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ロストアイ  作者: たみえ
学園入学
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女の命題


「――不老などという技術が存在している世の中ですけれど、いつの時代であっても、どんな状況であろうと、女は美しさを常に求める生き物なのですわ。

 そこでワタクシは、クレイ先輩の研究内容が美容についてだと知り、とても感激いたしましたの!

 必要ないと、意地を張り、探求を疎かにしているなんて愚かですわ。

 女の本質とは何か。

 たとえその身に不老を施したとして満足できるものではありません。必ず不満を持つのが女という難儀な生き物なのですわ。

 そして、魔法という存在の為に、研究者たちはそれが活用されることを第一に偏って進歩してきましたの。

 確かに、魔法の研究も大事な発展と進歩に繋がることでしょう。

 ですが、だからといって、今まであれほど力を入れていた美容の研究の進歩を止める言い訳にはなりませんわ……!

 不老という結果が出たからと言って、そこで終わりにするだなんて、愚かにも程がありますわ!

 かえって、魔法を利用した美容研究を行うクレイ先輩は素晴らしいですのよ……。

 先程は気持ち悪いだなどと、大変失礼いたしました。自らの未熟さを呪うばかりですわ……! これほど真摯に研究していただいている研究の一部を気持ち悪いと思うだなんてっ。

 美しさを求めるのであれば、それ相応の覚悟でもってして臨まなければなりませんでしたの。

 女の珠の肌は一日にしてならずですわ。

 たとえそれが枯れない花であろうと、手入れを怠れば元気がなくなり、輝きを失くしてしまいますもの。

 けれども、逆もしかりですわ。しっかりと手入れを行えば、元からの輝きを如何様にも増すことが出来ますの。

 そのための一歩として、クレイ先輩の研究はいい線をいっておりますの。

 魔植物を使ったパック。とても良いですわ。見た目の改善に力を入れなくてはならないとは思うけれど、効能自体は素晴らしいですもの。売り方次第では飛躍的に女性の美しさに貢献することでしょう。

 これから試してほしいとおっしゃる、お風呂に入るときに利用するという美容液も、必ず素晴らしい効果をもたらして下さると信じられますわ!

 それに、既にクレイ先輩も試しているとのこと。

 しかし、他にも自ら試験されることも多い故か、効能がイマイチ分からないだなんて、悲しいことですわ。他の試験で違いが分からないといううことは、クレイ先輩に効能が現れるほど、このパックについてはかなりの効果だと言えますもの。それをもとに作られたお風呂美容グッズ。今から使えるのがとても楽しみですわ!

 女として産まれたんですもの。どのようなときであっても常に美しくあらねばなりませんわ……!!

 この研究の手伝いを機に、世界へと、美容のすばらしさについて発信しなければなりませんの!

 不老が終着点ではありませんわ。ここが出発点でしたのよ!

 女性の悲願は、不老程度では止まりませんわ……。

 むしろ、不老になったからこそ、自分の若く美しいさまに不安があるはずですのよ!

 自分だけでなく、周りも同じように不老なんですもの、当然ですわ。

 周りが美しければ、いくら不老だからとて、自らが霞むのは必然。

 女の美しさに対する争いというのは、いつの時代であっても、たとえ不老であっても、男性の方が考えるほど甘く収まりませんのよ……!!

 常に美しく。それこそが女として産まれてきたものの宿命なのですわ。

 そして、試験のためのモデルが必要ということであれば、遠慮をなさる必要はございません。ワタクシたちが身命を賭しても、必ず素敵な効果を生む手助けを致しますの!

 これは、不老という技術で、とりあえず満足したフリをし、見て見ぬふりをしてきた、世の女性の本当の本質に一石を投じることのできる革命なんですの!

 必ず、成功させましょう!

 女の革命が、今、ココから始まるのですわ……!

 ……アイさん! あなたも同じ思いでしょう? ワタクシ達で協力をすれば、きっと、この停滞しきった世界の現状は変えられますのよっ……!!」

「お、おう……」


 ガシッと私の両手を包み込んだリアが熱弁を振るう。「革命ですのよ……!!」ってまだ何か言ってる。これ、いつまで続くんだ……。


「――という計画ですの。必ずやり遂げましょう?」


 話の最後に、リアが私へ同意を求める様に首を傾げた。

 ごめん。途中から何言ってるか、全く分からなかったです。情熱は伝わってきたんだけどね? 計画って何のことですか……。

 とりあえず、返事を待ってるっぽいので頷く動作だけをしてごまかしておく。


「世界革命ですのよ! ここに美容同盟はなされましたわ!」


 え、いつのまにそんな同盟組んだの? 今の返事ってそういうことだったの? え? そういうことなの?


「何か不満がおありですの……?」


 あ、マズイ。不満じゃないけど、不安を感じてることは悟られたみたい。

 どうしよう……全く何の話かも理解出来なくて不安ですとか言い出しずら過ぎる……。

 そうして目を泳がせていると、怪訝な表情でこちらを伺っていたリアがハッ! とした表情を浮かべた。

 もしかして、ワケ分かんない同盟を組むのが不安だって気付かれたかな……?


「そういうことでしたら、先におっしゃればよろしいのに……」


 あ、やっぱり伝わったぽい。

 よし、これで良く分かんないけど、変な目的の同盟とやらを組んで、革命? も起こさなくて良くなりそうだ。


「……美容同盟ではなく、ゾンビ用同盟! 発足のきっかけが名前に来なければしっくりきませんものね。やはり、これで決まりですわ!」


 いえ。何も変わってないんですが。むしろ、悪化したんですけど……?


『面白いですね。革命のことは秘密にしておきましょう』


 いや。そういう問題じゃないんですけど……!?

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