女友達
ベッドに横になっていても、眠気はない。
完全に脳が覚醒してしまった。
体を起こし、ノートパソコンをベッドに置いて、開いた。
特にアテがあるわけではないが、ネットを開く。
エンタメニュースの欄に、誰それの離婚や、恋愛スクープなどが載っている。
しかし注目するような記事はない。
それはそうだろう。私は見ず知らずの会ったことのない人間に興味はない。
つまらない記事ばかりの中に、恋愛コラムがあった。
私はリンクをクリックした。
『エリート会社員に聞いた!好きな女のしぐさ、ベスト5』
「1位は……」
私はノートパソコンを閉じた。
見るに耐えないほど、とてもくだらなかった。
ありがち過ぎて、反吐が出る。
あんな誰でも分かっているような仕草に引っかかる男が、エリート?
恋愛できずに仕事しかやることがない、ただの根暗だろう、きっと。
優しくて誠実な男が好きだけど、それは決して童貞を指しているわけじゃない。
ほどほどに遊んだ経験がないと、話はつまらないし、遊んだことがない反動で今から遊ばれても困る。
私は、リビングにあった朝食を食べるため、一階へ降りようとした。
ピロリン
その時ちょうど携帯が鳴ったため、携帯を手に取った。
メールを開きながら、部屋を出る。
『おはよー☆ 6時には行けるぜー(^ー゜)いつもの喫茶店でいいんだよねー?』
女友達との集まりは、たまにはお洒落な店など選択することもあるけど、大体はお金がかからず、時間を気にせずゆっくりできる同じ喫茶店ばかりだ。
「はいはーい、じゃ6時にいつものとこね! 夏海も、6時にはこれると思うし、私から言っとくね〜」
メール送信。
同郷出身の、小学生から付き合いのある幼馴染という友人達だ。
遥、夏海、そして私の三人で、不定期にこうして集まる。
私はこの集会がとても好きだ。
彼女達とは、今後もずっとこうして仲良くしていたい。
無職であることは、絶対に言えない。