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「ガンダム」自体が地獄の縛りプレイすぎる?



 というかAGEも鉄血も水星もジークアクスも、どうしてここ最近のガンダムは手放しでほめられないものばっかりなんだ……多少ストーリーに粗があってもいいから心を揺さぶり熱狂できるガンダムが見たい……


 などとついつい思ってしまう昨今だが、よくよく考えてみたらガンダムでそこまで心を揺さぶられた経験があるかというと、答えは「いや、どれもこれも正直そこまでは」となってしまう。

 心を揺さぶられた作品といえばやはり自分は、ゲ謎とか血界戦線とかリヴァイアスとかエヴァとか鬼滅とか、そのあたりが浮かんでくる。

 要は、メカで戦うよりは生身で戦うシーンの比重が大きい作品(SEEDも揺さぶられたのは確かなのだが、自分の場合「良くも悪くも」という注釈がつき、さらに「悪くも」の比率がかなり高い)

 大半のガンダムシリーズが、メカ周りや専門用語が分かりにくく、一見さんお断りな部分があるせいかも知れない。基本的に自分は「ひ弱でも能力が低くても、どれほど傷つけられようと耐え抜きながら、最終的には守るべきものを守り通す」キャラが好きなんだけれども、ガンダムの場合そういうキャラは意外と少なく、いたとしても「どれほど傷つけられても」の段階で耐え切れずに死亡してしまうパターンも多いから(しかも残酷なまでにあっさりと。血を流す前に血ごと蒸発させられる……)というのもあるかも。

 ZZとGとWとXは未見だし、そのあたりに触れるとまた違うのかも知れないが。


 その意味ではガンダムシリーズで私が一番ハマり、かつ作中の扱いも良かった例は00の沙慈君ぐらいか。他の推しはことごとく爆死するわフェードアウトするわ序盤で消息不明になるわでもう散々( ノД`)



「戦争をしている(もしくは戦争直後か直前で燻りまくっている)理不尽な世界」で

「ガンダムというロボットに乗って無理矢理戦争に巻き込まれる少年(あるいは少女)主人公」が

「立ちはだかる敵を次々と倒して無双する」

 というストーリーを描くには、どうしても主人公はニュータイプなどの特殊能力や異能持ちでなくてはならないし、そうなると「(精神がどれだけ強くても)物理的な力で劣る」主人公は許されない。最初からガンダムで戦争を生きのびねばならないという物語の特性上、鬼滅のように「最初は貧弱な主人公でも、厳しい修行や鍛錬を通じて強くなっていく」過程を描くことも難しい。

(Gガンダムは未見だが、話を聞く限り多分修行を重ねまくって強くなっていく主人公タイプなんだろうか。しかしそれも最早30年前のガンダムという……)



 だからこそ、ガンダムに乗れば最初から強いし無双も出来ちゃうけど、精神面でやや未熟な部分があるキャラクターがガンダムの主人公になりやすいのだろう。しかしそういうキャラは何となく自分の好みに合わないというのも困ったところである。

 自分がAGEで唯一評価できたアセム編も、そういう「特殊能力ではなく、努力で強くなっていく」タイプの物語だった。SEED最推しのサイ君にしても「あくまで普通のキャラが、艱難辛苦を経てたゆまぬ努力によって自分の出来ることをこなしていく」点に惹かれたところが大きい。

 物理的な力では他のキャラクターより劣っても、心根の良さで仲間と絆を育み仲間同士をつなぐ要になったり、最強キャラにとって絶対不可欠な相棒となったり、要所要所で確実に大活躍するキャラも大好きである。

 ひと昔前はこの手のキャラは人気的にはイマイチだった感あるが、鬼滅の炭治郎とかゲ謎水木とか、令和になってそういうキャラもかなり人気が出るようになってきたのが嬉しい。




 しかしことガンダムに関して言えば、そういうタイプの主人公キャラはなかなか見られない。他のロボットアニメやSFアニメではあっても「ガンダムでは」滅多にない。

 これは恐らく、ガンダム主人公がガンダム主人公たる絶対条件が「ガンダムに乗ったら最初から最強でなければならない」から。

 そんなの誰が決めたかって? そりゃ勿論バ×ナムの意向……があるのも確かだと思うが、多くのガンダムファンがこれまで築き上げてきた風潮がそうさせてる面もかなり大きいと思う。

 なんだかんだで

「アムロみたいに多少鬱屈して未熟な部分も目立つ青少年で(但し鬱屈しすぎてもNG)」

「アムロみたいに隠された特殊能力もちで」

「アムロみたいにモテまくって」

「アムロみたいに最初から無双しまくる」

 そんな主人公が未だにガンダムでは求められている。

 実際、主人公がガンダムでカッコよく無双すれば単純にガンプラは売れまくる。でなければなかなかガンプラが売れない。


 そう、ガンダムにおいて絶対に忘れてはいけないのが


『最初から強くてカッコイイとこ見せないと()()()()()()()()()』 


 コレである。

 要は、ガンダムで最強なのはやはりバ×ナムでありガンプラ売上。

 ガンダムならではのこの縛りは非常にキツイものだと思う。



 第1話どころか第1クールずっとガンダムに乗らない主人公とか

 第1クールはずっと敵にやられっぱなしで修行に修行を強いられるガンダムとか

 正義クソくらえで外道に徹するガンダムとか

 色々考えてみると面白い気もするし、その変化球でヒットしたのがまどマギであり鬼滅でありコードギアスだと考えるとやってみてもいいかもと思えるが、そんなTVシリーズガンダムをバ×ダイが許すはずもない。第1話で変身しない主人公プリキュアなんてバ×ダイ絶許案件なのと同じ。

 そしてバ×ダイをそうさせてきたのがこれまでのガノタであるという見方もできる。



 しかしアムロタイプの「アンチ熱血主人公」も時代の移り変わりと共に逆に古いものとなり、散々やり尽くされてネタ切れ感もある。今じゃ逆に某煉獄さん並みの超絶熱血タイプにした方がウケるのではと思えるレベルだ。

 だが制作側はあくまで「最初からガンダムで無双する精神的に未熟な未成年主人公」にこだわっている感もある。少なくともTVアニメのガンダムシリーズでは。

 これがバ×ナムの意向なのかそれともサンライズのこだわりなのか分からないが、この条件を厳守した上で色々悪戦苦闘してみた結果が鉄血であり水星でありジークアクスなのかも知れない。

 この条件を守れてさえいれば最終的に主人公側が壊滅してもいいし、主人公が女性になってもいいし、宇宙世紀のifをやってもいいということだろうか。

(逆にギリ未成年じゃない主人公のサンダーボルトは、どれだけ高評価でもOVA止まりでTVシリーズ化不可ということなのか?)



 しかしそうだとしても、ストーリーの流れやキャラの心情や関係性はきっちり描いてほしいところだ。鉄血も水星もジークアクスも、うまく料理すれば最高の作品に仕上がった可能性はいくらでもあった。

 SNSでのバズりを優先したかのような展開や、ライブ感とやらを重視したストーリーにはもうこりごりだし、1クールや2クールとかではなくもう少し時間をかけて物語を描いてほしい。

 家族を当たり前に大切にし、修行を重ねて仲間との絆を育み、50話100話かかってもどんな悲劇も乗り越え大きく成長していくガンダム主人公が見たい。

 絶対無理? まさにその展開で今超絶大ヒットしてるじゃないか鬼滅が!!




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