〜ぶっつけ本番の旅〜
最近、ため息が増えるばかりだ。出来ることならもう1度、何をやっても楽しかった小学生に戻りたい。そんな事まで考えるようになった。
決して俺は恵まれてはいなかったが貧乏だった訳でもない。4人家族の次男坊として生まれ、高校2年になった今でも親の愛を感じながら育っているほどだ。
人生に飽きてきた。そんな事を考えるようになったのは高校1年の終わりの頃。毎日同じ時間に起き、ダラダラと学校で青春を謳歌し、家では勉強にゲーム。
きっとこれからもそうだろう。俺は普通に過ごして普通に人生を終える。なんて呟いていた時だ。
「なにぶつぶつ言ってんだよ!」
幼馴染みのA子だ。A子は可愛くて男勝りな所もあってか、耳たぶが長い。俺は心の中で耳たぶツインテールと呼んでいる。
「誰が耳たぶツインテールですって!?」
声に出てた。
俺はダメもとでA子に聞いてみた。
「なぁ、A子。人生が楽しくなったり、刺激を感じるようになる粉とか持ってないか?」
「そんなもの持ってる訳ないでしょ!」
「だよな。そんなものあるわけないよな」
沈黙が流るる。15分は経っただろうか。
「そういえば、隣のクラスのB子ちゃんが最近、異世界に行く方法を発見したとか言ってたわよ。よかったら話を聞いてみたら?」
そんなの信じるかよと思いつつも俺はB子に話を聞くことにした。
「お前がB子か。異世界に行く方法が分かったんだってなぁ。」
「だったらどうするっていうの?」
「力づくで奪い取るまでさ!この距離なら外しはしない!壱の型、覇空!」
ドゴォォォォォォォン!!
「みぞおち失神コースだな。」
こうして異世界への行き方を奪い取った俺は異世界に行くことにした。




