表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
居候  作者: KMY
21/60

第21話 民族

「とにかくな、さっさと用事を済ませて帰れよ。」

 とうとう捕まり、頭にたくさんのたんこぶを作ってもらった治は、ハルスに言う。

「だってぇ、」

ハルスは、頬を赤らめる。

「と、とにかく、こ、これから、治をいじめたりしないから・・・。」

「魔法を使わない?」

「うん・・・。」

ハルスの顔が真っ赤になるが、治は言う。

「俺、しもべ?」

「ううん。」

「もう二度と、僕と言わないと誓うか?」

「ええ。」

「そっか。帰れ。」

「居候よ。」

「死ね。」

「居候よ。」

「くたばれ。」

「居候よ。」

ハルスは、無理にニコニコした顔を作って、治に示す。

「ブス。」

「居候よ。」

「くそったれ。」

「居候よ。」

「変態。」

その言葉に、ハルスの堪忍袋の緒が切れる。

「ねえ、僕。」

ハルスは、ニコニコした顔で言う。そして、杖を治に向ける。

「ねえ、僕。」

「お、おい、ま、魔法は、」

「例外。」

ハルスがそこまて言うと、後ろから怒鳴り声がする。

「ちょっと!あたしの治君は渡さないわよ!」

檸檬だった。

「檸檬!治はあたしのもの!」

ハルスは、杖を檸檬に向ける。檸檬は、

「友達を殺す気?」

と、ハルスに杖を向ける。

「あんたもじゃないの。」

「うるさいわね。」

二人が、緊張状態でいる間に、治はそろっと忍足で、その現場から脱出する。


「おはよう!」

 教室のドアをバンと開け、治が言う。生徒達も、各々「おはよう」「おはよう」など返す。

「おはよう。」

一人の少女が、治に近づく。そして、治の両手を握って、治の唇に自分のそれを近づける。

「お、おい・・・。」

治が、慌てて顔を後ろにそらす。

「五十嵐・・・?」

果たしてその少女は、無口の少女、五十嵐由美であった。由美は、さらに治の顔に近づこうとする。治の上半身は、さらに曲がる。

「あたっ!」

治は、ついに廊下に座ってしまった。しかし、由美の唇の先は変わらない。

「お、おい?」

治がいろいろ言ったが、由美は急に言った。

「あ、あの・・・。」

「あの?」

「檸檬と、ハルス、け、欠席?」

「欠席予備軍。」

「そう。」

由美がそこまて言うと、急に治の唇に自分のそれをぶつける。

「う・・・・・・。」

横から、二色のうなり声が聞こえる。治は、慌てて由美の顔を押しのけると、横を見た。

「檸檬!ハルス!」

しかし、二人は怒った表情を変えない。

「何よあんた!」

ハルスが、怒鳴って治を蹴る。

「い、いや、だから、これは、あっちがいきなり・・・。」

と、治が前を指差す。檸檬が、指摘する。

「誰もいないじゃないの。」

「え?」

治が振り向くと、そこにいたはずの由美がいない。

「と、とにかく、変なことしたら、オブジェにしてやるんだから。」

ハルスがそう言う。その頬は、ピンク色になっている。治は、そんなハルスの頬にも気付かずに、立ち上がって教室に入る。

「ちょっと!」

ハルスが、治の左足を掴んだら、治は転んでしまった。

「何すんだよ!」

「ちょっと、何か言ってよ。」

「何で言えばいいんだよ?」

「『立って』。」

「言わん。」

「言って。」

治は、そんなハルスの腕を払いのけ、立ち上がるとそのまま彼の机まて行ってしまう。

「ちょっと・・・。」

ハルスが、後ろに立っている檸檬をにらむ。

「あんたのせいよ!」

ハルスは立ち上がり、檸檬に飛び掛る。ハルスは、檸檬の肩を前後に激しく揺らしながら、言った。

「あんたのせいで、あたし、ふられちゃったじゃないの!」

「そんな自暴自棄な・・・」

「そうだよ。自暴自棄になっていたら、そのかわいい顔が台無しだ。」

横から声がして、ハルスはきっとした顔でそちらを見る。一人の男の子がいた。

「あんた、誰?」

「僕?」

彼は、口にバラを咥えている。

「僕は、世界一の美少年の、」

「イクスプロージョン。」

ハルスは、黙って彼に杖を向けて呪文を放つ。

「おはよう。」

爆風をあびながら横向きに倒れている男の子の後ろに、葛飾先生が立っていた。

「変な事をしたな。」

葛飾先生は、こわばった顔で言う。ハルスは、怯えた声で、後ずさりをする。

「あ、あの・・・。」

「あの、何だ?」

「そ、その・・・。」

ハルスは、耐え切れなくて杖を放り出すと、そのまま教室の中へかけだした。檸檬は、その杖を拾ってから教室の中へかけだした。


「I studied English yesterday. Studying English is interesting. I like to study English. How do you study English? I'm read...」

 立っているハルスのその完璧としか言えない英語の発音を聞き、英語の先生、長宗我部俊夫ちょうそかべとしお先生は、驚いた顔をしている。

「お、おい、次のピリオドまでと言っていたぞ?」

「は、はい・・・。」

ハルスは、椅子に座る。周りから拍手がする。横をチラッと見るが、治は教科書のみを見ていた。なによ、とハルスはつぶやく。

「私は今まて発音記号を何度も教えた事はあるが、これほど完璧に発音させる先生はどこにいます?できれば、」

「いません。なんとなくです。」

ハルスは、横をちらちら見ながら不安げに言った。ハルスの視線の頻繁な変化に気付き、治は急に立ち上がり、ハルスのピンク色の頭に対して怒鳴った。

「おい!おまえ外国人だろ!外国人だから髪の色も黒じゃないんだ!黒じゃないから拍手するな!」

周りの拍手が、一斉に収まる。

「そうか、頭が黒じゃないから特別なんだな。」

長宗我部先生が、言う。ハルスは、きっと治の方を振り向く。長宗我部先生は、続ける。

「しかし、それは民族の違いだ。」

クラス中は、殺戮とした。殺伐な雰囲気。

「民族の違いを色々突っ込んでは、きりがない。」

「しかし、先生、ハルスの頭が黒じゃないから、目立ち過ぎで恥ずかしいんです。席替えしたいです。」

治は、平然とこう言った。

 ハルスは、とうとう堪忍袋の緒を切らして、立ち上がると、治の襟を掴む。

「あんたぁ〜、家に帰ったらお仕置きよ。」

「なんでだよ。」

「あたしが檸檬に代わってお仕置きしたける。」

「何であたし?」

教室の、これまた中途半端な所にいた檸檬も立ち上がり、後ろを振り向いて二人に突っ込む。

「あ、あたしのつっこみセリフ!」

伊勢田由香も立ち上がる。

「セリフ泥棒!」

由香が怒鳴る。

「盗んだ物はきっちり返さないと。」

羽生かおるも、立ち上がる。

「まあまあ、諸君、僕の顔に見立てて許してくれないか。」

男の子が立ち上がる。ハルスがその声に気付き、治を掴んでいた襟を離し、その声の方角へ振り向く。はたして、そこには朝、自分を美少年とほざいていた少年がいた。

「改めて、僕の名前はね、」

少年がこう言ったダイミングで、長宗我部先生が言う。

「座りなさい。」

「は、はい・・・。」と、立ち上がった人々は、一人残らず座っていく。


「ちっ・・・、あの女の子で100股目なのに・・・。」

 トイレで、一人の少年が歯をぎりりとかみしめて、目から涙を落とす。例によって、その少年は、美少年とほざいていて、本当に美少年だったりする、蛍崎惇ほたるさきとん

「くぞっ・・・、100股目でやっと呪いがとけるのに・・・。」

惇の目から流れる涙は、勢いを増した。

「うっ・・・。」

惇は、腹を押さえてしゃがみ、うめく。誰もいないトイレでは、惇の呪いに気付くものはいなかった。

「こ、この呪いさえなければ・・・。」

惇は、歯茎から血を流し、顔を上げる。その顔は、

呪いはなんでしょうか?

第3部で明らかになります。

まあまあ、そんなに気を落とさないて、

ハルスと治のやりとりがもっと面白くなるかもしれません。はい。


僕は、あきっぽいので長い小説を書くのは苦手で、

この「居候」も手っ取り早く終わらせようとして、

本来は第12話で完結する予定でしたが、

歯切れが悪すぎで続きを書くことになりました。

で、第1部、第2部、第3部・・・と、第何部で終わるのでしょう?

一応、1部で12話ですので、第2部は第24話で完結します。

あと3話だ、ふぁいとーーー!!!

1話全角で3000字程度。ってことは、あと9000字、

10000字近く書かなきゃいけないんです。



・・・お願いです。

僕の飽きっぽい心を抑えるために、

お願いです応援してください。

評価は第2部が完結してからで構いませんw

感想ばかり書いていても信頼度は下がりませんから。

はい。はい。

・・・・・・・・・・・・・

来るわけありませんよね。

濁点落ちこぼれ小説ですし。はい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
門前
居候をリメイクして新しく書き直した小説です。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ