第101話 学園祭前日
学園祭前日、フィオナは歌の練習をしてメリナはフィオナの歌に合わせてみんなでダンスの練習をしていた。
シャルロットはクルト達に最終打ち合わせとスイーツの仕込みをしている。
エミリアはBクラスをまとめていて、エミールはCクラスをまとめている。
ヘンリーはDクラスとEクラスをまとめつつ、生徒会長のエヴァと話し合いしている。
ヘンリーが一番忙しそうだ。
そしてツクヨミは当日までやる事も無くなり、サクヤは今まで準備に回っていた分、久しぶりにゆっくりする時間を貰っていた。
「サクヤ、何か久しぶりに二人きりだな」
「そうですね、兄さん。久しぶりに二人で買い物でも行きませんか?」
「そうだな。サクヤは明日は早いのか?」
「はい、ですから今日は早めに寝ます」
「そうだな。俺も早めに寝るとするか」
そして二人で買い物をしていたら前からプルートとヘカテーが来た。
「こんばんわツクヨミくん、そしてサクヤさんで良いのかな?」
「何処かでお会いした事がありましたっけ?」
「正確には赤ん坊の頃の君たちを知っているよ」
ツクヨミがサクヤを庇いながら前に出る。
「そんなに構えなくてもいいよ。何もしないから。少し静かな所にでも行こうか。ヘカテー」
「うん」
そして次元の扉が開かれた。
「心配しなくてもいいよ。君たちと少し話をしたいだけだから」
そしてヘカテーが入り、ツクヨミ、サクヤ、プルートが順に入った。
「何が目的だ」
「目的?ないない、本当にないよ。君たち二人は僕たちの弟と妹だからね」
「!!!」
するとサクヤが前に出る。
「どういう事でしょうか?」
「その前に自己紹介するね。僕はプルートで彼女がヘカテーだよ。それじゃあ説明するね。正確には拾われて一緒に育てられた仲かな」
「えっ!?」
「暁って知っているかな?」
「はい、話は聞きました」
「僕たちもその時に拾われた子供だよ。僕がまだ6才でヘカテーが3才の時、君たちは産まれたて赤ん坊として拾われたんだよ」
「あなた達もお母さんに拾われたの?」
「サクヤさん、あなた達を拾ったのはプロセルピナさんだよ。僕とヘカテーはアルテミスさんとプロセルピナさんだったんだ。君たちはどこまで知っているのかな?」
「大体はアレスさんに聞いている」
「ツクヨミくん、一応勘違いしているかもしれないから説明するけど、アルテミスさんとプロセルピナさんはとても仲が良かったんだよ。でもねプロセルピナは真面目過ぎて全てを変えようとした。結果、人々の汚い所を見過ぎてもう一つの人格が出てきた。そしてアルテミスさんは体を張って止めてくれた。だからね、僕たちはどちらも恨んでもいないし、むしろ二人と尊敬をしている。だから『暁』を再び結成したんだよ」
「何をする気だ!」
「簡単な事だよ。悪い人は排除して今を暮らしいる人に安心出来る様な世界にする」
「今を幸せに暮らしている人もいるんだ。無理に変える必要はないんじゃないか」
「もちろんそうかもしれないし、違うかもしれない。だから今も僕たちは人々の生活などを見て回っていたんだよ。たった一人の為には大勢の人が苦しんでいる所もあれば貧しくても幸せに暮らしている人達もいる。だから君たちももっと世界を見た方がいいと思うよ。出来れば仲間になって欲しいかな。弟や妹と争いたくないし、アルテミスさんやプロセルピナさんも望んではいないと思う。ゆっくり考えてみてよ」
「でもお前たちは人々の暮らしを崩そうとしている。実際にキルシュブリューテでは内乱が起きた。エルフの里も襲われた。これはどう説明する」
「キルシュブリューテに関して貴族たちの望みを叶えた結果だよ。それだけ欲望に溢れた人たちがいるという事だね。エルフに関しては自分たちが正しいから周りの種族を嫌っていた。特にドワーフとは仲が悪く、いつ戦争が起きてもおかしくなかった。まぁ僕たちもやり過ぎた所は認めるよ。君ももう少し裏の顔を見てみるといい。君なら解ってくれると信じているよ。いつか僕の事を兄さんと姉さんって呼んでくれる日が来ると嬉しいな」
話は終わって、ツクヨミとサクヤは無事にキルシュブリューテに送り届けられた。
「兄さん」
「サクヤ、お前は何も考えなくていい。今はこの学園生活を楽しめ」
「………はい」
二人は家に帰った。




