【幕間】先輩書記官の業務日記2
お久しぶりです。今日からまた投稿していきます。
よろしくお願いします!
《王国歴511年 4ノ月6日》
緊急配備の11ノ刻から21ノ刻
当日の提供料理が本決定。
宮廷料理をベースにしつつ、貴族出身者ではない人も食べやすいように王都で流行っているものも数品提供。
明日、出入りの業者に食材の発注をかける。
人員名簿整理がようやく終わったので問題なく必要数の見積もりができるだろう。
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なんとか人員名簿整理が終わった。もっと時間かけても、と思ったけど当日の参加者の割り出しに必要だからこの日程でやらなければいけなかった。
いくらここが大変な職場といっても、目の前に書類の塔が立ったのは初めて見た。それも3つくらい。
厨房の担当者も疲れた顔をしていた。なんでも、厨房に陛下が押しかけて要望を仰ったとか。それが王都で流行りの料理なんだって。
『貴族ではない人も食べやすいように』とか理由付けするのが大変だったって言っていた。……ご愁傷様です。
私たちは「これでひと仕事終わった」とはならない。これから参加者一人一人に招待状を作成して送るそうだ。当日、入り口で近衛による確認を行うために必要だからやらないわけにはいかない。
いやー、23ノ刻で一度休憩でよかった。
開催まであと6日。そろそろ一度家に帰りたい。
《王国歴511年 4ノ月7日》
緊急配備の5ノ刻から17ノ刻
歓迎会準備要員のうち、3分の2で招待状を作成する。明日中に完了する見込み。
残りは、他の部署との折衝。本日は厨房・侍女部・内務部の各担当者と会議。
厨房から、必要な食材の一部の入手が困難であると報告。別の手立てがないか明日までに各自持ち帰り対応。
侍女部とは当日の配置、内務部とは備品リストについて確認。
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困った。まさか王城出入りの業者に手配できない食材があるとは。ふだん困ったことがないから誤算だった。
でも仕方がない。件の食材は、陛下がどうしても仰ったものなのだから。
王宮向きの食材でないから仕入れがないのも納得。
何ですか、「コナモノ」とやらってのは。
今市民の間で空前の大ブーム?その場で調理して食べるから話題性も抜群?
陛下はいつの間に存じ上げるようになったのでしょうか。
私も今日初めて聞いたんですが…。あ、帰宅していないだけ、かも、しれない。
開催まであと5日。
《王国歴511年 4ノ月8日》
緊急配備の3ノ刻から15ノ刻
「コナモノ」の正体が小麦粉で作った大衆料理と判明。材料問題が解決。
招待状の作成完了。近衛へ写しを送付し、当日確認用とする。
内務部より、備品について確認あり。発注ではなく既存のもので対応するよう要請。
帰宅許可が下りる。
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「コナモノ」が分かった。レイヴァンが教えてくれたけど、私も知ってた。食べたこともあった。
確かにあれ美味しいし、大人数向きだ。
レイヴァンも忙しいだろうによく市井のことを知ってるな、と話しかけたら「ははっ」と返されてしまった。意外と遊んでいるのかもしれない。いいことじゃないか。
招待状もようやく終わった。各部に送付することを考えるとギリギリだった。いつもの夜会なら、参加者の家に送付する形だったから、今回はそうじゃなくて本当に良かった。締め切りが2日は前だっただろうね。
開催まであと4日。久しぶりに自分のベッドで寝れる!
《王国歴511年 4ノ月9日》
緊急配備の6ノ刻から17ノ刻
各部に招待状の送付完了。明日以降、該当者に配布される予定。
財務部から財源について質疑状送付。書記官長と宰相様が協議に入る。
14ノ刻から2回目の警備体制協議。厨房も交えて、当日の食事の安全管理について協議。
各大臣および陛下への招待状作成指示。
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久しぶりに半日以上の休みがもらえて、帰宅したあとのパフォーマンスすごい。や、王宮でも寝てたけど。やっぱり、自分のベッドには勝てないんだと再認識した。
で、すっきりして出てきたら何なんだこのハプニングの量。
まずさあ、おい財務部。財源とか今言う話じゃないだろう。もっと前、財務卿からの許可を得たときか、それか決算のときにしてくれ。今じゃない。ここでトップ二人に抜けられたこっちの身も考えてくれよ、ドレイモン書記官。「仕事ですので。」ってのは分かってるんだ。
警備体制協議も第2回が開かれるなんて。いや、陛下の要望が誤算だった。今まで出したことない料理だから。マニュアルにないって大変だよ。全く、もう少しだってのに問題の嵐。
開催まであと3日。もうひと、ふた、いやさん頑張りくらいかも……。
《王国歴511年 4ノ月10日》
緊急配備の5ノ刻から16ノ刻
10ノ刻より財務卿への説明会を開催し、承認を取得。
それに伴い、他卿からの質疑に答える場を14ノ刻より開催。
書記官長に帰宅命令が下る。
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とうとう書記官長がやばそうだ。ここ3日ほど、一睡もしないで仕事していたらしいから。
それもこれも財務卿、あなたのせいだ。と言いたいところなんだけど、開催を要求した割には難癖が少なかったような……?他の大臣方の屁理屈(って言ってるのばれたら大変)に比べたらってだけなんだが。
そういや、宰相様って今回の件が始まってから帰宅されているか?と他の書記官と話題になった。
誰も、知らなかった。
……いや、この話は知らない。知らなかったことにしよう。――そうしないと余りにも怖いから。
開催まであと2日。あの方の体力はどこからやってくるんだろうか。
《王国歴511年 4ノ月11日》
緊急配備の6ノ刻から20ノ刻
食材の納入が全て完了。カトラリーの数も確認。
全招待状送付者への受け取りを確認。
当日の動きについて、各部局の担当者と最後の打ち合わせ。
全員に帰宅命令が下った。
明日は7時集合。
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おわったーー。や、本番は明日だけど。でも今のところ滞りなく進んでいる。
打ち合わせのとき、さすがに他部局の担当者の顔にも疲労感が浮かんでいた。でも、ウチの奴らや財務部のドレイモン書記官と比べれば、全然肌ツヤが違う。
それもあったのか、全員への帰宅命令とは恐れ入った。明日、前に立つにしては顔色が悪すぎたか。
まあ、このままじゃ誰が倒れてもおかしくないからな。
明日はきっと長い。寝すぎて遅刻しないようにしないと。
もうひと踏ん張り、ここでもう一度気を引き締めていこうと声を掛け合った。
開催まであと1日。さすがに今日は、あのお二方も帰宅されるらしい。本当に休んでほしい。こちらの精神衛生的にも。
《王国歴511年 4ノ月10日》
緊急配備の7ノ刻から22ノ刻
終わった。
問題は軽微なもののみ。
これから交代で3日間の休み。
寝よ。
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