第115話 妖精国
魔宮殿が陥落して3日が経ち、全国土ではそれぞれの種族が不安で眠れない日が続いた。
キルシュブリューテではサクヤに会いにヴィクトーとビアンカが家を訪ねて来ていた。
ルーカス、マルティナ、マティルデは町の外で待機している。
「サクヤ姉様、急いで私たちとヒンメル王国まで来て下さい!」
「サクヤ姉ちゃん!ツクヨミ兄ちゃんが大変なんだよ〜」
「えっ!兄さんが!!何が起きたのですか?」
「いいから早く行こう!」
「サクヤ姉様、アルテミス様の指輪はありますか?」
「あるけど…それがどうしたの?」
「話は後です!その指輪も持って来て下さい」
サクヤは急いで部屋に戻り、アルテミスの指輪だけ持って、ヴィクトーとビアンカの3人で家を出ようとしたら、メリナ、フィオナ、エミリアの3人が扉の前にいた。
「どこに行くのですか?」
「サクヤ、何かあったの?」
「何黙って出て行こうとしてんのよ!」
するとビアンカが代わりに答える。
「お願いします。今は急いでいるのです。早くしないとツクヨミ兄様の命が危ないのです」
「そ、そんな事言われたら黙ってられないわ」
「私たちも行きます」
「お願いします。私たちも連れていって下さい」
ヴィクトーとビアンカは急いでいたということもあり、とりあえず竜騎士がいる町の外までは来る事を承諾したが、ヒンメル王国まで行くのは竜騎士のルーカス、マルティナ、マティルデの意見を聞いてからにする事にした。
そして町の外に出たヴィクトーたちは、ルーカスたちと合流した。
「ヴィクトー様、流石に不味いのでは?」
「だよな〜」
「乗れはしますが3人が乗れば、ヒンメル王国に着くまでに時間が少しかかりますし、女王様が何と言うか………」
「同感です」
「時間がありませんわ。連れて行きましょう」
「しかしビアンカ様」
「話し合っている時間がもったいないです。お母様には私から言います」
「わかりました」
そして、ルーカスの後ろにヴィクトーとビアンカが、マルティナの後ろにはサクヤとフィオナが、マティルデの後ろにはメリナとエミリアが乗ってヒンメル王国に向かった。
◆ ◆ ◆
ステラとヘカテーとラウラはようやく妖精国の入口までやってきた。
「何で私等3人、ここにいるんだろう?」
「私はツッキーについていくだけのつもりが………ハァ、敵であったあなた達とこんな事にねぇ〜」
「………」
「そもそも荷が重いって思うのだけど…ね。あなた達は?プルートって人の復讐?」
「………」
「私は人生楽しければ良かったのよ」
「同感」
「ツクヨミちゃんには興味大アリだけど…こんな風になるとは…」
「同感」
「ヘカテーは?」
「………わからない」
「まぁ、自分にかかる火の粉は払うから、強くなる分には文句は無いかなぁ〜」
「同感」
「………こうなったら、とことんやってやるかぁ〜!」
3人?は愚痴をこぼしながらも、少しだけ意気込んだ。
「所でさっきから森の中をグルグル回っているだけのような?」
するとヘカテーが指輪に魔力を通して見ると、すぐそばにアフロディーテの指輪の反応があった。
「結界?かしら」
「………うん」
「どうやって入るのさぁ〜」
「………やってみる」
ヘカテーは次元の瞳を使って結界の内側に入った。
すると人間に気づいた妖精が一斉に驚き、身を潜めた。
ステラは1人逃げ遅れた妖精に訊ねた。
「私たちは何もしないわ。ミネルヴァ様に頼まれて、アフロディーテ様に手紙を渡しに来たのよ」
「…ホント?」
「本当よ」
そしてヘカテーが妖精に近づき、手紙を見せると、アフロディーテのいる場所まで案内してくれた。
妖精は更に結界を開くと大きな木の中に案内された。
しばらく木の中の階段を上ると大きな部屋に着いた。




