第10話 入学試験
四人はそのまま闘技場に案内される。
ツクヨミとサクヤは闘技場の中央に立ち、校長のルイと直接戦う事になる。
「さぁ、そこに模擬刀があるから好きなのを選び、二人一緒にかかってきなさい!」
二人は武器を選んだ。
そこにメリナがルイに
「ルイさん、良いのですか?二人一緒で、後悔しますよ」
「はは、こう見えても全盛期よりも強いですよ!私は」
「ならばいいです。合格基準は何ですか?」
「一応、私の攻撃を防御するか、もしくは私に剣で防御させたら合格ですね」
「分かりました。開始の合図はどうしますか?」
「そうだな〜、テレサ合図を頼む」
テレサは闘技場の中央に立ち、試合開始の合図をする。
「はじめ!」
テレサが合図をした瞬間、ツクヨミは前に出た。
ツクヨミが一気に前を詰めて打ち込むと、あまりの速さにルイはぎりぎりで防御をする。
この時点でツクヨミの合格は決まったが、体制の崩れたルイにサクヤが蹴りを放ち、そのまま(剣舞)連撃を繰り出すと、ルイはそのまま倒れる。
驚きながらもテレサはすぐに試合を止める。
「それまで!」
ルイは呆気にとらわれていると、メリナが嬉しそうに笑った。
「だから言ったでしょう、ルイさん」
するとテレサも
「私もメリナ様から聞いてはいましたが、初めて目にしてびっくりしました」
ルイはようやく立ち上がるとサクヤは
「あの〜私たちは合格でしょうか?」
ルイはようやく声にする。
「あぁ、もちろん合格だ。誰に習ったんだ?」
「亡くなった母に教わりました」
「ひょっとして…二人は魔法も使えたりするのか?」
「はい!私も兄も使えます」
そして的を用意して二人に魔法を当ててもらう。
「それでは試験は合格だが、一応魔法も見せてもらいたい!あの的に向かって打ってくれ」
二人は同時に火の魔法を放つ。
「いくぞ!【フレア】」
的は跡形もなく灰になる。
ルイもテレサも目を見開き、開いた口が塞がらない。
なぜなら人族の魔法は、普通はそこまで威力は出せない。
しかし、二人が放ったのは上級魔法師でも使える者があまりいない高等魔法だった。
それを見て、ひたすら喜んでいるメリナは二人に駆け寄った。
そしてルイに
「ルイさん!二人は私と同じクラスにして下さいね」
「メリナ様、一応入学しましたら生徒と同じ扱いしますので…宜しいですね。同じクラスにするかは一応考慮します」
ルイが試験を終了させると
「それではツクヨミくん、サクヤさん合格おめでとう!次に会うのは入学式だな。それでは私はここで失礼する」
ルイは立ち去り、四人は少し学校を見学してから家に戻る事にした。




