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fall〜coda〜autumn  作者: 井能枝傘葉
24/65

4th day patternⅣ

〜昼休み〜


昼休みとなった。今日は体育の授業もあった為に、空腹だ。

いつものメンバーで集まり、いつもの席組みを作る。

昨日は……そう、昨日は竜華の弁当を食べて、一口食べてからの記憶は思い出せないから……考えるのはやめておこう。

さてと、今日の昼飯は何を……

「皆、聞いてくれ」

そこで竜華が、俺達3人の視線を集めた。

「どうした? 早くしないと購買売り切れるぞ」

「いや、それを焦る必要は無いんだ」

竜華が席の下に手を伸ばす……って、まさか……?


「今日もまた、作ってきたからな」


瞬間、俺達の時はまた止められた。


ふ、二日連続かよ……!

「実はな、昨日作った際の材料が少し残っていてな。駄目にするのは悪いと思い、またこうして作ってきたんだ。さぁ皆、食べてくれ」

『……』

竜華が包みを解くなか、俺達は視線を交わらせる。

まさか、昨日に続き今日もとは、誰が想像出来ただろうか?

しかも今日は3人にということで、陽斗と山吹にも逃げ場は少ない。

あ、今向こうの方から『ご愁傷さま』って聞こえた。まさにその通りだよ! 何か策があるな教えてくれ!

考えろ……考えるんだ、俺!


何か、せめて半減出来る何かでも……


  〇全く思い付かない…… ☐即席半減の策を!




☐……「!?」

瞬間、俺は大きな音を立てて急に立ち上がった。

「彰? どうかしたのか?」

訊ねる竜華を初め、陽斗や山吹以外にもクラスの何人かの視線を集めていた。

「た……多分、4人で食ったら足りないよな!?」

「? 確かに、昨日の残りが主だから、少ないかもしれないが…」

「だろ!? だから俺、少し買い足してくる! 」

「なっ……おい、彰!?」





Select → ☐






なんとか策が思いついて良かった……購買でマトモなのを買っていけば、食べる量は半減。当たり前じゃないか。

という感じで、購買に到着。いつも通りに混んではいるが、何か手にしないと……直接受け入れるだけではなく、残して来た陽斗達に何を言われてしまうか……

と、その時、

「よっす、彰。今日の買い出しか?」

「紀虎」

紀虎に出会った。コイツは毎日購買で昼を調達していて、たまにD組の俺達のところに現れている。

ん……? あ、そういえば。

「なぁ、紀虎?」

「ん? どした?」

「紀虎お前……昨日、逃げたよな?」

「いっ!?」

そう、竜華は昨日も弁当を作ってきて……その場面に出会った紀虎は、嘘の用事を思い出して……逃げた。

「あの後……俺がどんな思いをしたか……」

「わ、ワルかったよ……で、でも彰だってアタシの立ち位置だったら逃げてただろ!?」

ま、まぁ……そうだが……

「だが、今日は逃がさねぇぞ」

俺は紀虎の腕をガシッと掴んだ。

「今日は……? ま、まさか、今日もなのか!?」

「あぁ……今日もだ。大人しく来てもらうぞ!」

「し……仕方ねぇ、昨日は逃げちまったし……アタシがいりゃ人数分量減らせるよな?」

そうか、そういう考えもあったな。

「後、ここでマトモなのを買って食べる量を半減という策があるんだ」

「おぉ、確かにそうだ。そうとなりゃ、行こうぜ」

「来てくれるんだな?」

「あぁ、今日は付き合ってやるぜ……どこまでもな!」


かくして、購買で戦利品を入手した俺と紀虎は、覚悟して向かった……


結果? それはご想像におまかせ……する……ぜ……







『   』


パァン!


普通の練習では絶対に使わないスタートガン


その音が鳴った。と同時に、足を前へ動かした


隣もまた、同時に動き出す。ほぼ同じペースで、前へ、前へと走る


場所は一直線、150m。そこをただ、隣の奴よりも早く、ただただ、早く


隣よりも、高くは飛べなかった


隣よりも、遠くへは跳べた




だから、隣よりも、早く―――




「……夢か」

というところで目が覚めた。

夢なんて久しぶりに見たな……というか。

「今の……なんだ?」

状況から考えれば、誰かとだれかの勝負だな。

場所は……どこだろうか、150mの直線があるような場所なんて知らないぞ?

それ以前に、あの勝負していた2人は誰だ?

聞こえていたのはその片方のだろうけど……何か、聞き覚えがあったような……

昔の出来事なら当たり前だが、ひょっとして、今同じクラスにいる誰かかもしれないと思った。だが、

「んー……?」

首を傾げて考えてみる。

だとしても、全く覚えがないな……

「……まぁ、いいか」

ひょっとしたら、学校に行ってそいつを見てぱっと思い出すかもしれないからな。



よし、学校行くか。







4th day fin →




Go to next



四日目が、一応、終了いたしました。

それはつまり、まだ何かがある、ということでもあります。

それはまた、しばらく先の話です、引き続き次の日をお楽しみください。


それでは、

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