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居候  作者: KMY
27/60

第27話 議論

 治の家。久々にお仕置きされることになった治は、ハルスに腕を引っ張られ、部屋まて連れて行かれる。かばんを置き、ドアを閉めてから、ハルスは、ベットに座って怯えた顔をしている治に向かって言った。

「あんたは誰が好きなの!」

治は、即答した。

「ハルスに決まってんだろうか!」

「嘘!」

ハルスは、治に杖を構える。

「誰が好きなのか言ってくれないと、爆発しちゃうから!」

「だからさー・・・」

このままハルスと言っても聞いてくれないと直感した治は、別の言葉を探す。

「あ、あのさ、あの差別するなよって言葉はさ、」

「イクスプロージョン」

治の背中のあたりで爆発が起こり、治はその爆風でベットから落とされた。背中の服の布は、黒くこけているが、破れてはいない。

「何でだよ!」

治が抗議すると、ハルスは答えた。

「人の名前を言わないから。」

その杖は、治の方に構えられている。

「イクスプロージョン」


 一ノ谷中学校の会議室。

 壁は茶色で、茶色の長机にたくさんの先生が座っており、中心には空白があった。会議室の前のほうには大きなホワイトボートが壁にくっついている。そのホワイトボートに、黒いマジックでこう書かれていた。

「五十嵐由美の今後の扱いについて」

一ノ谷中学校校長の浜田幸恵はまだゆきえが、ホワイトボートを背にして、多くの先生の前で言った。

「では、本校の2年1組に人間として在籍しているサイボーグの五十嵐由美について、緊急会議を開きます。彼女の今後の対処に関する意見をお願いします。」

浜田校長が言い終わると、葛飾先生が静かに手を上げた。

「葛飾先生。」

校長先生が短く指名すると、葛飾先生は立ち上がった。

「彼女は精巧に作られたロボットです。その人工頭脳と成長システムは、現在の日本科学最先端をはるかに越えるものと評価しています。うまくいけばノーベル賞受賞の候補に入るかもしれません。しかしながら、義務教育の制度は、あくまで人間を対象に受け付けています。そのことから、私は反対です。」

葛飾先生がそういい終わり座ると、一斉に数人の先生が手をあげる。校長先生は、指名する。

「富岡先生。」

「はい。所詮はロボットと言う意見ももっともですが、外見的な違いはどうでしょう。彼女は、無口なだけで、普通の人間として生活することが出来ます。普通の人間と同じように悩み、思い、考え、そして、今後の人生の岐路を自分の力で解決する力を持っています。また、記憶力の方も普通の人間並みで、人間としての脳とほとんど相違はありません。なので、彼女を人間として認める立場に立ちます。」

富岡先生が座ると、今度は反論若しくは同調の意見を言いたがる数人の先生らが手を挙げる。

「時田先生。」

「はい。私は富岡先生の意見に同調します。人間として生きてきた五十嵐由美さんに、今後も人間として生きていただきます。彼女は、人間と同じ位の感情を持っています。なので、自分の外見が人間と全く同じなだけに、自分を人間として見てくれないと悲しみます。自分を人間であると思わせ、人間の、心の通じあった友達を持たせるために、あえて人間扱いをさせるべきではないのでしょうか。」

「田中先生。」

「はい。五十嵐由美さんは、あくまでロボットとして人生を歩んでいただきます。外見的な違いがほとんどないと言う意見ももっともですが、内部的な違いとしては、特に保健の授業では人間の体の内部について勉強します。その時に自分の性器に触ろうとして他の人と違うことに気付いたら悲しみます。なので、他の人とは違うという暗示をかける、即ちロボットとして生かせたほうがまたいいと思います。」

「長宗我部先生。」

「はい。田中先生の意見ももっともですが、彼女は、いままて人間と違う動作をした事はありますでしょうか。少なくとも、私はそこを見ていません。また、他の人と比べて、脳部分の相違はほとんどないと思います。記憶力も、普通の人間並みです。漫画にありかちなビームなどの特殊機能もありません。したがって、勉強や遊びなどにおいて、普通の人間と全く同じ体つきをしています。これを人間ではないと否定するのはどうかと存します。」

 会議は、夜遅くまで続いた。しかし、賛否両論、結論はなかなか出てこなかった。


「こちそうさまでした。」「こちそうさまでした・・・。」

 気強い女の子の声と、気弱い男の子の声が、零時治の家の居間で響く。傷だらけにされている治、その隣でつんと澄ました顔をしているハルス、その向かいで二人を眺めている母。

「さ、続きをするわよ。」

ハルスは、治の腕をぐいぐい引っ張る。

「何の続きだよ。」

「見て分からないの。」

ハルスは、脇から杖を取り出し、治に見せる。

「ひぃ・・・従いますぅ・・・。」

従順にハルスに引っ張られてよろよろ歩いている治の後ろ姿を、母はくすくす笑いながら見送っていた。


 治の部屋のドアが閉まると、ハルスは治に杖を構えて、言った。

「手加減しないからね。」

「はひぃ〜・・・」

床に座り込む治に対し、ハルスは怒鳴りつける。

「みっともない!男なのに!」

「だからさー、疲れたんだよぉ〜・・・」

「ブロー」

空気が固まり、見えない塊となって対象に鋭い速さで殴りこむ、打撃の魔法であった。

「ぶっ!」

今度は顎を強くぶたれた。治は後ろに転ぶが、ハルスは打撃の魔法を連発する。ブローの声が響くごとに、治の体の傷は増えていく。

 治が完膚なき程にやられた頃、ハルスは治に杖を構えたまま言った。

「さあ、今すぐ土下座して。」

横になっている治は、もう力がほとんど入らない。しかし、手を必死に動かす。

「フロート」

治の体は空中にふわりと浮き、胴体は縦になって着陸。立たされた治に対し、ハルスは杖を構えたまま続ける。

「誰が好きなの。これ以上嘘をつくと見苦しいわよ。」

治は、正直に答える。

「ハルス。」

「嘘つけ。」

「本当だよ!」

治がそう怒鳴ると、ハルスは治の方に近づき、おそるおそる治の首の方へ両手をやる。

「あ、あの、」

「何だよ!」

ハルスの顔は、ピンクに染まっている。

「き、キス、してなかったよね・・・。」

「う・・・。」

治の顔は、ハルスに負けないくらい真っ赤になっている。ハルスが、治の顔に自分の顔を近づける。治は、ためらいを見せた。

「何よ。」

「だって、俺の顔、傷だらけで、」

「そんなの数には入んない。とにかく、早くして。」

「う、うん・・・。」

さっきとからりと変わったハルスの態度に戸惑いは感じたのだが、今まて好きな相手とキスをしていなかったことを思い出し、近づきつつあるハルスの唇に、自分のそれを押し付ける。

 しばらくの沈黙。

「ん・・・・。」

顔を真っ赤にして、ハルスが唇を離す。

「こ、これが、さ、最初のキス、だよな・・・?」

治も、応じる。

「うん・・・。なのに、あ、あ、あんた、檸檬となんかとキスするんだもん。」

「それはあっちのほうから強制的に、」

「と、とにかく、こ今度他の女の子とキスなんでしたら、あ、あ、あたし、許さないんだから・・・。」

「分かってるよ。」

治は、当然という顔をする。

「100%しない?」

「ああ!神に誓ってハルス以外の女子にキスなんでしない!」

「ほ、本当?」

「ああ!」

真剣な顔をしている治の顔を見て、ハルスは杖を向ける。

「な、何だよ・・・。」

「トリートムント」

治の顔の傷や痛みは、次々と減っていく。きれいになった頬を手で触りつつ、治は顔をいっそう真っ赤にして言う。

「あ、あり、ありがとう・・・。」

「その代わり、」

「わかってる。ハルス以外の女の子とキスなんでしない。」

「ねえ、」

「約束する。」

治がこう言うと、ハルスは治の体に抱きついた。

やっと二人はキスします。はい。

ここまて長い道のり(?)でした。はい。


早速ですが、

この小説、

小説家になろうTOPの、

SF連載小説読者数ランキングで

第2位を記録しました。

これもみなさんのおかげです。はい。

濁点の間違いも、今後減るように努めますので、

改めてよろしくお願いします。

・・・理由は毎日投稿しているだけ?

・・・常連客もいたらいいのですが・・・はぅ。


読者記録を見ますと、

携帯電話で見る人がパソコンよりも多いです。

16日は、9人と32人で、約3分の1です。はい。

小説家になろうの小説は、

携帯電話購読者が多いのに加え、

も、も、もしかして、

常連客が増えた、って、こ、ことはありませんよね・・・?

ここで言ってもなんですが、

重複アクセス者の数のカウントも

ついてにしてほしいです。はい。


五十嵐由美を人間として扱うか

それともロボットとして扱うか、

みなさんはどっちの意見に賛成ですか?

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門前
居候をリメイクして新しく書き直した小説です。
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