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fall〜coda〜autumn  作者: 井能枝傘葉
56/65

アキノアキ

『これで、四つ目の鍵』


普通とは異なる、空間のような場所


『残る鍵は、後一つ』


空間のようで、空間ではない


空間を箱としたら、箱と箱の合間のような、狭間のような、そんな空間


空間と空間の空きで、声がする


「最初は誰だったか」

「はい。わたしです」

「次がアタシだったな、で次が」

「ワタシ」

「そして今、私だな」


複数の、声がする


『残りは一つ、鍵は後一つ』


声はするが人の姿はなく。代わりのようにある物が浮いていた


赤い楓の葉


開いた松ぼっくり


黄色い銀杏の葉


傘の付いたどんぐり


声はそこから、そしてそこ以外から聞こえる


「最後の鍵が集まれば、ここも終わりですね」

「案外楽しかったのにな、もうすぐ終わっちまうのか」

「仕方ない、そういう仕様」

「だよな……あ、でも最後の一つってかなり難しいんだろ?」

「そうだな、だからヒントはしっかりと渡しておいた」

「それで、鍵が見つかるでしょうか」

「見つけてもらわないと困る」


『そう、この秋もいつまでも続けている訳にはいかない』


声に合わせて、空間が震えたような気がした


『ここだけで世界が成り立っている訳ではなく、なるべく影響の無いようにしていたつもりが……すでに綻び、予想以上に早く崩壊が始まろうとしている』


「そんなに別の奴巻き込んだっけ?」

「一番巻き込んだのは、アナタ」

「距離で言えば、私が最も広かったか」

「範囲はわたしでしょうか」


『だから、次で決めてもらいたい』


「では、何かしら手を使って良いということか?」


『選択肢を、一つにすれば良い』


「良いのかよそれ、この秋の本質だろ?」


『全ては、最後の鍵の為に』


「鍵を手に入れないと、元々と違う形で秋が終わってしまうんですね?」


『これから始まるのは、恐らく最後に…』


「というか、その話し方は何?」


『……』


「あ、黙っちまった」

「やはり聞いてはいけないことだったようですね」


『……とにかく、だ』


「戻ったな」

「こだわりないなら元からそっちで話せば良かった」


『手段方法は任せる。なんとかして最後の鍵を手に入れさせてくれ』


「分かりました」

「やってやるか」

「了解」

「手段方法は任せるんだな?」


『やりすぎない程度にな。こっちはあちらとの手配をしてくる』


空間が歪み、声の一つが聞こえなくなった


「そんじゃま……その手段方法ってのを聞こうか」

「どうするんですか?」

「出来る限りのフォローはする」

「なんてことはない。ただ一つ…」


浮いているものが一つずつ消える



空間の空きに



秋の空きに



彰のいない空きに



空間の空きには、また再び、空間が産まれようとしていた




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