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4話 ある少女の過去と結果

333:イッチ


【悲報】ワイ、新人戦で優勝した子に嫌われていた模様




334:名無し





335:名無し


相変わらずアンチが多いことで




336:名無し


どうして嫌われていることを知ったんや




337:イッチ


>336 新人戦で目が合った時めっちゃいや~な顔をされたんや。その時はもしかして俺のこと嫌ってるのかな~みたいな感じでほってほいたんだけど今日、その子を生徒会に勧誘したときに俺がいるなら生徒会に入らないって言われて確信に変わった。




337:名無し


>336 草。めっちゃ言われてるやん




338:名無し


てかイッチって生徒会に入ってたんや。どうやって入ったんや?不正票?




339:イッチ


>338 違う。俺の学校って実力主義みたいなところあるから生徒会は投票じゃなくて勧誘なんだよ。去年の新人戦で俺が優勝したから生徒会に入れた感じ




340:名無し


なるおど。それでイッチが生徒会に入れた理由か




341:イッチ


そそ。そんで彼女に詳しく説明してもらったんだけど俺みたいな人とは一緒に仕事をしたくないの一点張りでなんも聞いてくれん




342:名無し


そら普段からあんな戦い方をしたらねぇ




343:名無し


( ᐛ )σ ソレナ




344:名無し


こればっかりはイッチの普段の戦い方に問題あると思う




345:イッチ


なんでや⁉


俺はただドス使って相手滅多刺しにしてるだけやん




346:名無し


>345 原因言ってるやん




347:名無し


あの絵面はちょっとねぇ




348:名無し


それよりもイッチ、残念だったな




349:イッチ


>348 なにが?




350:名無し


もしもうまくいけばその子と仲良くなれたのに




351:名無し


金髪碧眼の美少女とか誰もが憧れる的やろ




352:名無し


残念だったなwwwあの金髪美少女はワイがもらうから




353:名無し


何言ってるんだ。あの子は俺の彼女だぞ




354:名無し


>352 >353 残念だけどあの子は今俺のベッドにいるんだよね。自称乙www




356:イッチ


盛り上がってるとこ悪いけど俺には許嫁がいるから別にあの子から嫌われてもべつに構わん




357:名無し


>356 は?




358:名無し


>256 イッチはワイらのことを裏切ったんか?




359:名無し


許さん











さて、俺はいまだどこにいるでしょうか?





チクタクチクタク





正解は昨日新人戦があった決闘場でーす。いやなんで?




まあ原因を説明するならすべては昨日俺のことを嫌った安藤サクラが原因なんだけどね。昨日、結局俺をやめさせたい安藤サクラと生徒会をやめたくない俺で結局話は平行線のまま、どうしようかとみんなが頭を捻らせていいたところ、偶然あったんですよ。話の決着をつける方法が。


なんでも江戸時代、東雲学園の前進にあたる学校の校則で意見が対立した場合決闘でその場を収めるというルールがあったっぽくて今回はそれを採用したらしいです。


いあいやおかしいでしょ。スマートフォンが普及しているこの現代に決闘で物事を決める?司法、司法は何処へ?




まあ、駄々をこねても仕方がないのでしぶしぶ了承したわけなのだがこのままいつも通りボコボコにしても面倒ごとが増えるだけだし、なんか機能に新人戦であの美貌に虜にされたファンたちにまた刺されそうで怖いから今日は大人しめに勝とうとしますか。さーて、頑張るぞー!




「せいぜい無様な姿を見せないことね。雑魚」




…ビキビキッ。かっちーん頭に来ちゃいました。前言撤回、ボコボコにします。









(安藤サクラ視点)




私は昔から人1倍正義感が強かった。お母さんが言うにはその星の元に生まれたかららしい。でもこの性格を嫌いになったことなど1度もなかった。でもやはり正義感が強い人間はいじめの標的になるのだろう。私はいじめられた。




苦しくない。辛くない。そう自分に言い聞かせ耐えてきた。でも本当は辛かったし、苦しかった。もし私が2人いたらどれだけよかっただろうか。もし私がもう1人いたならきっと私のことをかばってくれていただろう。でも無情にもこの世には自分は1人しかいない。




昨日もいじめられて、今日もいじめられて、明日も多分いじめられる。最初は楽しかった学校も今では行きたくないと思えてしまうほど嫌いになった。




翌日、私は人生で初めて仮病で学校を休んだ。




正直言って悔しい。なんでなんも悪くない私がこんな目に遭わないといけないのか。でももうこんな風に思う気力すらなかった。心配する母親には嘘をついて自分の部屋に引きこもる。体調が悪いわけでもないので寝れない。惰性でスマホをいじっているととある配信者がダンジョンを攻略しているお動画が流れてきた。今思い出してもなんでそれを見たのかはわからない。普段からダンジョン配信を見るような人間ではなかった。




でもその配信が私を変えた。モンスターに勇敢に立ち向かう彼女に私は心を奪われた。モンスターと戦う彼女、ダンジョンで人助けをする彼女、すべてが私の理想だった。そして思い出す昔の夢。人助けをしたい、弱い人を助けたい。そんな夢を叶えるべく私は新たな一歩を踏み出した。









冒険者になって早2年、地元の冒険者用の塾に通いながら普段はダンジョンに潜る生活をしていた。最初は両親に止められたけど、どうしてもやりたいことを伝えたら「サクラの人生だから好きにしなさい」と応援してくれた。そして今度は私の親が私よりもダンジョン配信にハマり始めた。




ある日、私が初めて見た配信者である魔女さんの大会を見に行く機会が巡ってきた。前々から行きたいと思っていたが、抽選が外れたりと色々あったせいで今まで身に行けなかった。




魔女さんはあの日、初めて私が見たときよりも強くなっていき、ついに女性で初めてのA級冒険者になった。さらに去年の冒険者の大会で何度も優勝し、今一番強い高校生とまで言われていた。初めて生で魔女さんの雄姿が見れる。そう思っていた。




結果は惨敗。代わりに今大会初挑戦の間宮湊という華族の人間が優勝した。勝負の世界なのは理解している。でも悔しい、自分が負けたわけではないのにそう感じた。でもあいつ、間宮湊のインタビューを聞いたと悔しさが怒りに変わった。





『優勝おめでとうございます。今大会で印象に残ったことはなんですか?』


『特にないっすね。』


『そっ、そうですか。今大会の優勝候補と言われていた魔女こと灯さんについてはどうお思いですか?』


『特に思うことはないですね。強いていくなら顔がかわいいぐらいかな』


『あはは…戦闘面での感想は…』


『特にないですね』




魔女さんに特に思うことは何もない。特に思わない。強いて言うなら顔がいい。私のヒーローに対していった事を私は許すことができなかった。









先の大会から1日たちネット上では間宮湊への批判でいっぱいだった。もともとファンが多い灯さんにあんなことを言ったからだ。当然ファンはもちろん、大会の有識者からも試合に対する礼儀がなっていないと批評を受けて炎上はさらに勢いを増した。




自分の心の中にはざまあみろという気持ちがある。でも同時に可哀そうという気持ちもある。難儀な性格だ。自分でそう思いながら私は眠りについた。









あの後、間宮湊はすべての試合で勝った。グランドスラムを達成したのだった。そして私のヒーローの灯さんは今年ほぼすべての試合で負けた。勝った試合は間宮湊が出ていない試合だけ、彼はネットの批判をもろともせず自らの強さを証明した。




でも彼のアンチは一向に減らない。原因はわかっている。彼の性格だ。


誰に対してもまるで悪役のように接し、相手の希望を打ち砕くように勝つ。そんな戦い方で人気が出るわけないし、応援が来るわけでもない。だが彼は自分を曲げなかった。どれだけすごいことなのだろうか。私にはわからない。わかりたくもない。




みんなの希望を砕く悪役の気持ちなんて。









灯さんがいた東雲学園に無事入学して私は最初の大会、新人戦で見事優勝した。だけど優勝した時に目が合った間宮湊の顔が忘れられない。心では1ミリも思っていないような笑顔。寒気がした。




そして私はついに彼と戦う機会が巡ってきた。きっかけは私のわがままだった。単純に私が間宮湊と一緒にいたくない。ただ彼が生理的に無理な人間だったから。それでも「せいぜい無様な姿を見せないことね。雑魚」は言い過ぎたかもしれない。この試合が終わった後に謝ろう。そう思いながら決闘場のステージに私はのぼった。




















































結果、私は見るも無残に負けた。完敗だった。

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