Go to 『 』Ⅱ
寄り道の帰り道、6人で歩いていると、
「あ、そうだ」
ふいに、一番後ろを歩いていた紀虎が呟き。俺達は歩みを止めて紀虎を見た。
「えーっと……竜華か彰、秋休みヒマ?」
「俺は別に、予定はないけど」
「私は、里帰りしようと思っている。だが近場なのでな、数日ならば予定が空いている」
「何かあるのか?」
「実は秋休み中にな、部活のマネージャー募集してるんだよ」
マネージャー? 紀虎は確か、陸上部だよな。
「まぁマネージャーつか、手伝いだな。三年生卒業前のラストイベントで、本来は部員だけでなんとかすんだけど、去年、今年って部員の入りが少なくてな」
それで、手伝いを集めてるのか。
「で、どうかな2人共」
「一ついいか?」
竜華が手を軽く挙げて訊ねた。
「手伝いの具体的内容は?」
「部員の手伝い……本当にマネージャーっぽいことと、後は、セットの組み立てだな」
セット? 陸上部はいったい何をしてるんだ? かれこれ三年生だが、一度もそういう話を聞いたことがないぞ。
ふむ、興味あるな。面白そうだし。
「で、どうだろ?」
紀虎が再度訊ねると、竜華は顎に手を当てて少し考え、
「そうだな……全部の日は無理だが、手伝える日は手伝わせてもらおう」
参加を決めた。
「サンキュー竜華。彰は?」
「あぁ、俺もやるよ。多分全部手伝いにいけるぜ」
俺も手伝うことを決めた。陸上部には紀虎以外にも知り合いがいるし、楽しめそうだ。
「よっし、2人ゲット! これで何とかなっかなー」
「雀耶はどうだ? 別に毎日でなくとも良いらしいが」
「そうですね……ではわたしも、竜華と同じ日にお手伝いに行きます」
「おぉ! マジか朱井さん。人手はあった方がいいから助かるぜ」
雀耶さんも、竜華と一緒に協力するらしい。
「う〜っ、ごめんねとらちゃん。わたしは部活あるから」
「オレも、三年生卒業シーズンだからな。見送られるのはオレ達だけど」
山吹と陽斗は自身の部活の為、参加は出来ないと謝った。
「分かってたよ。だからさっきも名前は出てなかっただろ?」
気にすんなよ。と2人に言った紀虎は俺達の前へと出て、こちらを向き、
「てなわけで、3人共頼むな! 全部終わったらお礼すっから」
改めて、俺達に部活の手伝いを頼んだ
5th day fin
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ついにこの物語の根本に近づいてきました。と言っても、まだまだ序盤の根本ですが、ここを終えた時、ようやくこの物語の意味を知ることになるのでしょう……おそらく。もう分かっている方もいるかもしれませんが。
それでは、