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この瞳に映るものすべて  作者: ヨシハル
112/150

第112話 アレスの決断

エルフ領とドワーフ領の魔獣大量発生は各種族の耳にも入ってきた。


中立都市ブルーメでは竜騎士総隊長アンドレアからの報告と魔獣大量発生発生で会議が行われた。


「アレス様、どうなされますか?」


「そうだな………誰か何かいい考えはないか?」


「アレス様、我が都市は中立!こちらから動くというのはどうかと思いますが」


「ちょっと待て!それは人族の国に対してで、ここは他種族が住む町です。別に自らエルフとドワーフを助けに行っても問題無いかと」


「しかしエルフとドワーフ、この2種族の仲の悪さは少し問題なのではないかと」


「なぜだ?」


「同じ様な兵力を派遣しないと後々差別の声が上がるのではないかと思われます」


「「「確かに」」」


「例えばだが、エルフ領にはヘスティアが助けに行くとすると俺が自ら行けば平等になるのか?」


「アレス様が自らですか」


「あぁ」


「確かに問題無いとは思いますがブルーメはどうします?話によると『闇の跳梁者』という者の警戒もしなくてはなりません。普通に考えたらアレス様とヘスティア様のどちらかは残ってもらわなければ、この都市が狙われた時にどうなされますか!」


「そうだ。それにエルフもドワーフも助けを求めて来ている訳でも無いのにしゃしゃり出るのは………」


「しかしなぁ〜」


するとヘスティアが


「とりあえず助けに行く!後の事は後で考える。口論した所で何も解決はしない。わかるわよねぇ」


「ヘスティアよ、国を抱えるというのは昔みたいに単純にいかないんだよ」


「アレス、ここ都市で王国ではないのよ!」


「………わかった。ここは俺が守る!ヘスティア、お前はここの都市の護衛団を連れて行き、ドワーフ王国に行け!」


「アレス様、何を一体」


「まぁ聞け、この都市は俺が責任持って守る。そしてエルフのヘスティアがドワーフを説得して守る。他の護衛団でエルフの森の魔獣の討伐でどうだ」


「確かに………しかしアレス様、ブルーメが襲われたら…」


「だから俺が残る。俺が命に変えても守ってみせる。だからヘスティアよ、お前はドワーフを説得して守れ」


「わかったわ。任せなさい!」


ブルーメの護衛団500名はエルフの国へ、ヘスティアはドワーフの国へ向かった。


   ◆   ◆   ◆


ヒンメル王国ではアンドレアが離れてから3日が経っていた。


「ミネルヴァ様、ご報告致します。先程、総隊長アンドレア様と0番隊がお戻りになりました」


「わかりました。会議室で少し待つ様に伝えて下さい」


「はっ!」


ミネルヴァは竜眼を使い、天空へと向かった。


「お待たせしました。それでは皆さんの実力を見せてもらいましょう」


隊長、副隊長たちは3日間で『闇の跳梁者』と2対1なら戦える位には成長したが、ミネルヴァの望む強さにまでは達せなかった。


これが限界である。


シャルロット、ステラ、ヘカテー、ラウラは2日間の修行で素晴らしい結果を手に入れる事になった。


初日でステラ、ヘカテー、ラウラは竜氣をマスターすると2日目で『闇の跳梁者』に近い力を手に入れた。


4人には素質があった。


しかし、近い力を手に入れただけでまだ足りないと見たミネルヴァが4人に新たな助言をした。


「各隊隊長、副隊長は少し休んでから会議室に向かいなさい。アンドレアと0番隊が待っています」


「「「はっ!」」」


そして隊長、副隊長たちはその場を離れた。


「まずはシャルロット、あなたにはこれから【竜眼】をマスターしてもらいます。それまでは戦う事を禁じます」


「なぜですか!」


「今、竜眼を使えるのは私だけです。もしも私に何か起きた時に竜眼を使える者が居なくなるからです」


「お母様、何を…」


「もしもの場合です。あくまでも」


「そしてヘカテーよ、ステラとラウラを連れてアフロディーテの所に行きなさい」


ミネルヴァはヘカテーに手紙を渡した。


「さぁ、時間がありません。準備が整い次第すぐに出発するのです」


そして3人は妖精国に向かった。

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