4th day patternⅣ
〜昼休み〜
昼休みとなった。今日は体育の授業もあった為に、空腹だ。
いつものメンバーで集まり、いつもの席組みを作る。
昨日は……そう、昨日は竜華の弁当を食べて、一口食べてからの記憶は思い出せないから……考えるのはやめておこう。
さてと、今日の昼飯は何を……
「皆、聞いてくれ」
そこで竜華が、俺達3人の視線を集めた。
「どうした? 早くしないと購買売り切れるぞ」
「いや、それを焦る必要は無いんだ」
竜華が席の下に手を伸ばす……って、まさか……?
「今日もまた、作ってきたからな」
瞬間、俺達の時はまた止められた。
ふ、二日連続かよ……!
「実はな、昨日作った際の材料が少し残っていてな。駄目にするのは悪いと思い、またこうして作ってきたんだ。さぁ皆、食べてくれ」
『……』
竜華が包みを解くなか、俺達は視線を交わらせる。
まさか、昨日に続き今日もとは、誰が想像出来ただろうか?
しかも今日は3人にということで、陽斗と山吹にも逃げ場は少ない。
あ、今向こうの方から『ご愁傷さま』って聞こえた。まさにその通りだよ! 何か策があるな教えてくれ!
考えろ……考えるんだ、俺!
何か、せめて半減出来る何かでも……
〇全く思い付かない…… ☐即席半減の策を!
☐……「!?」
瞬間、俺は大きな音を立てて急に立ち上がった。
「彰? どうかしたのか?」
訊ねる竜華を初め、陽斗や山吹以外にもクラスの何人かの視線を集めていた。
「た……多分、4人で食ったら足りないよな!?」
「? 確かに、昨日の残りが主だから、少ないかもしれないが…」
「だろ!? だから俺、少し買い足してくる! 」
「なっ……おい、彰!?」
Select → ☐
なんとか策が思いついて良かった……購買でマトモなのを買っていけば、食べる量は半減。当たり前じゃないか。
という感じで、購買に到着。いつも通りに混んではいるが、何か手にしないと……直接受け入れるだけではなく、残して来た陽斗達に何を言われてしまうか……
と、その時、
「よっす、彰。今日の買い出しか?」
「紀虎」
紀虎に出会った。コイツは毎日購買で昼を調達していて、たまにD組の俺達のところに現れている。
ん……? あ、そういえば。
「なぁ、紀虎?」
「ん? どした?」
「紀虎お前……昨日、逃げたよな?」
「いっ!?」
そう、竜華は昨日も弁当を作ってきて……その場面に出会った紀虎は、嘘の用事を思い出して……逃げた。
「あの後……俺がどんな思いをしたか……」
「わ、ワルかったよ……で、でも彰だってアタシの立ち位置だったら逃げてただろ!?」
ま、まぁ……そうだが……
「だが、今日は逃がさねぇぞ」
俺は紀虎の腕をガシッと掴んだ。
「今日は……? ま、まさか、今日もなのか!?」
「あぁ……今日もだ。大人しく来てもらうぞ!」
「し……仕方ねぇ、昨日は逃げちまったし……アタシがいりゃ人数分量減らせるよな?」
そうか、そういう考えもあったな。
「後、ここでマトモなのを買って食べる量を半減という策があるんだ」
「おぉ、確かにそうだ。そうとなりゃ、行こうぜ」
「来てくれるんだな?」
「あぁ、今日は付き合ってやるぜ……どこまでもな!」
かくして、購買で戦利品を入手した俺と紀虎は、覚悟して向かった……
結果? それはご想像におまかせ……する……ぜ……
『 』
パァン!
普通の練習では絶対に使わないスタートガン
その音が鳴った。と同時に、足を前へ動かした
隣もまた、同時に動き出す。ほぼ同じペースで、前へ、前へと走る
場所は一直線、150m。そこをただ、隣の奴よりも早く、ただただ、早く
隣よりも、高くは飛べなかった
隣よりも、遠くへは跳べた
だから、隣よりも、早く―――
「……夢か」
というところで目が覚めた。
夢なんて久しぶりに見たな……というか。
「今の……なんだ?」
状況から考えれば、誰かとだれかの勝負だな。
場所は……どこだろうか、150mの直線があるような場所なんて知らないぞ?
それ以前に、あの勝負していた2人は誰だ?
聞こえていたのはその片方のだろうけど……何か、聞き覚えがあったような……
昔の出来事なら当たり前だが、ひょっとして、今同じクラスにいる誰かかもしれないと思った。だが、
「んー……?」
首を傾げて考えてみる。
だとしても、全く覚えがないな……
「……まぁ、いいか」
ひょっとしたら、学校に行ってそいつを見てぱっと思い出すかもしれないからな。
よし、学校行くか。
4th day fin →
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四日目が、一応、終了いたしました。
それはつまり、まだ何かがある、ということでもあります。
それはまた、しばらく先の話です、引き続き次の日をお楽しみください。
それでは、