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冬のうた  作者: ひなた
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冬の所為に

 君を抱き寄せた腕は小さく震えていた

 冬の北風 吹き抜ける風 冷たい風の所為にしてしまいたい

 本当は僕自信が 一番よくわかっているんだけど……

 どうしてってそんなの決まっている 僕は恐れているんだ

 君の強さに君の弱さに 君の優しさに僕は震えている


 君と重ねた唇 お互いに乾いていたね……

 冬の所為なんかじゃない 乾燥しているのは

 二人の心が乾いている 証でもあるんでしょう

 軽い刺激に傷付いて 口の中は幸せ味? いいえ血の味


 抱き合うなんて 信頼してなきゃできないこと

 でも突き放つのには もっと信頼や愛が必要なんだ

 キスすることで 想いを確かにできた気がした

 でも傷付いただけ 僕も君も傷付いただけ……


 臆病な僕は全てを守ろうとしていた

 勇気があるんじゃない 失うのが恐かっただけ

 欲張りで優柔不断で 覚悟も決意もできなかっただけ


 まだ何も失ってはいないけれど これから失う

 守れないことはもうわかっているけれど 何もできない

 僕のミスで多くの人が傷付いてしまうその姿を

 大切な人を失ってしまうその悲しみを 待っているしかない


 これから失うという恐怖は あまりに大きかった


 僕を抱き寄せた腕に迷いはなかった

 冬の北風 吹き抜ける風 冷たい風 全力で抗って

 本当は僕だってわかっているんだよ わかりたくないだけで

 君の強さは僕を包み込んでくれる もう恐れない

 君の弱さは僕なんだよね わかっているよ

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