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84 農業スキル


少し格好つけすぎたかもしれない。アカリちゃんからの羨望の眼差しがさっきから痛い。きっとそのうちできるようになるよ、たぶん。なんなら帰り道で出くわしたシルバーウルフとの戦闘では命中精度上がってたと思うけど。人の成長は早いもんだね。

にしても見せるためとは言え、キングウルフ倒しちゃったのはもったいなかったかな。2匹目を迎えるのも悪くないと思うんだよね、ユウさんと取り合いにならずに済むし。また今度お迎えにでも行こうかな。ユウさんそそのかしてみよう。


無事にハルカちゃんの冒険者ランクも2まで上がり今はアクセスで一旦休憩中である。と、言うのもユウさんが移動に便利な物を持ってきてくれるんだって。そんな訳でカフェで優雅なティータイム中なのだ。


「それでレベルが上がってスキル枠が増えたけど、結局まだ決めかねてるんだっけ?」


このマジックビーンのお茶はなかなか美味しいかも。


「は、はい。そうなんです。おにーちゃんに昨日聞こうとしたんですけど、忙しいみたいで話聞いてくれなくて…。」


なんて兄貴だ、こんな可愛い妹を無視するなんて。あっ、こっちのチーズケーキも美味しいな。


「むぐもぐ、そうだねー、今困ってることとかを補えるようなスキルがいいんだろうけど。このゲーム、結構なんでもできちゃうから選ぶのも大変だよね。」


今いくつスキルあるんだろうか、軽く100は超えてそうだな。全部まとめてくれてるサイトとかないのかな。


「えっと、今困ってることですか?実はまだ一人で戦ったことなくて。モンスターが襲ってくる中で戦えるのかなって心配で…。」


「あれ?そうだったの?!」


危うくお茶を吹き出すとこだった。


「はいぃ、最初に会ったときが初の戦闘でした。」


そうだったのか、それなのに助けに来てくれたんだ。なんていい子なんだ。そういえば最初に会ったときレベル1だったっけか?。


「そっかー、今後もずっと一緒にできるわけじゃないからね。一人の時でも戦えるようになりたいんだねー。」


「あ、あとは前にも言ったかもですけど、戦う以外のこともやってみたいです!何かまったりできる自分だけの趣味みたいな。」


「んー、何かいいスキルないかなー。うーん。ユウさんなら知ってそうだけどなー。」


いいものがないかお茶をすすりながら目をつぶって考える。


「そのお茶美味しそうだね…。」


「うわっ、びっくりしたー。」


またお茶を吹くとこだった。


「おまたせ、リーダー…。」


急に真後ろから音もなくユウさんが現れた。


「ユウさん、できれば普通に近づいてもらってもいいですか?心臓に悪いので。」


そう伝えるも、ユウさん的には普通に近づいて来たようだった。キョトンとした顔でこちらを見つめている。


「それで、何の話してたの…?」


「えっと、ハルカちゃんのスキル構成について相談されててね。あ、この子が新しく加入したハルカちゃんだよ。」


「あわわわわ、えっと、よろしくお願いします。」


「こっちが前に言ってた、ゲームに詳しいクランメンバーのユウさん。」


「どうも、よろしく…。」


軽く紹介を済ませてさっきまで話してた内容をユウさんに説明した。


「なるほどね…、だったら普通は移動系のスキルを取るか、あとは盾系を装備したり…。盾もいくつか種類があって、小盾に大盾やあとは魔導盾なんかもある…。魔法系のスキル取ってる人にはちょっと癖があるけど、魔導盾が人気…。移動系のスキルもいくつかあるけど、動きながら魔法の照準を合わせる訓練がいるかも…。」


「わ、わ、私に出来るでしょうか?」


「あとは…農業スキルがおすすめかな…?」


「「の、農業?!」」


「えっと、うん、農業…。アイテム使えば戦闘でも役に立つ…。例えば、これとか…。」


そう言ってユウさんが出したのはうねうねとした蔓状の植物だった。


【ひっかけ草:丈夫な蔓状の植物、縄の代用になる。】


それからユウさんの説明が始まった。なんでも、農業スキルを取ると種の状態から植物を急速成長させることができるらしい。そしてこのひっかけ草は地面の外と中を波打つように生えるらしい。そのため即席のスネアトラップになるとか。他にもユニークな植物がこのゲームには存在しているみたい、ルリさんが集めてるらしいから分けてもらうといいって。一応現実に存在する普通の作物や花たちもあるから、そういったのを育てたりするのも楽しめるからおすすめだそうだ。その後もたっぷり30分くらいだろうか、お茶とケーキを楽しみながらユウさんのスキル説明が続いた。ハルカちゃんは熱心にメモを取りながら聞いていたようだった、やっぱり真面目だ。にしても普段はあんまり話さないユウさんだけど、こういうときは楽しそうに話すからこのゲームのこと好きなんだろうな。ちなみに私は追加でケーキを2個ほどいただきました、ごちそうさまでした。

|ω・) 1歩進んで2歩停滞

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