしてもツクヨミ達の強さを見たくて指示を出した。
「とりあえず二人で討伐してみてくれ!危なかったらすぐに加勢するから安心しろ」
「分かりました」
ツクヨミとサクヤは群れにゆっくり近づいた。
「サクヤ、今回は討伐だからちゃんと仕留めろよ」
「分かってます。手加減はしません」
「お前は優しいからな〜、油断はするなよ」
「私の方が兄さんよりもしとめますから!」
「なら競争だ」
二人はいきなり走り出し、凄い勢いで《ダイアウルフ》を切っていく。
数分後には《ダイアウルフ》は全滅していた。
ツクヨミは鋭く無駄のない動きで、サクヤは鮮やかな動きで瞬きする間もなく終わった。
アンナは見惚れていて、フィンは興奮していた。
「お疲れ様、二人とも」
サクヤは悔しそうに帰ってきた。
「また兄さんに負けました」
フィンはサクヤに
「一人で7頭も倒せれば自慢出来るぞ!二人ともこのままいけばすぐにBランクになれるよ」
「そうよ〜、私達も君達に抜かれないように頑張らないと!」
するとツクヨミがドヤ顔で
「まぁサクヤもまだまだだな〜」
サクヤは頬を膨らまして悔しそうにしている。
「まぁまぁ、二人ともお疲れ様。とりあえずギルドに報告しに帰るか」
そして依頼は午前中で終わり、帰る事になった。




