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冬のうた  作者: ひなた
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越えられない冬

 凍てつく刃(ことば)で 僕の心は貫かれたような気がした

 信じていたのに 信じていたかったのに……

 ズタズタに 切り刻まれた心 もう治ることもない

 繊細な心は もう捨てたはずだったんだ

 強い心で君を守っていくと決めた 強く鍛えた

 不意打ちはないよ 僕は君に勝てるわけがないのに


 凍てつく刃(なみだ)で 僕の翼は黒く染まってしまっていた

 信じていたのに 信じていたかったのに……

 真っ黒に 染められた翼 もう白くは戻らない

 白い翼 白紙じゃなくて白くした翼のはずだったんだ

 知識を得た上で 無邪気なままの白も保った

 強い白にした 染まらない白にした それなのにずるいよ


 あっと言う間に 季節は廻り廻った

 僕が気付いたときには いつももう冬だった

 暖かい春 温もりに包まれた柔らかい心 美しい花

 暑い夏 燃えるような太陽の下 燃えるように楽しむんだ

 涼しい秋 虫の音に耳を澄ませ 月や木々 自然を慈しむ

 君と一緒に どの季節も越えたはずなのに どうして

 何も覚えていなくて 今の僕に巡る季節は冬ばかりで


 春 夏 秋 今どこにあるの……?

 寒い冬 冷たい冬 辛い冬が僕の心を凍らせる

 言葉は僕を射止める 鋭いこと 逃げられない

 涙は僕を黒くした 悪ではありたくない 願う僕を

 全てを悪色に染められて 僕は今 何を願えばいいの

 辿り着かない夢 辿り着きたくない現実

 凍った心のままで また僕は独りで冬を越える

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