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この瞳に映るものすべて  作者: ヨシハル
111/150

第111話 魔獣

ミネルヴァとツクヨミが竜の間に入ると、そこには大きな竜の像があった。


「ツクヨミよ、私が今から氣を練る。その姿を目に焼きつけてから、そこの聖水を飲み、竜の前で瞑想しなさい」


ミネルヴァが神氣を発動させると目に見える程の黄金の氣がミネルヴァの全身を包み込んでいた。


「す、凄い」


「どうだ、ツクヨミ」


「これがミネルヴァさんの力ですね」


「そうだ!力の一部だ。もう一つの力、竜眼は竜人にしか体得は出来ない。シャルロットには竜眼を体得してもらう予定だ。それでは私の姿をイメージしながら聖水を飲みなさい」


そしてツクヨミは聖水を飲んだ後に、竜の像の前で静かに瞑想をすると頭の中に声が聴こえてきた。


「我の眠りを邪魔する者よ、貴様は誰だ」


「俺の名はツクヨミ」


「我に問いかける者よ、貴様は何を欲する」


「俺が望むのは守る力」


「何を守る」


「全てを」


「それは強欲」


「強欲ではない」


「欲ある者よ、いずれ身を滅ぼすぞ」


「それでも俺は守らなくてはならない」


「力を貸すわけにはいかぬ!去れ!!」


「それは出来ない。俺を必要としてくれる人がいる限り」


「大罪を犯す者よ!我から全てを奪ってみせよ!」


気がつくと薄暗い空間の真ん中にツクヨミは立っていた。


すると目の前にはツクヨミの倍近くある人型の竜が現れた。


「我はオメガ!貴様を葬りし者」


そしてツクヨミとオメガの闘いが始まった。


   ◆   ◆   ◆


エルフ領とドワーフ領の国境の森では見た事の無い魔獣が大量発生していた。


エルフもドワーフも魔獣の被害が激しく、小さな村はほどんど壊滅した。


両国に噂が流れる。


「エルフの国に魔獣を送り込んだのはドワーフだ」


「ドワーフの国に魔獣を送り込んだのはエルフだ」


お互いの国が憎悪に侵される。


そして魔獣は増え、エルフもドワーフも国を守るのに手一杯になっていた。


「これで俺達の仕事は終わったな。さてとラファエルさん、この後はどうする?」


「レオはどうしたいのですか?」


「俺達は獣王国を支配する。あんな腑抜けた獣王などいらん!」


「そうですか。それでは魔族領を支配した後は獣王国にしましょう。ガブリエルも同じ事を考えている筈です。こちらも今の魔王には退いてもらいたいですからね」


「そうか、我らも喜んで協力されていただこう」


「マクシムはどうしたいのですか?」


「同じ様なもんだ。ミネルヴァのやり方が納得しなくて、結果牢獄行きだからな」


「わかりました。考慮しましょう。さすがにミネルヴァの相手は厳しいですからね」


「ああ、それはわかってる」


「それでは皆さん帰りましょうか。作戦は成功です。後はエルフもドワーフも勝手に滅んでくれるでしょう」


「楽しい事になってきたね」


「あちきもたまんないよ」


「女性はもう少しお淑やかにした方がいいですよ」


「シモーネは口うるさいな〜」


「早くしろ!お前ら」


「リッカルドが仕切らないで下さい」


「「少しは静かにしろ!」」


マクシムとレオが叫ぶとリッカルドとシモーネは言い争いをやめた。


そしてラファエル達は一度アジトに戻った。

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