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拝啓、神を殺しちゃいました

引きこもり配信者のクロウが紡ぐ殺伐とした異世界の冒険物語!


尚、この作品は過激的描写が含まれています。15歳未満の方は読むのをオススメしません。

あの日の夜はとても静かで、とても暗かった。雲が空を覆い、まるで光というものが存在しないのかと思うくらいに。そんな日に僕は、あの男に出会った……




カタカタカタカタ。

聞きなれたキーボードの音。僕はいつもどおり引きこもる。外の世界との関わりを断ってからもう3年。今日もネットで配信、ゲーム実況、歌ってみたの投稿等々、こんなことをもう3年もやっている。


引きこもるため、親のスネをかじり続け、挙句の果てにネットで炎上、家にネット上で叩いたアーティストのファンやフォロワーが住所を調べ、押し掛けるほどだ。そんなこともあったせいか母親が1年前に過労や僕によるストレスで死亡、父は僕に1年間過ごせるくらいのお金を置いて出ていった。俺には友も兄弟もいない。はっきり言ってスネをかじる相手がいなくなったわけだ。


だがどうにも危機感や焦りはなかった。不思議でしょうがない程に。自分でもわからないくらいの余裕があった。父から渡されたお金はもうすぐ尽きる。それなのに、焦りも何もなかった。


そんなある日、僕は真夜中に小腹を満たす何かを買いにコンビニに行っていた。人間、腹は減るもの、僕は残り残高が少ない中で買えそうなものを選んでいた。


僕は昼食と残り残高にちょうど良さそうな値段の弁当を手に持ち、レジに向かおうとしたその時……

「うごくんじゃねぇ!」

震えた声の男の怒鳴り声がレジから聞こえた。その男はかなりの痩せ型で目の焦点があってなさそうに見えた。幸い、僕には気づいていないようだ。警察に通報しようとポケットからスマホを取ろうとすると……

【ない!?】

どうやら家に置いてきたらしい。スマホがないことに驚いていると

「おい!金をこのバッグに入れろ!早くしろ!ぶっ殺すぞ!」

男がナイフを店員に向けて突き立てた。


僕はここで人を助けるか、助けないかで迷っていた。ここで気づかれずに難を逃れるか、店員を助けて一躍ヒーローになるか。自分はいったいどうしたらいい。何をすればいい。そう思っていると、男が僕に気づいた。

「そこのお前!じっとしていろよ。じゃねぇと殺すぞ!」

一気に震えが止まらなくなった。持っていた弁当を落としてしまう程に。あまりの恐怖に漏らしてしまいそうだった。


店員は大急ぎでバッグにお金を入れていく。そして僕は震えながらその光景を見てるだけ。男は店員にナイフをむけている。店員はこっちに

「助けて」

と言わんばかりの目を僕に向けてくる。

【僕にできるのか!?人を助けるなんて……】


そう思っていると店員がレジに置いてあったペンを男の肩口に刺した。

「ゔあぁぁぁぁあああ!痛てぇ!痛てぇぇえ!」

男の声が店内に響く。

「クソが!殺してやるぁ!」

男が叫びながら店員の喉元をナイフで突き刺した。


店員はこっちを見ながら息絶えていった。より一層震えが止まらなくなった。

【自分のせいで人が死んだ。僕が…助けに行こうしなかったから…】

そんなことが頭の中をグルグル回った。そんなとき

「おい、お前。殺すところをみてたかぁ?」

男に不意に聞かれた。僕は頭の中が真っ白になり、何も答えられなかった。店内が妙に静かになる。

「おい……黙ってんじゃねぇぞ!」

そう言うと、僕の肩にナイフを刺した。

「く、ぐぁああ!」

あまりの痛さに僕は叫んでしまった。


男は笑みを浮かべ、油断している。

【このサイコ野郎……】

そう思った瞬間、僕はナイフが刺さっていない右手で男の首を思いっきり絞めた。

「ぐっ!?」

男は驚き、肩に刺していたナイフを深くより深く刺した。

「ゔっ」

思わず痛くて声が出た。男は暴れ、僕を蹴ったり、ナイフで体中を刺して逃げようとした。だが僕は逃がさない、店員を殺したこのサイコ野郎を逃がす訳にはいかない。


そして少しして男が動かなくなった。僕は男を絞め殺していた。

人を絞め殺した感覚が手に残る。人を殺したという事実。自分がこのサイコ野郎と同じ土俵に立ってしまったことに気づいた。その瞬間、吐血をし、一気に意識が薄れた。ナイフに刺されすぎたせいで、出血しすぎたらしい。


「ぐはっ!」

血を口から吐きだす。口の中が血の味でいっぱいで気持ち悪い。

【あぁ、死ぬのか……当然か…僕のせいで親は死んで、父さんは家を出ていって、最後には関係の無い人まで殺した……死んで当然か…】

そんなことを思った。だが、少し満足だった。最後に正しいことを出来たと思ったからだ。そして僕はそっとその生涯に幕を閉じた。享年19だった。



【寒い……暗い……ここはどこだ?】

「目覚めたようだな。」

頭に声が響いた。

「誰だ!?」

つい返事を返してしまった。その瞬間、小さな蛍のような光がこっちに近ずいてくる。

「私は魂を導く者。お前の魂を行くべき所に導きに来た。」

頭がまったく追いつかなかった。

【何を言っているんだ?】

と、つい思ってしまった。

「理解できないのも無理はない。はじめは皆同じた。お前は生前人を殺したな?」

何とか場を把握しようとしていると人を殺したか?と、いう質問に対し、どう答えればいいかわからず、黙り込んでしまった。なぜなら人を殺せば地獄に行くというのを思い出してしまったからである。もしこの声が閻魔大王のものだったら終わりだ。そう思っていると

「まぁ良い。殺したということは知っている。お前は人を殺した。普通ならば転生の余地がない。だが、我が主は寛大な御方でな。お前を転生させてチャンスを与えると言われた。」

どうやらこいつは閻魔様じゃないらしい。そして地獄にも行かないらしい。少しホッとし、気分が気楽になった。


「ではこれより、お前を転生させる。」

そう聞こえた瞬間、目の前に7つ鍵が現れた。

「その中から1つ選べ。選んだ鍵がお前が転生する世界を決めてくれる。」

僕はなんとか良い世界に生まれれるように慎重に鍵を選んだ。だが、どれが良い世界の鍵がわからず、モタモタしていた。

「早く選べ。さもなくばこちらで選ぶ。」

僕は焦って、青い鍵を手に取ってしまった。


すると、目の前にあった残りの鍵が消えた代わりに、小さな光が形を変え、大きな扉が現れた。

「ほう。その鍵を選ぶか。面白い。お前はどうやら予想の斜め上を行くらしい。その鍵を扉の鍵穴に入れ、鍵を開けろ。さすればお前は転生ができる」

言われた通りに扉の鍵穴に鍵をいれる。そして鍵を開けた。


ガチャッ


鍵が開いた瞬間、扉が急に開き、凄い勢いで扉の中に吸い込まれた。

「うあああああああああああ」

思わず声が出た。扉のドアノブを吸い込まれないように必死に掴んだ。なんて勢いだ。もう無理……


そして手を放してしまった瞬間、僕は凄い勢いで何かに吸い込まれ、意識を失った。

もし良ければ今後もこの作品を愛読して頂けると嬉しいです!コメント等々待っております!

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