〜プロローグ〜 無人島に住む哀れな少女
此処は、人とは無縁といえる無人島であり、人も居なく気持ち良い涼しい風だけが際限なく吹いている。
無人島には、茶髪のツインテールに蒼き瞳を宿す可愛げのある彼女が一人寂しく暮らしていた。
そんな彼女の名前をアリスという。
彼女は、草刈りをしていた......
「これじゃ!!!キリがないわ!!!」
本音を漏らし生い茂る草たちを睨む。
睨まれた瞬間、水分が奪われ生命が奪われていく.....
彼女の能力は、あらゆる生命を奪う≪即死魔法≫である。
感情が高ぶると、自動的に周りの人すら生命すら根こそぎ奪ってしまう。
恋愛なんて、夢のまた夢.....
アリスは一人呟く。
「はぁ!!こんな魔法.....身につけなければよかった......」
私の親を殺した憎き相手を葬る為に覚え、倒したのに、魔法の代償なのか?近づく者全ての命脈を絶ってしまう。
「友達に会いたいよ.....」
その願いは決して叶うことはない.....
何故なら、かつて住んでいた国に、アリスは誰もいないこの無人島へと追いやられたからだ。
誰もいないはずの無人島にて声が響いた。
「おい!!!そっちじゃねよ!!!」
「即死魔法の女は、こっちだよ!!!」
男の二人の声だろうか?
アリスの方へ近づいてくる.....
アリスは怖くて仕方なかった......
かつて、住んでいた国で即死魔法を覚え仇討ちを終え、突如として≪即死魔法≫の制御が効かなくなり、数万の命を奪ってしまった記憶を思い出して......
涙が流れ、鼓動がドックンドックン!!!と早まり感情が高ぶり魔力が荒れ狂うのを感じる.....
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い......
こっちへ来ないでぇ!!!!!
このままじゃ魔力が.....
即死魔法が.....
その願いも虚しく......
すぐ目の前まで、声の主が来てしまった.....
感情が高まり≪即死魔法≫が自動的に放たれそうになる。
アリスは声の主に言った。
「私に近づくと皆、死んじゃうの.....だから近づかないでぇ.....」
蒼き瞳に大粒の涙.....
「なんで泣いてんだ!?」
とボソッと呟き二人は近づいてくる。
「いいから来ないでぇ!!!」
一人が呟いた。
「死ぬわけねぇだろ!?」と
アリスは、即死魔法の射程範囲に二人が入らないように後退し距離を取った。
しかし、声の主の一人がそれを無視して近づいてくる。
もう、片方の男が呟く。
「辞めとけよ....自分から後退してんだから、本当だったらどうすんだよ!!!」
「んな訳ねぇだろ!?ガゼリア!!!」
何故!?このこんな無人島に一人の少女が泣いているのか!?と興味本位で近づいてくる。
少女は走って距離もっと取ろうとする。
しかし、相手の走るスピードの方が速かった。
故に、男一人は即死魔法の射程範囲へと踏み込んでしまう......
踏み込んだ瞬間、男が電池が切れたようにバタンと倒れてしまった。
即死してしまったのだ。
もう一人の男にアリスは言った。
「ね?死んじゃったでしょ!?だから、私からいや、この無人島から出ていって!!!」
「え?死んだ?え?んじゃ!!!噂は本当だったじゃねぇか!!!」
「わかってて私に近づいたの?それに、仲間が死んでも何も感じないの!?」
「コイツは仲も良くないし.....何も感じないかな?それにまさか、自動で放たれるとは思わなかっただけだ。僕は、ガセリア.ラスエリガー.....魔法研究員だよ.....」
「なんで、調べに来たの?」
「即死魔法を取り除く為....」
「できるの?」
「いや、君ほどの即死魔法は取り除くのは無理かな?取り除いてる間に、僕たちが死んじゃうからからね.....」
「じゃあ!!!帰ってくれる!?冷やかしにしか感じないから!!!」
「すまん!!!!帰るって言っても.....船が壊れてしまい.....帰る手段がなくなっちゃったんだよね.....」
アリスは大きく溜息をつき涙を袖で拭きさらに距離を取って大声で声を発した。
「じゃあ!!!!とっとと!!!船作って帰れ!!!」
男は懲りないのか?拡声器を二つ取り出し一つを擲ち言った。
「しばらくこれで話そうや!?孤独嫌だし!!!」
アリスは呆れたが、少し笑顔が.....
何年も無人島にいて誰とも会話を交わしていなかったからだ。
人が死んでも何も感じない人であろうと、人の声が聞けるだけでも嬉しいからだ。
ガセリアがアリスに聞いた。
「君の名前は!?」
「アリス.....ただのアリスよ.....」
「何歳なの?」
「17歳.....」
「おぉ!!!僕と近いね!!!」
「ガゼリアは何歳なの?」
「20歳だよ!!!」
「私のお兄ちゃんと同じくらいか......」
「アリスちゃんには、お兄ちゃんいたの?」
「いたよ.....母国には.....」
家族のことを思い出して涙を流す。
父と母は殺され、兄とは疎遠になってしまっている。
会いたいけど会えない虚しさに耐えられなく大粒の涙をこれでもかといえるくらいに流し続ける.....
ガゼリアは呟くように言った。
「いつか、君の即死魔法を取り除き、お兄ちゃんに会わせてあげるよ!!!!」
「うん.....嘘でも嬉しい.....ありがと.....ガゼリア.....」




