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92 2回目の挑戦1


転送が終わり目の前の風景が一新される。最初に来たときと同じ桟橋の上からのスタートだ。


「あんたがギルドから派遣されてきた冒険者か?よろしく頼むぜ。村の中は安全だが、柵の外には地震で気がたったモンスターたちがいるから気をつけてくれ。何かあったら俺にまた話しかけてくれ。」


最初と変わらず同じセリフから2回目の挑戦が始まった。


「レイ、おいで。」


ワッフ!


「じゃ、ちょっと乗せてね。」


よいしょっと。


「まずはあのおじさんのとこにダッシュ!」


そうしてレイに乗りながら村中を走ってサイドクエストをすべて受注していった。


「えっと次は、ウサ郎とカスミとモカさんを出して。」


キュッ ホホーウ ンモー


「よしよし、みんないい?今からそれぞれ指示するから聞いててね。まずはウサ郎、こことこことここにブラッドカウが居るからタッチして捕まえてきて。カスミとモカさんは二人でこの5箇所のヤシの実の回収、ついでにセイラーガルを5匹倒してきて。」


説明をしてモカさんに荷車をつけて送り出す。みんなそれぞれ元気に走り出していった。


「次はウサ吉とマドレを出して。」


キュキュ シャー


「ウサ吉はこの辺りのジャングルの中で採取出来るものを拾ってきて、マドレはウサ吉の護衛と荷物もちね。じゃ、行ってらっしゃい!」


マドレはウサ吉を背中に乗せて器用に木の幹に糸を次々と伸ばしながら渡っていき、あっという間にジャングルの中に消えていった。


「よし、じゃー私達も行きますか。目指すはナイトクラブ!」


アウォーン!


東側の門から外に出て勢いよく走り出した。こちらの海岸線は砂浜ではなく大きめの岩がゴロゴロと転がる岸壁になっていた。レイはその岩の上を滑らないように慎重に跳び乗っていく。しばらくすると大きな岩の上に一人の男性が釣り糸を垂らしながらぽつんと立っていた。


「よお、あんたが呼ばれてきた冒険者か?ついでで悪いが、ここらにナイトクラブが出て困ってるんだ。何匹か倒して来てくれないか?」


《ナイトクラブの討伐 0/3》


ここにもサブクエスト残ってたんだね。ちょうどナイトクラブを戦ってみようとしてたからちょうどいいかも。


「よろしく頼むぜ。」


受注を確認して走り出した私にそう言って手を振ってくれた。私も振り返って手を振替してみた。



しばらく岩の上を渡っていると岩陰に動く大きな影を見つけた。


「レイ、ストップ。何かいる!」


急停止して止まったレイは岩が濡れていたせいなのか少し滑って体勢を崩して、見事に私は前に飛ばされてしまった。頭から落ちてゴチンッと硬い岩に激突してしまった。


「あいたたた、迂闊だった。」


戦ってもないのに少し体力が減ってしまった。頭を抑えて立ち上がった私の目の前には影の主が気づいてこちらに両手を掲げてハサミを鳴らして威嚇していた。


パチンパチン!


2m近くはあるであろう巨大なカニは伸ばした両手を下におろし、盾型のハサミを前にし構えた。どうやら戦闘体勢に入ったようだった。


「レイ、威嚇しながらとりあえず牽制。弱点は目だから狙えそうなら狙ってみて。」


グルルル!


レイが間に入って牽制してくれている間に魔導書を開き、詠唱をはじめた。そんなことをしている間に2匹の距離がジリジリ近づいていき一触即発の緊張感が漂っていた。先に動いたのはレイだった。その場から跳び上がり、ナイトクラブに前足で攻撃を仕掛けた。しかしナイトクラブは盾で難なくいなし、レイを弾き飛ばした。やはり守りは固いようだ、レイ一人じゃ難しそうだな。飛ばされたレイに追撃の突きをしてきたが、レイは空中で身を翻し避けてみせた。


「レイ、一旦距離取って!私の魔法に合わせて次は攻撃してみて!」


ワッフ!


「ポータル!」


ナイトクラブの左足の真下に小さめのポータルを発動した、出口は適当な空中にしておいた。狙い通りにナイトクラブは体勢を崩した。空中に出したポータルにナイトクラブの足だけがでてきてバタバタしている。それを見たレイは勢いをつけて相手の目に狙いをつけて飛びかかる。慌てて右手の槍で受け止めるナイトクラブに前足を止められるも、首を伸ばしてナイトクラブの目に食らいついた。よほど痛いのかナイトクラブは悶え苦しんでいる。右のハサミでなんとかレイを引き剥がそうとしているが、レイも負けじと食らいつく。そのままダメージが入り続け、みるみるうちにナイトクラブの体力が減少していき、最後は呆気なくそのままポリゴンになって消えていった。


《ナイトクラブの討伐 1/3》

|ω・) 台風じゃー

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