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EP・0 プロローグ
暑い・・・痛い・・・・。
眠い・・・熱い・・・・。
真っ白な視界にぼんやりと映るのは、血に染まる砂とその先の緑。
重く力のない動きをする身体を震わせて、俺は真っ先に二人の名を口にする。
「タァ・・・グゥッ・・ジャ・・・んッ・・・、
・・アンッ・・・・リッ・・・--ーー!」
乾いた血の香りと、壊れた機体から漏れ出す油の匂い。
到底体感することのない苦しみを突き付けられながら、少年は声のない咆哮を挙げる・・・。
ここは異世界。地球上のどこにでもない海に浮かぶ絶海の孤島。
全ての日常が通用しない未開の地・・・・。
これは、「力」こそが権力の世界に飛ばされた少年の、夢の始まり・・・。