表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

~第一層~「少年と男」

「や、やめろ、やめてくれぇ!」

と男の声が建物のなかに反響する。

「やめる?何をやめると言うんだ?」

と男の声に答えるものが一人いた。それは、学生服を着た高校生らしき少年だった。

「お、俺はまだ死にたくないんだ!頼む!助けてくれぇ!」

と男はその少年の足にしがみつきながら言った。だが、その少年はまるでサッカーボールを蹴飛ばすかのように男の頭を蹴り上げた。

「確かに、あなたには色々と助けてもらったし感謝もしている。だが、これとそれは話が別だ。俺は、自分が生き残るためにあなたを殺す。」

そう言って少年は手に持っていた斧を振り上げる。して、そのまま男の頭部に向かって斧を振り下ろす。

「ぅぎゃぁぁぁぁぁあ!!」

と叫ぶ男の頭部に振り下ろされた斧は男の頭部を割り脳味噌をまき散らしながら男の下顎まで行きそこで止まった。少年の服は男の返り血で赤黒く染まっていた。少年はゆっくりと斧を引き抜きその刃にこびりついた血と肉片を男の服で拭きながら言った。

「すまないな、山田さん。俺はこの事態を引き起こした奴を消すまでは死ぬわけにはいかないんだ。」

そう言って、手を合わせて暫く黙祷をしたあと、少年は立ち上がりその場を去ろうとしたときに少年のポケットから学生証が転がり落ちた。そこには「黒森 鉄雄」と書かれていた。鉄雄はそれを一別したが、そのまま立ち去っていった。鉄雄はすべての始まりである三日前の出来事を思い出していた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ