Go to 『 』Ⅲ
学生寮へと戻ってくると、入り口で管理人に声をかけられた。
「緑葉彰くん、だよね」
「はい、そうですけど」
「これ、先生に渡すように言われてたから」
渡されたのは一枚のプリント。受け取ったその場では読まず、自分の部屋に戻ってから目を落とした。
「えっと……」
書かれていたのは……
「げ……マジか」
それは、俺の秋休みに直接関係してくる出来事だった。
「こんなのあるのか……さすが高校三年生……」
受け入れに時間をかけていると、携帯が鳴った。
「はい?」
誰からかとか、確認せず出る。
「あなたにも、届いたみたいね」
……誰だ?
初めて聞いた声の気がする。少なくとも、携帯に番号が入ってる人のどれとも違う。
けど、初めて聞いた声ではない気もする。
どこかで、多分、高校生になってから。
なら、学校の誰か?
「まぁ一人じゃないと分かっただけ、いい」
でもこんな声の人いたか?……まてよ。
ひょっとしたら…………アイツなのか?
「それじゃ、また」
「え、ちょ、待った……!」
しかし相手は待たず。通信は切れた。着信履歴を見てみるが、非通知で誰からか不明。
「なんだったんだ、今の」
言葉から推測するに、電話の主にも俺と同じ手紙が届いていて。もしかしたら俺にも届いてるかと思って電話。出た俺の一言で届いていると当て。それじゃ、また。と言って通信を切った。
うん……訳が分からない。
仮に、電話の主がアイツだったとして、
何故俺に電話してきた(というか番号を知ってる)のか。
何でアイツにもコレが届いたのか。
そして、あんなことをしたのか……
「……」
答えはきっと、明日。
秋休みの開始と共に、明らかになる。
5th day fin
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ついにこの物語の根本に近づいてきました。と言っても、まだまだ序盤の根本ですが、ここを終えた時、ようやくこの物語の意味を知ることになるのでしょう……おそらく。もう分かっている方もいるかもしれませんが。
それでは、