夜
内容はとても暗く感じるかもしれません。
ご都合主義の展開などは好きではありませんので、話の流れによっては残酷な結果もあるかもしれません。
小説と言いながら、リアルに忠実な話にしたいと思っています。
※フィクションです。
空虚感。
それは恐ろしく攻撃的で、しつこい。
私の中に常に身を潜め、隙あらば姿を現す。
そいつが姿を見せないようにと忙しく予定を詰めてみるのだけど、そいつが現れない日などないし、実はそいつに勝てるわけはないのだ。
毎日誰かに決められてやってくる。
「夜」
それが、あいつの切り札であり、奴自身である。
なぜ夜はこんなにも早くやってくるのだろう。
私には早すぎるように感じる。
あと二日ほど遅く来てくれれば、きっと私は眠ることができる。
何も考える暇がないほどに。
だけど、夜は私の願いとは裏腹に、決まって毎日訪れる。
夜になれば、私の時間を埋めるものがなくなる。
友人とのメール、電話。
暇つぶしができる店。
これらが無くなると同時に、時間を持て余した私は、空虚感の餌食となるのだ。
何も考えないようにしようとすればするほど、自分が惨めで、可哀想で、泣きたくなってくる。
誰かに助けてもらいたくて携帯を手にする。
誰か……誰に?
誰も私の空虚感のことを知らない。
言えない。知るはずがない。
だったら、どうして助けてもらえるの?
長く辛い時が、今日もきた。
私は真っ暗闇の奥に佇む「死」を見つめながら、ただ涙を流し、息を殺すことしかできない。
ただ、耐えることしかできないのだ。
こんな私には。