表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

第二層「1月25日」

 〔ヤ、ヤベェ、こいつは非常にまずい状況だ・・・〕

 〔も、もう、打つ手がない・・・〕

 〔くそ!こんな所で終わっちまうのかよ・・・〕

 〔いや、まだだ!まだ終わらんy・・・〕

 キーンコーンカーンコーン

「はい、鉛筆を置いてください。」

と、無慈悲な声が部屋のなかに響きわたった。

「ウソダドンドコドーン!!」

と机の上に倒れ伏す少年がいた。

「おい!うるさいぞ黒!!」

と、少年の頭をはたいてくる少年がいた。

「いてーんだよ!竹!!馬鹿になったらどーすんだよ!」

と、黒と呼ばれた少年は頭をさすりながらその、はたいてきた少年を睨みつけながら言った。

「安心しろ、お前はどうせ元々馬鹿だから問題ない。どうせまた禄でもない点でも取りそうなんだろ。」

と、竹と呼ばれた少年は少し馬鹿にしたような感じだった。

「てめぇもたいして変わらねーだろーが!!」

「ああ?お前より二点ぐらい良いし!!」

「それを変わらないっていうんだよ!!」

「馬鹿かお前は?二点違えば世界が違うんだよ!」

「違わねーよ!バーカ!!」

「それはお前だ!バーカ!!」

「そういうのを人はドングリの背比べと言うのですよ。」と、誰かが二人の肩に手を置いた。

「「ああ!?」」 と、二人が振り返るとにっこりと笑みを浮かべた初老の男性が立っていた。

「「げぇ!八雲先生!」」

「私の授業で、まだ、終わりの挨拶もしないうちから口喧嘩とは良い度胸ですね?」と、肩に乗せた手に力がこもり二人の肩がミシミシと鳴る。

「イタイイタイイタイ!!」

「うがぁー!許してください!

と、さっきまでの姿はみる形もなく二人そろって崩れ落ちた。

「全く、これだけ元気があれば部活の時にもっとしごいても良さそうですねぇ。」

と、少々恐ろしい笑みを浮かべたまま、八雲先生は教卓の上に立って。

「それでは皆さん、テストお疲れさまでした。今日はこのまま終わりとします。あ、そうだ、黒森君は今日は二十五日なので黒板を消しておいてくださいね。」

と、八雲先生は黒板の端に書かれた日付を見ながら言った。そこには、『一月二十五日』と、書かれていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ