ゆめ
つきつきと頭を指すような痛みで目が覚める。
「………ぅう……」
おそらく自分は今日も目の下に気持ち悪いほど濃い隈をつくっているのだろう。相変わらずの不快な朝だった。
「潤!!!!あんた何時だと思ってるの?!」
一階から母の怒声が鳴り響く。そうか今日は水曜日…
「学校……か…」
やっとそう頭で認識し、のそのそと布団から這い出る。もう布団が恋人で良いレベルの名残惜しさだ。
「うぅ…………」
不機嫌そうに呻きながらトイレに入る。もういっそ俺もう○んと一緒に流されたい…
今日の朝ご飯は玉子焼きに…ウインナーに……ご飯に……お茶………
「昨日と同じかよ…」
こんな冴えない朝の唯一の楽しみといえば朝飯だ。それが昨日と同じじゃあ…
「テンション上がらん…」
とぼそっと呟いた。が地獄耳の母には聞こえたらしく
「いつまでも寝ぼけてんじゃないわよ。昨日はパンだったでしょ」
「……?パン…?」
たしか……定かではないがそれはおとといの朝飯だった気がする。ついに俺は昨日のことまでも思い出せないようになってしまったのだろうか…
「ほら、友達来るわよ」
少々引っかかることがあったものの俺は言われるがままに米を口に運びはじめた。