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87 君等ってどういう関係

後で書き直すかもです


会議から2日後、私は1つの問題に苦悩していた。たぶん誰も興味はないだろうけど、一度気になると考えてしまう。そんな問題を抱えながら放牧場でゴロゴロしながら2匹のウサギを眺めていた。


会議の後、ハルカちゃんをラヘルに連れて行くために放牧場へ案内したところ。クーちゃんの大きさに驚いたのか、尻もちを付いていた。それから一緒に乗って空の散歩をしながら、ハルカちゃんにみんなの印象を聞いたりした。みんな好印象だったが、ルリさんだけは見た目によらず少し怖いと言っていた。ま、そのうち仲良くなるだろう。ラヘルまではすぐ着いたが、その時点でハルカちゃんのログアウト時間が迫っていたためルンのお店の場所と説明だけ済ませてその日は解散した。翌日にユウさんとのレベル上げの予定があることを聞いていたので、ユウさんに町の案内を丸投げしておいた。みっちりしごかれたハルカちゃんの成長も楽しみだ。他にもルンが何やら準備しているらしいが、当日まで秘密と言われてしまった。


と、そんな感じでここ数日は過ぎたのだが。今日私は放牧場に来てテイムモンスターの整理をしているときにふとある疑問が湧いてしまった。


「えっと、一旦全員手持ちに入れてっと。」


イベントに向けてみんなのステータスを確認をしよう。最近仲間になったマドレとウサ郎以外はだいたい15レベル付近まで上がっている。明日からのイベントはこの2匹はお留守番かな。そう言えばウサ吉とマルの収集はどうなったんだろう、放牧場でも機能しているのだろうか。備え付けの収納箱を確認すると見慣れないアイテムも入っていたが、鉱石や植物なども入っていたのでちゃんと収集は発動するようだ。となると、ウサ吉やマルも置いていったがいいのだろうか。でも二人共仲間としても心強いんだよね。それに採取もポイントになるって言ってたからなおさら連れてくべきなんだろうか。悩ましい。


「おいでー、ウサ吉。」


ンキュ!


一人で悩んでも仕方ないともふもふを召喚して撫で回す。このふわふわもふもふ感がたまらないんだよな。そう言えば、ウサ郎を撫で回した記憶があまりないな。


「ウサ郎もおいでー。」


キュキュッ!


こっちはツルツルさらさらといった感じで、これまた気持ちいい。いや、ウサ吉も気持ちいいんだけど方向性が違うんだよ。どちらも甲乙つけがたい。


「そう言えば、君等ってどういう関係なの?」


そう、これが私を悩ませている問題の発端だった。

2匹ともウサギなのだが、フォルムが全く違う。ウサ吉はどう見てもただの毛玉だ、しかしウサ郎のほうはしっかりウサギとしての特徴がはっきりわかる。人で例えるなら、アフロかロングストレートかってくらい違う。ただ、髪型が違うだけで人は人なのだからこのウサギたちも毛の質が違うだけで同じ種類なのかもしれない。目や鼻などの顔のパーツは似ている、まぁ同じウサギだから似て当たり前なのかもしれない。人間の私からすれば一緒に見えるが、ウサギたちからすると全く違っているのかもしれない。

草地に寝っ転がり、空を流れる雲をぼーっと見ながら考える。確たる証拠も見つからず、一人もやもやするばかりであった。


「アカリん、寝そべって何してるの?」


ルンが私の頭の方からやってきて、顔を覗き込む。


「んー、ちょっとした疑問に頭を悩ませてて。ルンは何しに?」


「あー、私はモカさんのミルクを補充しに来たんだ。」


「たぶん大量にあるだろうからいっぱい持っててー。それで、何に使うの?」


「んー、ちょっとね。明日の準備かな。それでアカリんの悩みは?」


収納箱から次々とミルクを取り出しながら、ルンは私に聞いてきた。


「いや、さー。コットンラビットとシルキーラビットってどういう関係なんだろうって考えてて。」


「あー、アルファ種と通常種の関係ねー。考察スレとか立ってるから気になってる人達もいるみたいだね。」


「大体は色が違ったりって感じだけど、この2匹って見た目がそもそもぜんぜん違うんだよね。でもよくよく見ると、細部とかは似てる気がしてて。」


「いっそのこと解剖してみたら?」


なんて物騒なことを言うんだこの人は。料理人だからの発想なのだろうか、怖い怖い。そのうち味比べしようとか言い出しそう。


「それはさせないよ!こんなに可愛いのに!ねー、2匹とも?」


"ンキュキュ!" "ンキュンキュ!"


そーだそーだ!もっと言ってやれー!そう、心のなかで後押ししておいた。

2匹のウサギから抗議されるている料理人はいいことを思いついたのか急に目を見開いてこう言いだした。


「毛を刈って裸にしてみたら?」


「あっ、それいいかも!」


そうだ、毛を刈ってみたらちゃんとしたフォルムがわかるじゃないか。ごめんなさい、ルンさま。失礼なことを考えて。さっそくハサミを出していざ参る。

まずはウサ吉からカットしていく。久々のカットで、最初の頃を思い出す。カットすると中からは耳が短めの、普通のウサギが出てきた。この格好も懐かしいね。次にウサ郎だが、こちらもカットしていくと、中から出てきたのは意外にもウサ吉と全く同じフォルムのウサギだった。瓜二つと言っても過言ではない。


「実は癖っ毛か直毛かの違いだけだったりして?」


「これを見ると、そうかもね。」


つまるところ、この子たちはもしかしたら同じ種で、たまたま直毛になった種がシルキーラビットになるのかもしれない。と、そんな妄想掻き立てながら私の悩みは一旦解決となった。こういうゲームの設定とか考えるのもたまにはいいものだ。

|ω・) ただの妄想回

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