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居候  作者: KMY
37/60

第37話 出産

第4部がスタートしました!

第4部は、さよなら絶望先生第5話のタイトル

「ヒジニモ負ケズヒザニモ負ケズ」

をテーマにして進行します。

どす黒い部分が頻出し始めるのも、このあたりからです。

「たたいま。」

 五十嵐由美は、自宅のドアを開けると、玄関で言った。その声に反応するかのように、白衣の男性が玄関へ現れる。

「どうだ。」

「はい、大丈夫です。」

由美は、それだけ言うと、自らの部屋へ行こうとする。その肩を、白衣の男性、はでな博士は止める。

「居間でちょっと話をしないか。」

その誘いに、由美は黙って頷く。


「由美をかくまってからどれくらい経つのだろう。」

 はでな博士が椅子に座ると、目の前のテーブルに乗っているコーヒーの入ったコップを取り、飲みながら言った。

「少なくとも1年くらいでしょうか。」

向かいの椅子に座った由美も、答える。

「思えば、あの時あなたがかくまってくれていなければ、あたしはヤモリに殺されていました。」

由美の感謝の言葉を聞き、はでな博士も笑顔で応える。

「人を助けるのは、当然のことさ。」

「あの時のパフォーマンズも、見事でした。あれほどのシナリオを考えるはでな博士の頭にはついては行けませんが、感服しました。」

「そうか、そうか。」

「あたしがロボットって事にしておけば、ヤモリからも探られつらいですし。」

由美は、かわいらしい笑顔を出した。

「遅い。」

 由美の後ろから、聞きなれた声がする。由美は、はっとして後ろを向く。

「ハデス!」

「いかにもね、頭領直々のお出ましなんだから。」

ハデスは、冷酷な声で由美に言う。

「そ、そんな・・・。」

由美の顔は真っ青になっている。ハデスは、まず目の前の獲物をかくまったはでな博士に杖をさす。

「ひぃ・・・。」

はでな博士は、自分からすすんで気絶した。

「好都合がきくわね。」

ハデスは、好状況であるにもかかわらず、にやりとした顔さえも出さない。

「ひっ・・・、い、命だけは・・・。」

由美が真っ青になり、立ち、後すさりをする。しかし、ハデスは、非常にも冷酷に言った。

「審問にかけた上、死刑。」


「ぐ・・・っ・・・?」

 一人の男が、闇でうめいている。それを見つめている一人の男。

「な・・・なぜだ・・・、か、カムロ・・・?」

血まみれになって横たわっている男の頭を踏み、カムロと呼ばれた男は言った。

「それは、お前の父ベリムスがな、何でもできる男だからさ!」

「な、なぜだ・・・?なぜ、父ができるだけで、こ、こ、このルーザガが・・・?」

カムロは、ルーザガの頭をさらに強く地面に押し付ける。

「がは・・・」

ルーザガは、血を吐き、それ以降何も言う事はなかった。

「済んだか・・・。」

カムロは、それだけ言うと、つぶやいた。

「このことがハデス様に知れたら地獄に案内されるだろうからな・・・。」

カムロは、自らに杖を向ける。呪文。しばらく経ち、血まみれになって横たわったカムロは、顔に華を浮かべて、弱き声で言った。

「・・・結局、どっちみち地獄行きだけとな・・・。」


 父、ベリムスとカムロがライバルだって事は知っていたのだか・・・

 こっちに魔の手がいくとは考えていなかった・・・

 くぞ・・・カムロめ・・・

 こうなったら、生まれ変わって、カムロに復讐してやる・・・


「元気な女の子です!」

 一人の男、執事が、電話を通して、病院から、岡田檸檬へ話していた。

「して、お母様の付けた名前は?」

檸檬が嬉しそうな声で尋ねた。

「タマスズ・ド・ウラ・スカロン・・・玉鈴、岡田玉鈴です!」

「玉鈴!いい名前ね!」

檸檬が歓喜の声を上げた。

「で、どこの病院だっけ?」

「一ノ谷市立病院でございます。」

「そう!すぐにこっちから行くわ!」

檸檬は、それだけ言うと、受話器を置き、さっきまで机の上で明日のテスト勉強をしていたことなど忘れ、着物を着て、赴きの準備をした。一通り準備が終わると、檸檬は両手をばんばんと叩いた。

「はっ。」

広い部屋のドアが開き、そこから一人の執事が姿を表す。

「一ノ谷市立病院へ。」

「はは。」


「岡田玉鈴さんですね。」

 看護婦が、カウンターを挟んで、焦った顔をしている檸檬に向かって言った。

「5階の、507室でございます。」

たくさんのプリントの中から巧みにその番号を導いた看護婦のその番号が言い終わると、檸檬は、「ありがとうございます!」と大きな声でいい、すぐさまそこへ向かっていった。

 ドアは、引き戸だった。ドアが、バンと開き、そこから檸檬が姿を表す。檸檬が引き戸を閉めると同時に、ベットで横たわっている一人の女性が、檸檬の背中に語りかけた。

「会うのは久しぶりね、レモ・ド・ウラ・スカロン。」

レモ・ド・ウラ・スカロン。それが、檸檬の本名であった。

「しーっ!この世界で、その名前は言わない約束です!」

「あら、ごめんなさい。えーと、ここでは、檸檬?」

「そう、檸檬。で、玉鈴は?」

「玉鈴ちゃん・・・?それが、生まれて早々変な言葉を言うのよ。だから今集中治療室に回されているの。だから今は見れないけと。」

「え?」

「ひとつの言葉を繰り返し言っているの。」

「それは何!?」

檸檬がかけより、母のベットの前に立つ。母は、ゆっくりと言った。

「いつか見つけて殺してやる、カムロめ・・・って。」

「カムロ?」

「ええ・・・、たくさんの専門家が国語辞典を引いても、その言葉は出てこなかったわ。それで、医者が、精神病であると結論付けて、今治療中って訳。」

母のその言葉を聞き流し、檸檬は、心の中で何か引っかかりを感じた。


 明日は一ノ谷中学校1学期の中間考査である。それを前夜に控え、ハルスは、テスト以前に日本語の読み書きがほとんど出来ないので、部屋で、治が教えてやっていた。

「んたく、俺、お前の所為でテスト勉強が出来ねえよ。」

治がこぼす。ハルスは、そんな言葉を聞かずに、治が小学1年生の時に使っていた国語の教科書を読み上げる。

「やまで

 うさきと

 くまが

 あそんでいるよ」

一字一字確かめるような口調だった。

「うん、ちゃんと読めてるよ。」

治はニコニコして言った。ハルスもにこっとする。

「かわで

 さかなが

 おひさまへ

 ひなたぼつこしているよ」

「あのね、小さい『つ』はね、舌を歯でかんで、」

「こう・・・?ひなたぼちこ?」

「だめだめ、ちになってる・・・。」

読めればそれでいいと言うに、発音まて教えている。


 次の日の朝。葛飾先生は、教壇に立って言った。

「では、これより朝のHRを始める。今日は、みんな知っている通り、一学期中間テストだ。しっかりやりなさい。それと、ケアレスミスにも気を付けるように。」

葛飾先生の一言を聞き、玲子は真っ赤になった。

 葛飾先生は、その後、言いたいだけ言うと、教室から出ていった。それとすれ違うように、森内先生が教室に入る。

「先生!」

かおるが座ったまま、森内先生に話しかける。

「昨日、学校を休まれていましたでしょう。」

それを聞き、森内先生は驚いた顔をする。

「昨日は休んでいない。」

「えっ!?」

生徒達はみな、驚いた顔をする。

「みんな、どうした。静粛に。では、これより国語のテストを配る。一番後ろの人は、ここへテスト用紙を取りに来て、前から順に配りなさい。」

 ハルスは、自分の机上にひらりと置かれた紙を見た。その上に書かれていた問題は、ハルスがかつてとうとう暗唱できずにいた、問題・・・。

「春暁の訓読文を書け。」

「テスト中は静かにしましょう。」

森内先生が、ハルスに注意する。

「はいぃ・・・。」

ハルスは弱弱しい声で言うと、ちらっと檸檬の方を見た。檸檬は、自信ありげな顔で紙に何かを書き込んでいる。しかし、その表情は複雑であった。まるでなにか嫌な事があったようなーーー・・

 ハルスは、ふと自分と檸檬が友達であったことを思い出した。

「昔の話よね。」

ハルスはそう小さくつぶやくと、紙に書きこみ始めた。そのハルスの表情も、雲っていた。

さてさて、

前半は、どす黒い部分でして、

第4部スタート早々、

由美とヤモリとの結びつき、

そして、由美は普通の人間だった・・・!!

本当に複雑な伏線をもっと複雑にしてしまいました。

でも、これが味(?)です。

だって、この小説は、

恋愛だけではなく、

ハルスとヤモリとの対決!みたいな・・・。

そろそろハルスにもヤモリのことを言いたいと思います。


いろいろやることができてしまいまして、

今後、一日一話という定期的更新が出来ないと思います。

でも、一週間に一つくらいは必ずいれますので、

一週間ごとの確認をお願いしますw

(そのまえに常連客がいるかどうかの問題ですが・・・)


三国志NET KMY Versionを改造しすぎてしまいまして、

さらに要望が拍車をかけるんです。

URLは、関係がないので書かないほうがいいのですが、

行きたい人は検索エンジンでも何でも探してください。

教訓:要望募集もほどほどに。

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門前
居候をリメイクして新しく書き直した小説です。
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