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80 シルキーラビット


うさぎ追いしかの草原じゃないけど、30分くらい探知を使って歩き回っていた。見つけたコットンラビットはなるべくハルカちゃんに倒してもらった、パーティーを組んでるから私が倒しても変わりはないのだけどゲームに慣れてもらおうと思ってそうしている。たまに複数体いるときはカスミに手伝ってもらったりもした。たぶん料理スキルの影響だと思うがたまにお肉もドロップしていた。


【コットンラビットのもも肉:多少の臭みがあるものの淡白な味わいの兎肉】


初めて見る兎肉に二人で困惑しながらどうしようかと話した。兎肉なんて食べる機会ないから少し興味はあったので、せっかくだし後で食べてみようと言うことになった。

引き続きレベル上げを兼ねた探索をしていると、気づけば日が傾き始めていた。ハルカちゃんのレベルももうちょっとで上がりそうなので今日はそこまで頑張ってみたいらしいので、私も今日はそこまで付き合うことにした。



「200m先に1つモンスターの反応があるよ。日も暮れるし、次の戦闘終わったら少し休憩しようか。」


「は、はい。頑張ります!」


目標を決めると気合が入るタイプなのだろうか。返事にも少し力が入っていた。


「カスミ、ちょっとこっちまで誘導してきて。」


ホホウッ


私の頭に停まっていたカスミに指示を出すと音もなく飛び立ち、すーっと空を滑るように飛んでいく。反応があった場所まで行くと、カスミは低空飛行してコットンラビットがこっちに逃げるように追いやってくる。今回もいい感じに誘導してくれているが、そのモンスターはコットンラビットではなかった。綿花のように丸くふわふわしたフォルムではなく、しっかりとウサギの長い耳や大きめの後ろ足と言った部位が分かるくらい毛が体にフィットしている。しかも頭部の毛だけが長く、尻尾の方まで届くくらい伸びていた。そんな体毛はとてもサラサラとなびいており、まるでシャンプーのCMに出る女優さんのような質感だった。


「い、いたー!!!」


「えっ?えっ?あれが探してたモンスター?」


「そ、そうだよ、きっと。カスミ、一旦追うの中止!」


カスミは旋回し、そのまま遥か上空まで上昇していった。逃げていたウサギのモンスターもカスミが離れていったのに気づいたのか、走るスピードを緩めていった。私達にはまだ気づいていない様子だったのですかさず隠密を発動しておく。


「ハルカちゃん、今隠密っていう敵から見つかりにくくなるスキルつかったからゆっくり近づくよ。あの子が私の探してたモンスターだから、テイムするの手伝って欲しいんだけどいいかな?」


「わわわ、私にできることがあれば、はい。」


ゆっくりと焦らずに近づいていく。いつの間にかカスミは帰ってきており、そっと私の頭の上に着陸した。モンスターまで5mくらいのところまで来ると、流石に気づいたのかこちらを向いて警戒している。私はその場にしゃがみ込んで、ポーチから残っているヒールベリーを出してみる。警戒していたそのモンスターは鼻をひくひくとさせ、反応してくれた。どうやら好物は同じ物のようだ。1歩づつ進んでは停まりを繰り返し、少しづつ近づいてくる。なんだかとってももどかしいが我慢する。モンスターの名前を確認すると、シルキーラビットと書いてあった。綿花じゃなくて絹なのか、それでこんなサラサラなんだなと一人納得した。私の手のひらに置いてあるヒールベリーまで近づくと、最初は警戒していたがしばらくすると恐る恐る食べ始めた。そこからは早かった、食べるのに夢中になっているのか次々と食べ進めていく。食べている間に、空いている方の手で撫でてみたが嫌がる様子もなかった。コットンラビットはふかふかと言う手触りだが、シルキーラビットはすべすべで柔らかいといった感じだった。どうすればいいのかわからないって感じで静かにあわあわしているハルカちゃんに目配せをして、一緒に触ってもらった。そんな無音の時間が過ぎていた。私の出したヒールベリーを食べ終わると、シルキーラビットはこっちを向いておかわりを要求しているのかつぶらな瞳でこちらを見つめている。


「ごめんねー、もうヒールベリーないんだー。」


キュウウウ…


「よかったら仲間になってよ、そしたらまたヒールベリー集めてあげるからさ。」


物で釣る下手なナンパみたいになったが気にしない。


キュッキュ


頭を上下に振って返事してくれた。


「じゃ、テイム。」


光に包まれて、いつものように収まる。無事成功したみたいだ。


「せ、成功したんですか?」


「うん、成功だよー。ありがとね。」


「わわわ、私何もしてないですけど?」


「ちゃんと指示通りにしてくれただけで十分だよ。」


「あ、今ので私レベル上がったみたいです。」


「お、じゃあちょうどいいし、一旦休憩にしようか。」


「はーい。」


ハルカちゃんは近くの木の根本に腰を据えて、自分のステータス画面とにらめっこを始めた。私もテイムしたシルキーラビットのステータスを確認し、名前を考え始めた。


【】(シルキーラビット)Lv5

体力(HP)   55/55

スタミナ(ST) 36/36

筋力(STR)   21

知力(INT)   12

俊敏性(AGI)  50

器用さ(DEX)  12

重量(WT)   10


スキル:<衝撃受流し:Lv5> <収集(植物):Lv5> <増毛:Lv4>


ステータスは5レベルのときのウサ吉とあまり差はなさそう、強いて言えば俊敏性が少し高いくらいか。スキルも殆ど変わらず、衝撃吸収が衝撃受流しになってるくらいだろうか。ダメージを軽減するのは一緒だが、違いとしてはウサ吉のは物理ダメージに対して軽減するのに対してこっちは魔法ダメージを軽減するようだった。にしてもこのエリアでレベル5なのは高めだね、初心者は倒せるのだろうか。名前は、まぁほぼ決まっている。勝手にウサ吉の兄弟的な感じだと思ってるので、ウサ郎だよね。それ以外考えられないよ、うん。


「ウサ郎よろしくね。」


ンーキュ!


「ウサ?郎?」


「いい名前でしょ!」


「えっ、えーっと、いい名前だと、お、思いますよ。」


何か変なとこあったかな?ま、いいか。さ、ポーチから調理道具を出して準備を始める。え?ウサ郎の前で仲間のお肉食べるサイコパスだって?ちゃんとウサ郎は魔結晶に戻しますよ。そんな鬼みたいなことはしません。

そんな一人コントをしながら準備していると、ハルカちゃんもステータス確認が終わったようでこちらに寄ってきた。さて、兎肉の味はどんな味なんだろう。

|ω・) 予約投稿の日間違えてたの気づいて慌てて書きました()

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