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82 サソリさんごめんなさい


あれから一度アクセスの街のギルドまで戻り、ハルカちゃんのクエスト報告を済ませたりした。ちょうど貢献度が溜まったらしく、昇格試験を受注できたそうだ。そう、キングウルフの討伐だ。キングウルフは街の東側の先なので、今から急いでいっても時間オーバーになりそうなので明日にすることになった。それと、クランにも入ってくれることになった。みんなに会わせるのが楽しみだが、そのためにも明日は試練をクリアしてラヘルに行けるようにしてあげたい。


「お、お待たせしました。」


「うんん、大丈夫だよ。じゃ、行こうか。」


ギルドから出て、北へまっすぐ街道を進む。道中にスキルのことで相談を受けたが、私は詳しくないので自分の持ってるスキルの説明だけにしておいた。ゲームのことはルリさんやユウさんのほうが詳しいから、今度紹介するときに聞いてみてねと言っておいた。


すっかり日も暮れ、ゲーム内は夜になっていた。草原には少し冷たい風が吹いていた。ここに来るのも久しぶりだ。さて、さっきまで戦っていたコットンラビットは基本的に攻撃してこないから良かったが今からは違う。レッドボアは好戦的なモンスターだ。ハルカちゃんは後衛なので接近されると弱い、なので前衛になる子を出しておこう。パーティーでの戦闘の練習にちょうどいいだろう。


「おいでー、フェブレロ、レイ、ウサ郎。」


フシャアー!


ワフッ


ンキュ?


選ばれたのはこの3匹でした。戦闘中の前衛はフェブレロとレイに任せるつもり、ウサ郎はアイテム採取要員だ。さっき大量に消費しちゃったし、この辺のアイテム取りに来ることもあんまりないからついでだ。


「あわわわ、おっきなモンスターっ。」


急に出てきた大きな私の子たちに驚いたハルカちゃんは尻もちをついた。


「ごめんね、急に。怖くないよー。何ならレイに乗ってみる?レイ、ちょっとかがんで!」


あわあわしているハルカちゃんを強引に引っ張りレイの上に乗せてみる。どうだこの気持ちよさ、存分に味わうが良い。この高級毛皮を体感するがよい。戸惑っていたハルカちゃんの顔はだんだんと毛皮の虜になったのか、表情が和らいで来ている。


「それじゃー、出発。」


「ふぁ~い。」


気づけばふにゃふにゃになっていた、さすがレイ。私はウサ郎を抱きかかえて、このサラサラ感を楽しみながら探索を進めることにする。


最初の接敵は意外とすぐだった。出発して1分くらいで探知に反応があった。レッドボアと戦うのも久しぶりだけど昔はどうやって倒したんだっけか、覚えてないな。


「フェブレロ、挑発!」


まずは盾役のフェブレロに頑張ってもらって、その間にハルカちゃんが魔法を詠唱する。


「ストーンボール!」


空中に生成された石ころが猛スピードでレッドボアに飛んでいく。タクトの連射性能もあってか、かなりの数の弾が飛んでいっている。フェブレロにもいくつか当たっているが仲間にダメージはないので気にしないでいいのだが…。


「わわわっ、サソリさんごめんなさい。」


そんなことは知らなかったようで、撃つのをやめてしまった。


「レイ、とどめ!」


ワウォーン!


手を止めてしまったハルカちゃんのフォローをするために、すかさずレイに指示を出す。弱っていたこともあり、レイの鋭いお手1発でレッドボアは倒れた。


「ダメージないから気にしないでいいんだよ。」


「えっ、そうなんですか?」


「味方にダメージ入らないようになってるから。ただ、今後範囲の広い魔法とか使えるようになると思うんだけど、使い方によっては味方のじゃまになっちゃうからそこは気をつけないとだけどね。」


うんうん、と首を縦に振ってなるほどと言った感じのリアクションをしてくれた。その後も探しては、パーティーでの戦い方を練習した。3~4戦目くらいにもなると、ちゃんと連携できるようになっていた。なので次の段階に以降することにした。今度は2匹以上の相手も戦うことにした。そしてフェブレロには1匹だけは残して、他の注意を引いてもらう。残った1匹はレイに相手してもらい、ハルカちゃんには臨機応変に攻撃してもらう。前にユウさんにスパルタでこんな練習をさせられたのが懐かしい、私の場合は攻撃ではなくて転移魔法でのサポートが目的だったけど。


「それじゃ、フェブレロよろしく。」


カチンカチン!


爪を鳴らして敵の注意を引く、レイその中から1匹をレイが上手く引っ張ってきて相手取る。私はハルカちゃんが危なくなったらアポートで引っ張って助ける程度にして練習の手伝いをした。うちの子たちはレベル差もあり危なげなく相手出来ていたが、ハルカちゃんが攻撃に迷いがでていた。慣れるまでは少し時間がかかりそうだった。


「ごめんなさい、上手く出来なくて…。」


「大丈夫だよ、慌てずゆっくりね。」


「は、はい!」


ホント素直でいい子だよ、すぐに私よりも上手くなりそうだ。その後も続けるとこ数回、なんとか少しづつ対応できるようになってきた。時間的にもそろそろ解散時になった。ちゃんと街まで送り届けて解散した。

その後は今日の目標目指して、レッドボア狩りを始めた。レイ以外の子をしまって、レイに騎乗し野原を走り回った。全力で強化したレイは通り魔のごとく、猛スピードで接敵し1撃でレッドボアたちを倒していく。しかし、残念ながらその日は黒いレッドボアに出会うことはなかった。

|ω・) 昼は春雨スープ

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