解説 津川哲夫
「いやあ、ムラカワっていう詩人はね、いい時はいい。悪い時は悪い。明暗、分かれる詩人でね。めちゃくちゃ、やってるようですが、無駄な動きはしてない詩人ですよ。非常にうまく言葉をサバキますよね。
やっつけ仕事ができない、彼なんで、喧嘩上等になるのかな。好かれる人にはとことん好かれる。嫌われる人にはとことん、嫌われる。そういう書き手ですよね。お笑いからヴァイオレンスから恋物語から、うまくやってるんですよね。まとめるのはまとめますよね。その辺りはやはり、チャンピオンだなぁ。と思いますけどね。トラウマになるような文芸がうまい。野球でいうところの背番号11。エースになれない。打たせて取る。そういう攻め方ですよね。パンタロンにこだわってみたり、猫にこだわってみたり。そういう、支離滅裂なところが魅力ですけどね。ボタンの掛け違いが時折、見える。ファイトしている彼には尊敬の念がありますよね」
ムラカワはこの後、津川さんを殴った。津川さんもムラカワを殴った。涙にくれて、仲直りしたふたり。これからもムラカワは、書き続けるであろう。以上。生意気そうなムラカワだが、美女には弱い。笑え、気が狂うまで。