08 実験
翌日、私の投稿した動画はなぜかバズっていた。確かに面白いけどここまでとは思わなかった。
どうやら原因はいくつかあるようで、まずはテイムスキルを取る人が少ないようだった。3つのスキル枠のうち1枠使ってまで取るほどの価値がないっていうのが今のテイムスキルの評価らしい。
もう一つはコットンラビットが弱すぎて最初の武器で攻撃すれば大抵倒せてしまうためテイムが難しいらしい。知らずに最初に倒してレベルが上がってしまうともう無理に近いんだとか。好物が見つかれば話は変わるんだろうけど、まだ調査中みたいだった。
私のドジによる攻撃？は絶妙なさじ加減だったようだ。
とりあえず今日もベッドに寝っ転がってゲームを起動した。
目を開けたら昨日ログアウトした草原に寝っ転がっていた。傍らにはウサ吉が、いない！？慌てて辺りを見たが見当たらなかった。昨日のは夢じゃないよなと思いながらポーチの中に兎毛があるのを確認した。確かに2個の兎毛があって少し安心した。
するとポーチの中に見慣れない結晶石が入っていた。結晶の中にはウサギのマークが掘ってあった。
アイテム名はウサ吉の魔結晶となっていた。なるほどこれが魔結晶ってやつなのか。ログアウトしたら自動で結晶化しポーチに入ってくれる親切設計のようだ。
魔結晶を地面に投げてウサ吉を出した。相変わらず今日も草をもぐもぐやっている姿を見てやっと安心した。
今日は昨日覚えた新しい魔法の実験から始めることにした。
まずは詠唱して魔導書にポータルをセットした。
「ポータル！」
続けて発動すると目線の先に半透明の黒い穴が映っていた。手に持っている魔導書を向けると黒い穴が現れた。再度目線の先には半透明の黒い穴が映っていたので別の場所にもう一度魔導書を向けて設置した。
説明によるとこの穴同士が繋がってるってことだけど、入るのには少し勇気がいるなと思いながら眺めていた。入る勇気がでなかったのでウサ吉を犠牲にすることにした。
「ウサ吉、あの穴に飛び込んでみてくれない？」
「キュッ！」
いい返事とともにウサ吉は穴の中にぴょんぴょんと飛んで入った。すると入った穴とは別の穴から勢いよくぴょんと飛んで着地した。
うんうん、ちゃんと説明通りなんだなと思いながらもう一度ポータルを詠唱した。
次は地面に上向きに設置し、もう片方を空中にこれも上向きに設置した。
「ごめんね、もう一回こっちの穴に入ってみてくれない？」
とウサ吉に地面に設置した方のポータルに入ってもらった。
すると空中の方から空に向かってウサ吉が放り出された。放り出されたウサ吉は宙高く舞ったあとに落ちてきて出てきたポータルに吸い込まれた。すると最初に入った地面に設置したポータルから勢いよく出てきて華麗に着地した。
心の中の審査員がウサ吉の着地にオール10点を出しながら、実験に付き合ってくれたウサ吉に感謝した。
ポータルの挙動を確認して少し悪いことを思いつきつつも、それはウサ吉にさせるのは危なかったのでやめておいた。
今日の確認したかったことをすべて終え、実験に参加してくれたウサ吉を撫でながら次のやりたかったことをすることにした。
|ω・) ゲームの抜け道見つけるのって楽しいですよね
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